マルチクラスタHelidon Sock Shop

このサンプル・アプリケーションでは、Sock Shopマイクロサービス・デモ・アプリケーションHelidon実装を示します。OAMリソースを使用して、マルチクラスタ環境でアプリケーション・デプロイメントを定義します。

始める前に

  • インストール手順に従って、マルチクラスタVerrazzano環境を設定します。
  • この例では、マルチクラスタ環境に関連付けられているmanaged1という名前の管理対象クラスタがあることを前提としています。環境にその名前のクラスタがない場合、デプロイメント・ファイルを編集し、placementセクションにリストされているクラスタ名を変更する必要があります。

ノート: Sock Shopアプリケーションのデプロイメント・ファイルは、<VERRAZZANO_HOME>/examples/multicluster/sockshopにあるVerrazzanoプロジェクトに含まれています(<VERRAZZANO_HOME>は、Verrazzanoプロジェクトのルートです)。

Sock Shopアプリケーションのデプロイ

  1. Verrazzanoプロジェクトをデプロイして、Sock Shopアプリケーションのネームスペースを作成します。

    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_ADMIN apply \
        -f https://raw.githubusercontent.com/verrazzano/verrazzano/v1.0.4/examples/multicluster/sock-shop/verrazzano-project.yaml
    
  2. Sock Shop OAMリソースを適用して、アプリケーションをデプロイします。

    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_ADMIN apply \
        -f https://raw.githubusercontent.com/verrazzano/verrazzano/v1.0.4/examples/multicluster/sock-shop/sock-shop-comp.yaml
    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_ADMIN apply \
        -f https://raw.githubusercontent.com/verrazzano/verrazzano/v1.0.4/examples/multicluster/sock-shop/sock-shop-app.yaml
    
  3. Sock Shopアプリケーションの準備ができるまで待ちます。

    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 wait \
        --for=condition=Ready pods \
        --all -n mc-sockshop \
        --timeout=300s
    

Sock Shopアプリケーションの探索

Sock Shopマイクロサービス・アプリケーションは、次を含むREST APIエンドポイントを実装します:

  • /catalogue - Sock Shopカタログを返します。このエンドポイントは、GET HTTPリクエスト・メソッドを受け入れます。
  • /register - { "username":"xxx", "password":"***", "email":"foo@example.com", "firstName":"foo", "lastName":"coo" }をPOSTしてユーザーを作成します。このエンドポイントは、POST HTTPリクエスト・メソッドを受け入れます。

ノート: 次の手順では、OKEなどのKubernetes環境を使用していることを前提としています。その他の環境やデプロイメントでは、アドレス、ポートなどを取得するための代替メカニズムが必要になる場合があります。

次のステップに従い、エンドポイントをテストします:

  1. アプリケーション用に生成されたホスト名を取得します。

    $ HOST=$(kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get gateway \
          -n mc-sockshop \
          -o jsonpath={.items[0].spec.servers[0].hosts[0]})
    $ echo $HOST
    sockshop-appconf.mc-sockshop.11.22.33.44.nip.io
    
  2. istio-ingressgatewayサービスのEXTERNAL_IPアドレスを取得します。

    $ ADDRESS=$(kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get service \
        -n istio-system istio-ingressgateway \
        -o jsonpath='{.status.loadBalancer.ingress[0].ip}')
    $ echo $ADDRESS
    11.22.33.44
    
  3. Sock Shopサンプル・アプリケーションにアクセスします:

    • コマンドラインの使用

      # Get catalogue
      $ curl -sk \
          -X GET \
          https://${HOST}/catalogue \
          --resolve ${HOST}:443:${ADDRESS}
      [{"count":115,"description":"For all those leg lovers out there....", ...}]
      
      # Add a new user (replace values of username and password)
      $ curl -i \
          --header "Content-Type: application/json" --request POST \
          --data '{"username":"foo","password":"****","email":"foo@example.com","firstName":"foo","lastName":"foo"}' \
          -k https://${HOST}/register \
          --resolve ${HOST}:443:${ADDRESS}
      
      # Add an item to the user's cart
      $ curl -i \
          --header "Content-Type: application/json" --request POST \
          --data '{"itemId": "a0a4f044-b040-410d-8ead-4de0446aec7e","unitPrice": "7.99"}' \
          -k https://${HOST}/carts/{username}/items \
          --resolve ${HOST}:443:${ADDRESS}
      
      # Get cart items
      $ curl -i \
          -k https://${HOST}/carts/{username}/items \
          --resolve ${HOST}:443:${ADDRESS}
      

      nip.ioを使用している場合は、--resolveを含める必要はありません。

    • ブラウザによるローカル・テスト

      一時的に、/etc/hostsファイル(MacまたはLinuxの場合)またはc:\Windows\System32\Drivers\etc\hostsファイル(Windows 10の場合)を変更して、ホスト名をイングレス・ゲートウェイのEXTERNAL-IPアドレスにマップするエントリを追加します。例:

      11.22.33.44 sockshop.example.com
      

      その後、ブラウザでhttps://sockshop.example.com/catalogueからアプリケーションにアクセスできます。

      nip.ioを使用している場合は、HOST変数(https://${HOST}/catalogueなど)を使用してブラウザでアプリケーションにアクセスできます。プロキシを使用する場合は、*.nip.ioNO_PROXYリストに追加する必要がある場合があります。

    • 独自のDNS名の使用

      • 独自のDNS名をイングレス・ゲートウェイのEXTERNAL-IPアドレスにポイントします。
      • この場合、Sock Shopアプリケーションをデプロイする前に、sock-shop-app.yamlファイルを編集して、hostsセクション(yourhost.your.domainなど)で適切な値を使用する必要があります。
      • その後、ブラウザを使用してhttps://<yourhost.your.domain>/catalogueでアプリケーションにアクセスできます。

トラブルシューティング

  1. アプリケーション構成、コンポーネント、ワークロードおよびイングレス・トレイトがすべて存在することを確認します。

    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get ApplicationConfiguration -n mc-sockshop
    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get Component -n mc-sockshop
    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get VerrazzanoCoherenceWorkload -n mc-sockshop
    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get Coherence -n mc-sockshop
    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get IngressTrait -n mc-sockshop
    
  2. Sock Shopサービス・ポッドが正常に作成され、READY状態に移行していることを確認します。これには数分かかる場合があり、一部のサービスが終了して再起動する場合があります。

     $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get pods -n mc-sockshop
    
     NAME             READY   STATUS    RESTARTS   AGE
     carts-coh-0      2/2     Running   0          38m
     catalog-coh-0    2/2     Running   0          38m
     orders-coh-0     2/2     Running   0          38m
     payment-coh-0    2/2     Running   0          38m
     shipping-coh-0   2/2     Running   0          38m
     users-coh-0      2/2     Running   0          38m
    
  3. デプロイされたSock Shopアプリケーションに関連するログやメトリックなどをさらに調査するために、様々なエンドポイントを使用できます。これらにアクセスする場合、次が必要になることがあります:

    • 次のコマンドを実行して、テレメトリ・コンポーネント用に生成されたパスワードを取得します:

      $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_ADMIN get secret \
          --namespace verrazzano-system verrazzano \
          -o jsonpath={.data.password} | base64 \
          --decode; echo
      

      関連付けられているユーザー名はverrazzanoです。

    • エンドポイントに関連付けられた証明書を受け入れる必要があります。

    次のコマンドを使用して、使用可能なイングレスのリストを取得できます:

    $ kubectl --kubeconfig $KUBECONFIG_MANAGED1 get ing -n verrazzano-system
    NAME                    CLASS    HOSTS                                              ADDRESS       PORTS     AGE
    verrazzano-ingress      <none>   verrazzano.default.10.11.12.13.nip.io              10.11.12.13   80, 443   32m
    vmi-system-prometheus   <none>   prometheus.vmi.system.default.10.11.12.13.nip.io   10.11.12.13   80, 443   32m
    

    イングレス・ホスト情報を使用すると、使用可能なエンドポイントの一部は次のようになります:

    説明 アドレス 資格証明
    Prometheus https://[vmi-system-prometheus ingress host] verrazzano/telemetry-password