Oracle Cloud Marketplace上のOracle GoldenGate Maximum Availability Hubについて
Oracle GoldenGate Maximum Availability Hubは、Oracle GoldenGate高可用性ソリューションの設定と構成にかかる時間が短くなるように設計されています。
これは、高速で簡単なフェイルオーバーのための2ノード・クラスタ・サーバーを構成することで高可用性を提供し、別の2ノード・クラスタ・サーバー上のもう片方の同一GoldenGateハブ・サーバーへのOracle Advanced Cluster File System (ACFS)レプリケーションを利用することで障害時リカバリを提供します。
仕組み
Oracle Cloud Marketplace上のOracle GoldenGate Maximum Availability Hubをデプロイすると、terraformスクリプトによって、必要なネットワーキング・リソース(2つの2ノードRACクラスタ)が作成され、グリッド・インフラストラクチャとXAGがインストールされてから、2つのクラスタ間でACFSレプリケーションを設定するために必要なリソースが作成されます。
スタックがデプロイされると、起動スクリプトが実行されてACFSレプリケーションが構成され、その後、ACFSロール・リバーサルを実行できます。「計画済停止の管理」および「計画外停止の管理」を参照してください。
Oracle GoldenGateとサポート・テクノロジの概要
データベース間でデータをレプリケートするために必要なテクノロジについて説明します。
Oracle GoldenGate
Oracle GoldenGateでは、同種システムと異種システムの間での、リアルタイムの、ログベースのチェンジ・データ・キャプチャおよび配信が提供されます。これにより、コスト効率が高く影響の少ない、リアルタイムのデータ統合と継続的な可用性ソリューションを構築できます。
Oracle GoldenGateでは、トランザクションの整合性を維持し、既存のインフラストラクチャのオーバーヘッドを最小限に抑えて、コミットされたトランザクションからデータがレプリケートされます。このアーキテクチャは、1対多、多対多、カスケード、双方向など、複数のデータ・レプリケーション・トポロジをサポートしています。その幅広いユースケースには、リアルタイムのビジネス・インテリジェンス(クエリのオフロード、停止時間ゼロのアップグレードと移行、データ分散、データ同期、高可用性のためのアクティブ/アクティブ・データベース)が含まれます。
Oracle GoldenGate Microservices Architectureでは、REST対応サービスが提供されます。REST対応サービスでは、HTML5 Webページ、コマンドライン・インタフェースおよびAPIを介して、リモート構成、管理および監視を提供します。
推奨されるOracle GoldenGate 21c (および、それ以降のリリース)では統合ビルド・サポートが導入されているため、単一のソフトウェア・インストールで、レプリケートされたデータの取得と複数の主要なOracle Databaseバージョン(11gリリース2から21c)への適用がサポートされます。これが可能になるのは、Oracle GoldenGateインストールに必要なOracle Databaseクライアント・ライブラリが含まれており、別途データベースORACLE_HOME
をインストールする必要がないためです。
Oracle Grid Infrastructure Agent
Oracle Grid Infrastructure Agent (XAG)は、エージェント管理インタフェースであるAGCTLを介して管理されるアプリケーション・リソースとリソース・タイプに高可用性(HA)フレームワークを提供する、Oracle Grid Infrastructureコンポーネントです。このフレームワークは、完全なアプリケーションHAのためにアプリケーションを統合するための、事前定義されたOracle Grid Infrastructureリソース構成とエージェントを含む、すぐに使用できる完全なソリューションを提供します。
Oracle Grid Infrastructure Agentは、Oracle GoldenGate、Siebel、Oracle PeopleSoft、JD Edwards、Oracle WebLogic Server、ApacheおよびMySQLアプリケーション用に事前定義されたOracle Clusterwareリソースを提供します。Oracle GoldenGateのエージェントを使用すると、ソース・データベースとターゲット・データベース、アプリケーションVIPおよびAdvanced Cluster File System (ACFS)マウント・ポイントへの依存性の作成が簡略化されます。エージェント・コマンドライン・ユーティリティ(AGCTL)は、Oracle GoldenGateの起動と停止に使用します。また、クラスタ内のノード間でOracle GoldenGateを再配置するために使用することもできます。
Oracle Advanced Cluster File System (ACFS)
Oracle ACFSを使用すると、Oracle GoldenGateファイルを格納できます。
Oracle Advanced Cluster File System (Oracle ACFS)は、マルチプラットフォームのスケーラブルなファイル・システムであり、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)の機能を拡張して、すべてのカスタマ・ファイルをサポートするストレージ管理テクノロジです。
Oracle ACFSは、クラスタ・メンバーシップの状態遷移とリソースベースの高可用性にOracle Clusterwareを利用します。Oracle ACFSはOracle Grid Infrastructure (GI)にバンドルされているため、データベース、リソース、ボリュームおよびファイル・システムの統合され最適化された管理を可能にします。
概念
Oracle Cloud Marketplace上のOracle GoldenGate Maximum Availability Hubの使用時に必ず直面する一般的な概念と略語について説明します。
概念または略語 | 定義 |
---|---|
ACFS | Advanced Cluster File System |
ASM | 自動ストレージ管理 |
ASMLIB | Oracle Database自動ストレージ管理サポート・ライブラリ。 |
CRS | クラスタ・レディ・サービス |
DNS | ドメイン名サービス |
GI | Grid Infrastructure |
NGINX | 「エンジンエックス」と発音します。Oracle GoldenGateがリバース・プロキシに使用するHTTP Webサーバーです。 |
OCI | Oracle Cloud Infrastructure |
RAC | Real Application Clusters |
SCAN | 単一クライアント・アクセス名 |
VCN | 仮想クラウド・ネットワーク |
VIP | 仮想IP |
VM | 仮想マシン |
VNIC | 仮想ネットワーク・インタフェース・カード |
XAG | Oracle Grid Infrastructureスタンドアロン・エージェント |