5.7 SQLベースのプロパティ・グラフの問合せおよび分析
SQLを使用して、Oracle Spatial and Graphのプロパティ・グラフ・データを問合せることができます。
Oracle Spatial and Graphのプロパティ・グラフ・サポートのために、すべての頂点とエッジはリレーショナル形式でOracleデータベースに保存されます。Oracle Spatial and Graphプロパティ・グラフ・スキーマ・オブジェクトの詳細は、「Oracle Databaseのプロパティ・グラフ・スキーマ・オブジェクト」を参照してください。
この章では、SQLを使用して実装された一般的なグラフの問合せの例を示します。対象者には、DBAと、SQL構文およびプロパティ・グラフ・スキーマ・オブジェクトを理解しているアプリケーション開発者が含まれます。
SQLを使用してプロパティ・グラフを直接問合せするメリットには次のものがあります。
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Oracleデータベースの外にデータを持ち出す必要がありません。
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Oracleデータベースにより提供される業界で実績のあるSQLエンジンを活用できます。
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別のデータ・タイプ(リレーショナル、JSON、XMLなど)のプロパティ・グラフ・データを容易に結合または統合できます。
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既存のOracle SQLチューニングおよびデータベース管理ツールおよびユーザー・インタフェースを活用できます。
この例では、現在のスキーマにconnections
という名前のプロパティ・グラフがあると想定しています。このSQL問合せと出力例は、説明のためだけのものであり、実際の出力は、connections
グラフのデータにより異なる可能性があります。いくつかの例では、出力は、読みやすくするために変更が加えられています。
- 単純なプロパティ・グラフ問合せ
このトピックの例では、グラフの頂点、エッジ、およびプロパティを問合せます。 - プロパティ・グラフのテキスト問合せ
プロパティの値(頂点プロパティまたはエッジ・プロパティ)にフリー・テキストが含まれている場合、V列にOracle Text索引を作成するのを手助けできます。 - ナビゲーションおよびグラフ・パターン一致
グラフ・データ・モデルの使用の主なメリットは、リンクやエッジとしてモデル化された関係を使用して、頂点としてモデル化されたエンティティ(人、ムービー、製品、サービス、イベントなど)間を容易に移動できることです。さらに、パターンの検出、個人の集計、傾向の分析などを実行するために、グラフ一致テンプレートを定義することができます。 - ナビゲーション・オプション: CONNECT BYおよび並列反復
CONNECT BY句および並列反復は、高度なナビゲーションおよび問合せのオプションを提供します。 - Pivot
PIVOT句により、動的に列を表に追加して、新しい表を作成できます。 - SQLベース・プロパティ・グラフ分析
インメモリー・アナリストで提供される分析機能に加えて、Oracle Spatial and Graphのプロパティ・グラフ機能は、いくつかのネイティブな、SQLベースのプロパティ・グラフ分析をサポートします。
親トピック: プロパティ・グラフ・スキーマの使用