2 Zero Downtime Migrationソフトウェアの設定

Zero Downtime Migrationソフトウェアをインストールするときは、最後にインストールを実行してから変更が加えられている可能性があるため、この項をよくお読みください。

Zero Downtime Migrationソフトウェア・キットでは、物理移行と論理移行の両方がサポートされています。1つのキットのみをインストールして、すべての機能を取得できます。

既知の問題の最新情報は、必ずZero Downtime Migrationリリース・ノートを参照してください。また、ソフトウェアのインストールおよび更新の詳細は、ダウンロードしたZero Downtime Migrationソフトウェアに同梱されているREADMEファイルを参照してください。

Zero Downtime Migrationソフトウェアがすでにホストにインストールされている場合は、それが利用可能な最新のリリースであることを常に確認する必要があります。Zero Downtime Migrationソフトウェアの更新では、既存のジョブ情報、メタデータおよびログ・ファイルを保持しながら、最新の機能と修正が提供されます。常にバージョンを確認し、ダウンロード・ページで入手できるものと比較して最新かどうかを判断してください。

既存のソフトウェアの最新リリースへの更新、ソフトウェアの削除およびZero Downtime Migrationサービスの起動と停止の詳細は、Zero Downtime Migrationサービスの管理を参照してください。

Zero Downtime Migrationソフトウェアのインストールのためのホストの準備

ホストにZero Downtime Migrationソフトウェアがまだインストールされていない場合は、要件に準拠していることを確認し、インストール前タスクを実行してから、ソフトウェアをダウンロードしてインストールします。ソフトウェアがにインストールされると、ホストはZero Downtime Migrationサービス・ホストと呼ばれます。

次の前提条件でホストをプロビジョニングし、次のインストール前タスクを完了してから、Zero Downtime Migrationソフトウェアをインストールします。

  • Zero Downtime Migrationサービス・ホストは、専用システムにする必要がありますが、他の目的で共有することもできます。ただし、Zero Downtime Migrationサービス・ホストではOracle Grid Infrastructureを稼働させないでください。

  • Zero Downtime Migrationソフトウェアには、Oracle Linux 7が実行されているスタンドアロンLinuxホストが必要です。

  • Zero Downtime Migrationサービス・ホストでは、インストール・スクリプトを実行するためにPERLが必要です。

  • Zero Downtime Migrationサービス・ホストは、ソースおよびターゲットのデータベース・サーバーに接続できる必要があります。

  • Linuxホストに100 GBの空き格納領域があることを確認します。

  • 既存のユーザーを使用するか、Zero Downtime Migrationサービス・ホストでrootユーザーとして、zdmグループを作成し、zdmuserユーザーをグループに追加します。

    次に例を示します。

    root> groupadd zdm
    root> useradd –g zdm zdmuser
  • glibc-develおよびexpectパッケージがインストールされていることを確認します。

    ベース環境「最小インストール」を使用したOracle Linux 7インストールの場合は、unzip libaio oraclelinux-developer-release-el7パッケージもインストールする必要があります。

  • ホスト名およびIPアドレスの/etc/hostsエントリが想定どおりに構成されていることを確認し、Zero Downtime Migrationソフトウェアのインストールに選択されているホストで正しいIPアドレスに解決され、IPアドレスがpingで到達可能となるようにします。

  • インストール時に、カーネル・パラメータに適切な値を設定するために、欠落しているパッケージおよび指示がスクリプトからレポートされる場合があります。Zero Downtime Migrationソフトウェアをインストールする前に、必ず欠落しているパッケージをインストールしてカーネル・パラメータを設定します。

  • オプションで、ZDM_HOME環境変数をZero Downtime Migrationソフトウェアがインストールされるディレクトリの絶対パスに設定します。このマニュアルでは、すべての例で$ZDM_HOMEを使用します。

    zdmuser> export ZDM_HOME=absolute_path_to_zdm_home

Zero Downtime Migrationソフトウェアのインストール

コマンドはすべて、zdmuserとして実行されます。

  1. Zero Downtime Migrationソフトウェア・キットをhttps://www.oracle.com/database/technologies/rac/zdm-downloads.htmlからZero Downtime Migrationサービス・ホストにダウンロードします。
  2. Zero Downtime Migrationソフトウェアをroot以外のユーザーとしてインストールします。

    この例では、インストール・ユーザーはzdmuserです。

    1. Zero Downtime Migrationソフトウェアがダウンロードされるディレクトリに移動し、ソフトウェアを解凍します。
      zdmuser> cd zdm_download_directory
      zdmuser> unzip zdmversion.zip 
    2. Zero Downtime Migrationのインストール・スクリプトを実行します。
      zdmuser>./zdminstall.sh setup oraclehome=zdm_oracle_home oraclebase=zdm_base_directory
              ziploc=zdm_software_location –zdm
      • zmdinstall.shは、インストール・スクリプトです。
      • oraclehomeは、Zero Downtime MigrationソフトウェアがインストールされるOracleホーム・ディレクトリの絶対パスです。
      • oraclebaseは、Zero Downtime Migrationのすべての構成ファイル、ログおよびその他のアーティファクトが格納されるベース・ディレクトリの絶対パスです
      • ziplocは、Zero Downtime Migrationキットに含まれる圧縮ソフトウェア・ファイル(zip)の場所です

      次に例を示します。

      zdmuser>./zdminstall.sh setup oraclehome=/u01/app/zdmhome
              oraclebase=/u01/app/zdmbase ziploc=/u01/app/oracle/zdm/shiphome/zdm_home.zip
              –zdm

    Zero Downtime Migrationサービス・ホストでは、インストール・スクリプトを実行するためにPERLが必要になる点に注意してください。

    今後、oraclehome値はZDM_HOMEと呼び、oraclebase値はZDM_BASEと呼びます。

    インストールの最後に端末に表示される次のメッセージは無視します。これらのスクリプトを実行する必要はありません。

    As a root user, execute the following script(s):
            1. $ZDM_HOME/inventory/orainstRoot.sh
            2. $ZDM_HOME/root.sh
    
  3. Zero Downtime Migrationサービスをユーザーzdmuserとして開始します。
    zdmuser> $ZDM_HOME/bin/zdmservice start
    

    Zero Downtime Migrationを使用してデータベースを移行するには、zdmserviceを開始する必要があります。

    Zero Downtime Migrationサービスを停止する必要がある場合は、次のコマンドを実行します。

    zdmuser> $ZDM_HOME/bin/zdmservice stop
  4. Zero Downtime Migrationサービスのインストールが正常に終了したことを確認します。
    次のコマンドを実行すると、出力は次に示すようなものになります。
    zdmuser> $ZDM_HOME/bin/zdmservice status
    ---------------------------------------
            Service Status
    ---------------------------------------
    Running:       true
    Tranferport:   5000-7000
    Conn String:   jdbc:mysql://localhost:8897/
    RMI port:      8895
    HTTP port:     8896
    Wallet path:   /u01/app/zdmbase/crsdata/fopds/security
  5. 必要に応じて、デフォルトのMySQLポートを変更します。

    Zero Downtime Migrationでは、MySQLが内部的に使用され、前述のzdmservice statusの出力例に示すように、デフォルトでポート8897に構成されます。このポート番号を変更する場合は、MySQLポートの設定を参照してください。