TimesTen ScaleoutとTimesTen Classicの比較

TimesTen ScaleoutまたはClassicなしの、単独のTimesTenという用語は、通常、単一インスタンスと複数インスタンスの両方(TimesTenユーティリティ、リリース、ディストリビューション、インストール、データベースによって実行されるアクション、データベース内の機能に言及する場合など)に適用されます。

  • TimesTen Scaleoutは、グリッド・モードのTimesTen In-Memory Databaseを示します。TimesTen Scaleoutは、分散データベースを含む複数インスタンス環境です。

  • TimesTen Classicは、クラシック・モードのTimesTen In-Memory Databaseを示します。クラシック・モードは、以前のリリースでの単一インスタンスの環境とデータベースです。

    • Cacheでは、アプリケーション層でのレスポンス時間を短縮するために、TimesTen Classicの応答性が、Oracleデータベースのサブセットをキャッシュする機能と組み合されています。

TimesTen Scaleoutでは、TimesTen Classicのほとんどの機能がサポートされ、含まれており、キャッシュ操作の単一のキャッシュ・グループ・タイプのみがサポートされています。次のリストでは、TimesTen Scaleoutでサポート対象およびサポート対象外の、TimesTen Classicの機能を説明します。

ノート:

TimesTen Classicの機能の詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイドを参照してください。

表1-9 TimesTen ScaleoutでサポートされていないTimesTen Classicの機能

TimesTen Classicの機能 TimesTen Scaleoutでのサポート(あり/なし) 説明

Oracleデータベースからのデータのキャッシュ

あり

TimesTen Scaleoutでは、増分自動リフレッシュを使用した静的な読取り専用のキャッシュ・グループのみをサポートしています。「TimesTen Scaleoutでのキャッシュ・グループの使用」および『Oracle TimesTen In-Memory Databaseキャッシュ・ガイド』を参照してください。

レプリケーション: アクティブ・スタンバイ・ペアとクラシック・レプリケーション・スキームの両方

なし

TimesTen ScaleoutのK-safety機能によってデータ保護およびフォルト・トレランスを提供できます。そのため、TimesTen Scaleoutでは、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseレプリケーション・ガイド』に記載されているどの機能もサポートされていません。「K-Safety」を参照してください。

ビットマップ索引

なし

LOBサポート

なし

TimesTen Scaleoutでは、表のLOB列はサポートされていません。

列ベース圧縮

なし

表内の列ベース圧縮

表のエージング・ポリシー

なし

RAMポリシー

なし

TimesTen Scaleoutでは、システム管理者によるttGridAdminユーティリティを使用したデータベースの手動ロードおよびアンロードがサポートされています。

X/Open XA標準およびJava Transaction API (JTA)

なし

TimesTen Classic Transaction Log API (XLA)およびJMS/XLA Java API

なし

Oracle Clusterware

なし

索引アドバイザ

なし

オンライン・アップグレード

あり

TimesTen Scaleoutでは、パッチ互換リリースへのオンライン・アップグレードがサポートされています。あるメジャー・リリースから別のメジャー・リリースへのアップグレードは、パッチの互換性がないとみなされ、オフラインのみとなります。「グリッドのアップグレード」を参照してください。

PL/SQL

あり

TimesTen Scaleoutでは、次の点を除き、TimesTen Classicと同様のすべてのPL/SQL機能がサポートされています。

  • ファンクション、パッケージまたはプロシージャを変更するSQL文。

  • EXECUTE INMEDIATE文を使用したDDL文。

  • DBMS_SQLパッケージからファンクションを呼び出すかプロシージャをコールするDDL文。

SQL文

あり

TimesTen Scaleoutでは、次のものはサポートされていません。

  • MERGE

  • Cache Connect機能、アクティブ/スタンバイ・ペア・レプリケーション・スキームおよびクラシック・レプリケーション・スキームはサポートされていないため、これらのオブジェクトを作成するデータ定義言語(DDL)文もサポートされていません。

TimesTen Scaleoutでは、次のものが部分的にサポートされています。

  • ROWIDデータ型

    ROWIDのセマンティクスは、TimesTen ClassicとTimesTen Scaleoutでは異なります。詳細は、「TimesTen ScaleoutでのSQLの使用」および『Oracle TimesTen In-Memory Database SQLリファレンス』ROWIDデータ型を参照してください。

  • CREATE [ASYNCHRONOUS] MATERIALIZED VIEW

    CREATE MATERIALIZED VIEW文は、制限された容量でサポートされています。『Oracle TimesTen In-Memory Database SQLリファレンス』CREATE MATERIALIZED VIEWを参照してください。

  • グローバル一時表では、分散のいずれの形式もサポートされていません。グローバル一時表を作成する場合、DISTRIBUTE BY句は使用できません。グローバル一時表は、接続が確立された要素でのみ生成されます。

サポートされているTimesTen機能のこのガイドでの記載方法

『Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイド』では、TimesTen Scaleoutに含まれているTimesTen Classic機能は次のように記載されています。