C Zero Downtime Migrationプロセスのフェーズ

Zero Downtime Migrationの移行ジョブ・プロセスは、操作フェーズでワークフローとして実行されます。次の表では、物理および論理移行のフェーズについて説明します。

例C-1 Zero Downtime Migrationプロセスのフェーズのリスト

次に示すように、ZDMCLI migrate databaseコマンドを-listphasesオプションを指定して実行し、移行ジョブの操作フェーズをリストします。

zdmuser> $ZDM_HOME/bin/zdmcli migrate database -sourcedb zdmsdb 
-sourcenode ocicdb1 -srcauth zdmauth -srcarg1 user:opc 
-srcarg2 identity_file:/home/zdmuser/.ssh/zdm_service_host.ppk 
-srcarg3 sudo_location:/usr/bin/sudo -targetnode ocidb1 
-backupuser backup_user@example.com 
-rsp /u01/app/zdmhome/rhp/zdm/template/zdm_template_zdmsdb.rsp
-tgtauth zdmauth -tgtarg1 user:opc 
-tgtarg2 identity_file:/home/zdmuser/.ssh/zdm_service_host.ppk
-tgtarg3 sudo_location:/usr/bin/sudo -listphases

表C-1 物理移行フェーズの説明

フェーズ名 オンライン/オフライン 説明

ZDM_GET_SRC_INFO

両方

ソース・データベースに関する情報を取得します

ZDM_GET_TGT_INFO

両方

ターゲット・データベースに関する情報を取得します

ZDM_SETUP_SRC

両方

ソース・サーバーでZero Downtime Migrationヘルパー・モジュールを設定します

ZDM_SETUP_TGT

両方

ターゲット・サーバーでZero Downtime Migrationヘルパー・モジュールを設定します

ZDM_PREUSERACTIONS

両方

ソースで移行の事前ユーザー・アクションを実行します(ある場合)

ZDM_PREUSERACTIONS_TGT

両方

ターゲットで移行の事前ユーザー・アクションを実行します(ある場合)

ZDM_VALIDATE_SRC

両方

ソースで検証を実行します

ZDM_VALIDATE_TGT

両方

ターゲットで検証を実行します

ZDM_OBC_INST_SRC

両方

ソースでOracle Database Cloudバックアップ・モジュールをインストールします

ZDM_OBC_INST_TGT

両方

ターゲットでOracle Database Cloudバックアップ・モジュールをインストールします

ZDM_BACKUP_FULL_SRC

両方

ソース・データベースの全体バックアップを実行します

ZDM_BACKUP_INCREMENTAL_SRC

両方

ソース・データベースの増分バックアップを実行します

ZDM_DISCOVER_SRC

両方

Data Guardを設定するためにソースでデータベース検出を実行します

ZDM_COPYFILES

両方

Oracleパスワード・ファイルおよびTDEウォレットをソースからターゲットにコピーします

ZDM_SETUP_TDE_TGT

両方

TDEウォレット・ファイルをソースからターゲットのキーストアの場所にコピーします

ZDM_RESTORE_TARGET オンライン
ZDM_RECOVER_TARGET オンライン ...

ZDM_OSS_RESTORE_TGT

オフライン

全体データベース・リストアを実行します

ZDM_BACKUP_DIFFERENTIAL_SRC

オフライン

ソース・データベースの差分バックアップを実行します

ZDM_OSS_RECOVER_TGT

オフライン

増分リストアを実行して、データベースをリカバリし、リセット・ログを使用してデータベースを開きます

ZDM_PREPARE_TGT

両方

Data Guardスタンバイを作成するためにターゲットを準備します

ZDM_CLONE_TGT

オンライン

Data Guardスタンバイをクラウド・バックアップから作成します

ZDM_FINALIZE_TGT

両方

ターゲットのData Guardスタンバイの準備を完了します。ターゲット・データベースをRACに変換します(最初にOracle RACとしてプロビジョニングされている場合)。

ZDM_CONFIGURE_DG_SRC

オンライン

クラウド・スタンバイをソースに登録します

ZDM_SWITCHOVER_SRC

オンライン

ソースでスイッチオーバー・アクションを開始します

ZDM_SWITCHOVER_TGT

オンライン

ターゲットでスイッチオーバー・アクションを完了します

ZDM_POST_DATABASE_OPEN_TGT

両方

データベースが開いた後に、プラガブル・データベースの状態、DBAディレクトリ、RMAN構成のリストアなどのアクティビティを実行します

ZDM_DATAPATCH_TGT

両方

ターゲットでdatapatchを実行します

ZDM_SHUTDOWN_SRC

両方

移行の最後にソース・データベースを停止します

ZDM_POSTUSERACTIONS

両方

ソースで移行後のユーザー・アクションを実行します

ZDM_POSTUSERACTIONS_TGT

両方

ターゲットで移行後のユーザー・アクションを実行します

ZDM_CLEANUP_SRC

両方

ソースでクリーン・アップを実行します

ZDM_CLEANUP_TGT

両方

ターゲットでクリーン・アップを実行します

表C-2 論理移行フェーズの説明

フェーズ名 オンライン/オフライン 説明

ZDM_VALIDATE_TGT

両方

ターゲット・データベースが存在することを確認し、データベース・タイプを検出して、アクセス資格証明、セキュリティおよび接続性を検証します。

Autonomous Databaseターゲットの場合、OCI RESTサービスでターゲット・データベース・アクセス・ウォレットをダウンロードして、Zero Downtime Migrationノードからターゲット・データベースへのアクセスを設定し、ターゲットOCPUを検出します。

オンラインのみ: ggadminユーザー権限を検証します。

ZDM_VALIDATE_SRC

両方

ソース・データベースのアクセス資格証明、データベース・パラメータ設定を検証します。

オンラインのみ: ソース・データベースのオブジェクトに対するggadminユーザー権限およびGoldenGate取得のサポートを検証します。

ZDM_VALIDATE_DATAPUMP_SETTINGS_SRC

両方

エクスポート・ディレクトリ・オブジェクトを検証し(該当する場合)、指定されたユーザーについてダンプをエクスポートするための十分なソース・データベースの領域および権限があるかどうかを確認します。指定されたOracle Cloud Object Storeバケット、データ・バケットおよびウォレット・バケットがソースからアクセス可能かどうかを確認します。また、該当する場合はプロキシ構成も検証します。

ZDM_VALIDATE_DATAPUMP_SETTINGS_TGT

両方

データ・ポンプ・インポート・ディレクトリ・オブジェクトが存在することを確認します。

既存のDBLINKが指定されている場合は、それが存在し、かつ有効であることを確認し、DBLINKおよびウォレット・ファイルのAutonomous Database要件が満たされていることを確認します。

共同管理ターゲット・データベースの場合、OCI OSSデータ・バケットおよびウォレット・バケットが有効で、ターゲット・サーバーからアクセス可能であることを確認します。ダンプをダウンロードするローカル・パスが有効であり、十分な領域があることを確認します。

ZDM_PREPARE_DATAPUMP_SRC

両方

必要に応じて、データ・ポンプの新しいディレクトリ・オブジェクトを作成します。必要に応じて、OCI OSSバケットにアクセスするためのOCI認証トークンを作成します。

ZDM_DATAPUMP_ESTIMATE_SRC

両方

データ・ポンプのエクスポート・ダンプ・サイズの推定を実行します。

DATAPUMPSETTINGS_DATAPUMPPARAMETERS_ESTIMATEBYSTATISTICSも参照してください。

DBLINKでは使用されません

ZDM_PREPARE_DATAPUMP_TGT

両方

必要に応じて、データ・ポンプの新しいディレクトリ・オブジェクトを作成します。セキュアOSSアクセスのためのOCI認証トークンをデータベースに格納します。

DBLINKを介した移行でDBLINKを作成する必要がある場合は、ソースへのアクセスに必要なデータベース資格証明を作成し、新しいDBLINKを作成します。

DBLINK over SSLを使用して、Autonomous Databaseセキュリティ要件が満たされていることを確認します。

ZDM_DATAPUMP_EXPORT_SRC

両方

ソース・データベースでデータ・ポンプ・エクスポートを起動およびモニターします。

ZDM_UPLOAD_DUMPS_SRC

両方

ソースからOCI OSSにデータ・ポンプ・ダンプ・ファイルをアップロードします。

ZDM_DATAPUMP_IMPORT_TGT

両方

OCI OSSバケットから、またはDBLINKを介して、ターゲット・データベースへのデータ・ポンプ・ダンプのインポートを開始し、データ・ポンプ・インポートの進行状況をモニターします。

ZDM_POST_DATAPUMP_SRC

両方

Zero Downtime Migrationによって作成されたデータ・ポンプ・ディレクトリ・オブジェクトを削除します。

ZDM_POST_DATAPUMP_TGT

両方

ターゲット・データベース内の無効なオブジェクトを修正します。移行用に作成されたデータベース・アクセスおよびOCI OSSアクセスの資格証明を削除します。Zero Downtime Migrationによって作成されたDBLINKを削除します。オプションで、OCI OSSバケットに格納されているソース・データベース・ダンプを削除します。

ZDM_POST_ACTIONS

両方

Zero Downtime MigrationノードからAutonomous Databaseアクセス・ウォレットを削除します。

ZDM_PRE_MIGRATION_ADVISOR

両方

移行ジョブでOracle Database移行前アドバイザ・ツールを実行します。

ZDM_VALIDATE GG_HUB

オンライン

GoldenGate Microservices RESTエンドポイント、ソフトウェア構成、ヘルス、およびソース・データベースとターゲット・データベースへの接続を検証します。

ZDM_PREPARE_GG_HUB

オンライン

データベース接続の詳細および資格証明をGoldenGate Microservicesに登録します。

ZDM_ADD_HEARTBEAT_SRC

オンライン

ソース・データベースにGoldenGateハートビート表を作成します。表がすでに存在する場合、更新頻度を60秒に設定します。

ZDM_ADD_SCHEMA_TRANDATA_SRC

オンライン

スキーマ・レベルのサプリメンタル・ロギングを有効にして、ソース・データベース・スキーマをインスタンス化のために準備します。

ZDM_CREATE_GG_EXTRACT_SRC

オンライン

ソース・データベースでGoldenGate Extractプロセスを開始します

ZDM_ADD_HEARTBEAT_TGT

オンライン

ターゲット・データベースにGoldenGateハートビート表を作成します。表がすでに存在する場合、更新頻度を60秒に設定します。

ZDM_ADD_CHECKPOINT_TGT

オンライン

Replicatの進行状況を追跡するために、ターゲット・データベースにGoldenGateチェックポイント表を作成します。

ZDM_CREATE_GG_REPLICAT_TGT

オンライン

ターゲット・データベースのGoldenGate Replicatプロセスを開始します。

ZDM_MONITOR_GG_LAG

オンライン

GoldenGateチェックポイントおよびハートビート・データをポーリングして、ラグが目的のしきい値を下回るまでエンドツーエンドの適用ラグを測定します。

ZDM_SWITCHOVER_APP

オンライン

ソース・データベースがアイドル状態の場合は、GoldenGate Extractを停止し、GoldenGate Replicatが適用を完了するまで待機して、GoldenGate Replicatを停止します。

ZDM_RM_GG_EXTRACT_SRC

オンライン

ソース・データベースのGoldenGate Extractプロセスを削除します

ZDM_RM_GG_REPLICAT_TGT

オンライン

ターゲット・データベースのGoldenGate Replicatプロセスを削除します

ZDM_DELETE_SCHEMA_TRANDATA_SRC

オンライン

ソース・データベースでスキーマ・レベルのサプリメンタル・ロギングを無効にします

ZDM_RM_HEARTBEAT_SRC

オンライン

Zero Downtime Migrationによってソース・データベースにGoldenGateハートビート表が作成された場合、その表を削除します。それ以外の場合は、更新頻度を元の設定にリセットします。

ZDM_RM_CHECKPOINT_TGT

オンライン

ターゲット・データベースのGoldenGateチェックポイント表を削除します。

ZDM_RM_HEARTBEAT_TGT

オンライン

Zero Downtime Migrationによってターゲット・データベースにGoldenGateハートビート表が作成された場合、その表を削除します。それ以外の場合は、更新頻度を元の値にリセットします。

ZDM_CLEAN_GG_HUB

オンライン

GoldenGate Microservicesとともに保存されたデータベース接続の詳細および資格証明を削除します