9.3.3.5 tfactl directory

tfactl directoryコマンドを使用して、ディレクトリのリストに対してディレクトリを追加または削除し、トレース・ファイルまたはログ・ファイルを分析します。

また、tfactl directoryコマンドを使用して、ディレクトリ権限を変更します。自動検出によってディレクトリが追加された場合、そのディレクトリはパブリックとして追加されます。tfactl diagcollectコマンドを実行する十分な権限があるすべてのユーザーが、そのディレクトリ内のファイルを収集します。このことは、root以外のユーザーまたはsudoユーザーがtfactlコマンドを実行する場合にのみ重要となります。

ディレクトリがプライベートとしてマークされている場合、Oracle Trace File Analyzerは、ファイルの収集を許可する前に次のことを行います。

  • tfactlコマンドを実行しているユーザーを確認します

  • ディレクトリ内のファイルを表示する権限がユーザーにあるかどうかを確認します

ノート:

ユーザーは、読取りアクセスを持つOracle Trace File Analyzerのみにディレクトリを追加できます。自動診断収集を構成している場合、Oracle Trace File Analyzerはrootとして実行され、使用可能なすべてのファイルを収集できます。

tfactl directoryコマンドには、ディレクトリの管理に使用できる3つの動詞(addremoveおよびmodify)があります。

構文

tfactl directory add directory [-public] [-exclusions | -noexclusions | -collectall] [-node all | n1,n2...]
tfactl directory remove directory [-node all | n1,n2...]
tfactl directory modify directory [-private | -public] [-exclusions | -noexclusions | -collectall]
tfactl directory list

3つの構文モデルのそれぞれについて、Oracle Trace File Analyzerが収集を格納するディレクトリ・パスを指定する必要があります。

パラメータ

表9-91 tfactl directoryコマンドのパラメータ

パラメータ 説明
-public

-publicパラメータを使用して、ディレクトリに格納されているファイルをすべてのOracle Trace File Analyzerユーザーが収集できるようにします。

-private

-privateパラメータを使用して、追加または変更するディレクトリ(およびサブディレクトリ)内のファイルを表示する権限がないOracle Trace File Analyzerユーザーが、指定したディレクトリからファイルを収集するコマンドを実行できないようにします。

-exclusions

-exclusionsパラメータを使用して、ファイルがタイプ、名前および時間範囲の制限を満たす場合にディレクトリ内のファイルが収集の対象となるように指定します。

-noexclusions

-noexclusionsパラメータを使用して、ファイルが時間範囲の制限を満たす場合にディレクトリ内のファイルが収集の対象となるように指定します。

-collectall

-collectallパラメータを使用して、ユーザーがtfactl diagcollectコマンドで-collectalldirsパラメータを指定した場合に、タイプおよび時間範囲に関係なく、ディレクトリ内のファイルが収集の対象となるように指定します。

-node all | n1,n2...

クラスタ内のすべてのノードに対してディレクトリを追加または削除するか、カンマ区切りリストを使用して特定のノードに対してディレクトリを追加または削除します。

使用上のノート

すべてのトレース・ディレクトリ名をBerkeley DB (BDB)に追加して、Oracle Trace File Analyzerがそのディレクトリ内のファイル・メタデータを収集できるようにする必要があります。検出プロセスによってほとんどのディレクトリが検出されますが、新しいディレクトリまたは未検出のディレクトリが必要な場合は、tfactl directoryコマンドを使用して手動でこれらを追加できます。

tfactlを使用してディレクトリを追加する場合、Oracle Trace File Analyzerは、ディレクトリの対象が次のどれであるかを確認しようとします

  • Oracle Database

  • Oracle Grid Infrastructure

  • オペレーティング・システム・ログ

  • その他のコンポーネント

  • どのデータベースまたはインスタンスか

Oracle Trace File Analyzerがこの情報を確認できない場合、Oracle Trace File Analyzerは、次のように、エラーを返して情報の入力を要求します。

# tfactl directory add /tmp

Failed to add directory to TFA. Unable to determine parameters for directory: /tmp
Please enter component for this Directory [RDBMS|CRS|ASM|INSTALL|OS|CFGTOOLS|TNS|DBWLM|ACFS|ALL] : RDBMS
Please enter database name for this Directory :MYDB
Please enter instance name for this Directory :MYDB1

ノート:

OS、CRS、CFGTOOLS、ACFS、ALLまたはINSTALLファイルの場合はコンポーネントのみが要求され、Oracle ASMの場合はインスタンスのみが作成されます。これらのエントリについては検証が実行されないため、このデータを入力する際には注意してください。

例9-93 tfactl directory

ディレクトリを追加するには、次のようにします。

# tfactl directory add /u01/app/grid/diag/asm/+ASM1/trace

ディレクトリを変更し、十分な権限があるOracle Trace File Analyzerユーザーのみがコンテンツを収集できるようにするには、次のようにします。

# tfactl directory modify /u01/app/grid/diag/asm/+ASM1/trace -private

クラスタ内のすべてのノードからディレクトリを削除するには、次のようにします。

# tfactl directory remove /u01/app/grid/diag/asm/+ASM1/trace -node all
Oracle Trace File Analyzerのすべてのディレクトリをリストするには、次のようにします。
tfactl directory list