TimesTenオペレータのアップグレード

TimesTenオペレータは、ネームスペース内でTimesTenClassicオブジェクトが実行されているときにアップグレードできます。ネームスペース内のTimesTenオペレータをアップグレードするには、ttoperatorチャートの新しいリリースを使用します。

アップグレード・プロセスでは、次のステップを完了する必要があります:

新しいYAMLファイルを作成します。このファイルでは、TimesTenの新しいリリースを含むコンテナ・イメージを指定します。
アップグレードに、helm get valuesコマンドを使用します。この例は、この方法を示しています。

この例では、new_kube_files/helm/customyamlディレクトリが作成されていることを前提としています。

開発ホストで、新しいHelmチャートを含むhelmディレクトリに移動します。
```
cd new_kube_files/helm
```
YAMLファイルを作成し、そのファイルにアップグレードに使用するTimesTenイメージの名前を指定します。
```
vi customyaml/upgradeoperator.yaml

image:
  repository: container-registry.oracle.com/timesten/timesten
  tag: "22.1.1.35.0"
```

アップグレードの前に、次の手順を実行します:

TimesTenオペレータが実行されていることを確認します。

kubectl get pods

出力は次のようになります。


NAME                              READY   STATUS    RESTARTS   AGE
norepsamplehelm-0                 3/3     Running   0          6h19m
norepsamplehelm-1                 3/3     Running   0          6h19m
norepsamplehelm-2                 3/3     Running   0          6h19m
repsamplehelm-0                   3/3     Running   0          9h
repsamplehelm-1                   2/3     Running   0          9h
timesten-operator-55c6f99-zqlct   1/1     Running   0          2d21h

TimesTenオペレータが実行しているイメージを確認します。

kubectl describe deployment timesten-operator | grep Image

出力は次のようになります。

Image:       container-registry.oracle.com/timesten/timesten:22.1.1.34.0

TimesTenClassicオブジェクトの状態を確認します。
```
kubectl get ttc
```
出力は、次のようになります。
```
NAME              STATE              ACTIVE            AGE
norepsamplehelm   AllReplicasReady   N/A               6h28m
repsamplehelm     Normal             repsamplehelm-0   9h
```
TimesTenClassicオブジェクトおよび関連付けられたデータベースが正しく機能しています。

Helmチャートのリリースを確認します。

helm list

出力は、次のようになります。


NAME            NAMESPACE       REVISION        UPDATED                                 STATUS          CHART                   APP VERSION
...
ttoper          default         1               2025-01-16 02:54:39.916210368 +0000 UTC deployed        ttoperator-2211340.1.0  22.1.1.34.0

TimesTenオペレータを新しいリリースにアップグレードします。TimesTenオペレータをアップグレードするには、新しいリリースのttoperatorチャートを使用し、新しいイメージを参照するカスタマイズされたYAMLファイルを使用します。
ノート:
この構文をお薦めします。これにより、既存のカスタマイズが保持されます。
```
helm get values ttoper --all > prev-values-ttop.yaml
```
```
helm upgrade -f prev-values-ttop.yaml -f customyaml/upgradeoperator.yaml  ttoper ./ttoperator
```
次のhelm upgradeコマンドを見てみましょう。
- get values ttoper Helmコマンドは、既存のカスタマイズを含む現在のリリースの値を取得します。このコマンドの結果は、prev-values-ttop.yamlファイルにパイプされます。このファイルには任意の名前を選択できます。
- helm upgradeコマンドは、カスタマイズされたupgradeoperator.yamlファイルとともにprev-values-ttop.yamlファイルを使用してアップグレードを実行します。具体的には、prev-values-ttop.yamlファイルの値が、カスタマイズしたupgradeoperator.yamlファイルの値によってオーバーライドされる場合を除いて使用されます。upgradeoperator.yamlファイルは、コマンドラインで最後にリストされたため、prev-values-ttop.yamlファイルよりも優先されます。
helm upgradeコマンドの出力を見てみましょう。
```
Release "ttoper" has been upgraded. Happy Helming!
NAME: ttoper
LAST DEPLOYED: Thu Jan  16 00:20:34 2025
NAMESPACE: default
STATUS: deployed
REVISION: 2
NOTES:
Version 2211350.1.0 of the ttoperator chart has been installed.

This release is named "ttoper".

To learn more about the release, try:

  $ helm status ttoper
  $ helm get all ttoper
  $ helm history ttoper

To rollback to a previous version of the chart, run:

  $ helm rollback ttoper <REVISION>
    - run 'helm history ttoper' for a list of revisions.

To test the operator, run:
```
次の点に注目してください。
- ttoperリリースがアップグレードされています。リリース・リビジョンは2です。
- リリースのステータスはdeployedです。
- ttoperatorチャートのversionは、TimesTenリリース22.1.1.35.0に対応する2211350.1.0です。

TimesTenオペレータが実行されていることをテストします。

helm test ttoper

出力は、次のようになります。

NAME: ttoper
LAST DEPLOYED: Thu Jan  16 00:20:34 2025
NAMESPACE: default
STATUS: deployed
REVISION: 2
TEST SUITE:     ttoper-ttoperator-test
Last Started:   Thu Jan  16 00:20:54 2025
Last Completed: Thu Jan  16 00:20:57 2025
Phase:          Succeeded
NOTES:
Version 2211350.1.0 of the ttoperator chart has been installed.

This release is named "ttoper".

To learn more about the release, try:

  $ helm status ttoper
  $ helm get all ttoper
  $ helm history ttoper

To rollback to a previous version of the chart, run:

  $ helm rollback ttoper <REVISION>
    - run 'helm history ttoper' for a list of revisions.

To test the operator, run:

  $ helm test ttoper

アップグレード後、次の手順を実行します:

TimesTenオペレータが実行されていることを確認します。

kubectl get pods

出力は次のようになります。

NAME                                 READY   STATUS    RESTARTS   AGE
norepsamplehelm-0                    3/3     Running   0          6h38m
norepsamplehelm-1                    3/3     Running   0          6h38m
norepsamplehelm-2                    3/3     Running   0          6h38m
repsamplehelm-0                      3/3     Running   0          9h
repsamplehelm-1                      2/3     Running   0          9h
timesten-operator-57b7949f97-xdlwl   1/1     Running   0          31s

新しいTimesTenオペレータが実行されています。

TimesTenオペレータが新しいイメージを実行していることを確認します。
```
kubectl describe deployment timesten-operator | grep Image
```
出力は次のようになります。
```
Image:       container-registry.oracle.com/timesten/timesten:22.1.1.35.0
```
TimesTenオペレータでは、新しいリリースが実行されています。
TimesTenClassicオブジェクトの状態を確認します。
```
kubectl get ttc
```
出力は、次のようになります。
```
NAME              STATE              ACTIVE            AGE
norepsamplehelm   AllReplicasReady   N/A               6h39m
repsamplehelm     Normal             repsamplehelm-0   9h
```
TimesTenオペレータにより、TimesTenClassicオブジェクトの管理および監視が再開されます。オブジェクトおよび関連するTimesTenデータベースは正しく機能しています。

おめでとうございます。ttoperatorチャートが正常にアップグレードされました。新しいTimesTenオペレータがネームスペース内で実行され、新しいイメージを使用しています。