スタイルのカスタマイズ

エンタープライズ・アーカイブ(EAR)ファイルとは、特殊なフォルダおよびファイル構造からなるアーカイブ(ZIP)ファイルです。EARファイルを作成するには任意のZIPツール(7-Zipなど)を使用し、後でZIP拡張子をEARに変更します。bicustom-template.earファイルが叩き台として用意されています。

bicustom-template.earファイルには、bicustom.warファイルが格納されています。Webアーカイブ(WAR)ファイルも、特殊なフォルダおよびファイル構造からなるZIPファイルです。カスタム・スキン・ファイルを含めるには、bicustom-template.earファイル内のbicustom.warファイルを更新する必要があります。Publisherに付属のbicustom.warファイルには、すぐに利用できるように、サンプルのフォルダ構造が含まれています。

Publisherのスタイルとスキンを作成する際は、CSSとイメージ・ファイルを作成し、それをPublisherで使用できるようにする必要があります。master.cssで定義されたCSSおよびマスター・フォルダに定義されたイメージのみが、Publisher用にカスタマイズ可能です(bicustom.earファイルにバンドル)。

Publisherスタンドアロンのスタイルのカスタマイズ

PublisherOracle Analytics Serverと統合されていない場合は、選択した構成ファイルを更新してPublisherのカスタム・スタイルを作成します。

  1. ORACLE_HOME\bifoundation\jee\bicustom-template.earORACLE_HOME\bifoundation\jee\bicustom.earにコピーします。

    ノート:

    パッチ適用またはアップグレードのプロセスでは、bicustom-template.earファイルは上書きされる場合がありますが、bicustom.earファイルは上書きされません。

  2. bicustom.earファイルからbicustom.warファイルをPublisherのデプロイ先のマシンに展開します。
  3. bicustom.warファイルからファイルを抽出します。
  4. 解凍したディレクトリ内のmaster.cssおよびイメージ・ファイルを編集してカスタム・スタイルを作成し、変更を保存します。
  5. bicustom.warファイルを変更内容で更新します。
  6. bicustom.earファイルを新しいbicustom.warファイルで更新します。
  7. 新しいbicustom.earファイルをアプリケーション・サーバーにデプロイします。
  8. xmlp-server-config.xmlファイルを更新して、変更を保存します。

    次のサンプル構成では、Publisherが稼働している同じアプリケーション・サーバーに、customというアプリケーション名でbicustom.earファイルをデプロイすることを想定しています。

    <!-- required: this is the base skin to use for styles not defined inside custom css -->
    <property name="THEME" value="skyros"/>
    <!-- required: this is the custom css http url -->
    <property name="THEME_CUSTOM_MASTER_CSS_URL" value="/custom/res/s_Custom/master/master.css"/>
    <!-- required: this is the custom image http url prefix -->
    <property name="THEME_CUSTOM_MASTER_IMAGE_URL_PREFIX" value="/custom/res/s_Custom/master"/>
    <!-- required: this is the file system path where custom images are located -->
    <property name="THEME_CUSTOM_MASTER_IMAGE_PATH" value="/scratch/aime1/custom/res/s_Custom/master"/>
    

    Webページでイメージを表示する際、イメージはHTTP経由でフェッチされることに注意してください。そのため、ローカル・ディレクトリ内の格納場所にかかわらず、イメージはHTTP URL経由で使用できる必要があります。bicustom.earをデプロイしても、無関係なローカル・ディレクトリにカスタム・イメージを配置すると、HTTP URLが示しているイメージとローカル・ディレクトリの提供するイメージが異なることになります。HTTP URLとローカル・パスが同じイメージ・ファイルを参照しているようにするには、bicustom.earをローカル・ディレクトリ(path_Aなど)に解凍してcss/イメージを変更し、その後でpath_A (解凍済のローカル・ディレクトリ)からカスタム・アプリケーションをインストールします。

  9. Publisherを再起動します。

Oracle Analytics Serverと統合されたPublisherのスタイルのカスタマイズ

Oracle Analytics Serverと統合されたPublisherのカスタム・スタイルを作成するために、選択した構成ファイルを更新します。

  1. ORACLE_HOME\bifoundation\jee\bicustom-template.earORACLE_HOME\bifoundation\jee\bicustom.earにコピーします。

    ノート:

    パッチ適用またはアップグレードのプロセスでは、bicustom-template.earファイルは上書きされる場合がありますが、bicustom.earファイルは上書きされません。

  2. bicustom.earファイルからbicustom.warファイルをPublisherのデプロイ先のマシンに展開します。
  3. bicustom.warファイルからファイルを抽出します。
  4. 解凍したディレクトリ内のmaster.cssおよびイメージ・ファイルを編集してカスタム・スタイルを作成し、変更を保存します。
  5. bicustom.warファイルを変更内容で更新します。
  6. bicustom.earファイルを新しいbicustom.warファイルで更新します。
  7. 新しいbicustom.earファイルをアプリケーション・サーバーにデプロイします。
  8. xmlp-server-config.xmlファイルを更新して、変更を保存します。
    <!-- required: http url of OBIEE master css -->
    <property name="THEME_MASTER_CSS_URL" value="/custom/s_skyros/master/master.css"/>
    <!-- required: this is the master css http url -->
    <property name="THEME_IMAGE_URL_PREFIX" value="/custom/s_skyros/master"/>
    <!-- required: this is the file system path where master images are located -->
    <property name="THEME_MASTER_IMAGE_PATH" value="/scratch/aime1/bip/res/s_Custom/master"/>
    
  9. Publisherを再起動します。

ノート:

カスタム構成プロパティによってマスター構成プロパティが上書きされるため、THEME_CUSTOM_MASTER_CSS_URLの値はTHEME_MASTER_CSS_URLの値に優先します。これは、イメージでも同様です。

カスタム・スタイルの代替メカニズム

Publisher (スタンドアロンまたはOracle Analytics Serverとの統合)用にカスタム・スタイルを作成する場合は、カスタマイズで変更が必要なものだけをコピーすることをお薦めします。コピーされていないものはすべて、Publisherのベース・スキンで指定されているスタイル、つまりSkyrosのテーマで代替されます。

カスタム・スタイル・シート

カスタム・スタイル・シート(css)にTHEME_CUSTOM_MASTER_CSS_URLが指定されている場合、Publisherはそのスタイルを参照して、それ以外は無視します。

カスタム・スタイル・シート(css)にTHEME_CUSTOM_MASTER_CSS_URLが指定されている場合、Publisherはそのスタイルを参照して、それ以外は無視します。THEME_MASTER_CSS_URLが指定されている場合、Publisherはそのスタイルを使用します。どちらも指定されていない場合、Publisherはベース・スキンで定義されているスタイルを使用します。

イメージ

Publisherは特定の要素に基づいてイメージURLを作成します。

イメージにTHEME_CUSTOM_MASTER_IMAGE_PATHが指定されている場合、要求されたイメージがディレクトリ内に存在すると、PublisherはTHEME_CUSTOM_MASTER_IMAGE_URL_PREFIXの値を使用してイメージURLを作成します。

THEME_MASTER_IMAGE_PATHが指定されている場合、要求されたイメージがディレクトリ内に存在すると、PublisherはTHEME_MASTER_IMAGE_URL_PREFIXの値を使用してイメージURLを作成します。どちらも指定されていない場合、Publisherはベース・スキンで定義されているイメージを使用します。