1.7.1 OPG4Jシェルの起動

OPG4Jシェルの起動

Javaシェルの実行可能ファイルは、グラフ・サーバー(PGX)のインストール後は/opt/oracle/graph/binにあり、Javaクライアントのインストール後は<CLIENT_INSTALL_DIR>/binにあります。

OPG4JシェルではJShellが使用されます。つまり、このシェルはJava 11以降で実行する必要があります。前提条件の詳細は、Javaクライアントのインストールを参照してください。その後、端末で次のように入力することでOPG4Jシェルを起動できます。

cd /opt/oracle/graph
./bin/opg4j

シェルが起動すると、次のコマンドライン・プロンプトが表示されます。

For an introduction type: /help intro
Oracle Graph Server Shell 22.1.0
Variables instance, session, and analyst ready to use.
opg4j>

グラフ・サーバー機能をライブラリとして使用したアプリケーションの開発で説明するように、デフォルトでは、OPG4JシェルによりローカルPGXインスタンスが作成されて、シェルと同じJVMでグラフ関数が実行されます。

コマンドライン・オプション

使用可能なコマンドライン・オプションのリストを表示するには、--helpopg4jコマンドに追加します。

./bin/opg4j --help

グラフ・サーバー(PGX)に接続せずにopg4jシェルを起動するには、次のように--no_connectオプションを使用します。

./bin/opg4j --no_connect

リモート・モードでのOPG4Jシェルの起動

OPG4Jシェルでは、別のJVM (別のマシン上など)で実行されているグラフ・サーバー(PGX)インスタンスに接続できます。OPG4Jシェルをリモート・モードで起動するには、次のように--base_urlパラメータを指定する必要があります。
./bin/opg4j --base_url https://<host>:7007 --username <graphuser>
説明:
  • <host>: サーバー・ホスト
  • <graphuser>: データベース・ユーザー

    データベース・パスワードの入力を要求されます。

ノート:

グラフ・サーバー(PGX)は、デフォルトでポート7007でリスニングします。必要に応じて、サーバー構成ファイル(server.conf)内のポート値を変更して、別のポートでリスニングするようにグラフ・サーバーを構成できます。詳細は、グラフ・サーバー(PGX)の構成を参照してください。

シェルが起動すると、次のコマンドライン・プロンプトが表示されます。

Oracle Graph Server Shell 22.1.0
Variables instance, session, and analyst ready to use.
opg4j>

Javaの複数のバージョンがインストールされている場合、シェルを起動する前にJAVA_HOME変数を設定することにより、インストールを簡単に切り替えることができます。次に例を示します。

export JAVA_HOME=/usr/lib/jvm/java-11-oracle

スクリプトのバッチ実行

OPG4Jシェルでは、スクリプトへのパスをopg4jコマンドに渡すことで、スクリプトを実行できます。次に例を示します。

./bin/opg4j /path/to/script.jsh

事前定義済関数

OPG4Jシェルには次のユーティリティ関数があります。

  • println(String): System.out.println(String)の簡略表現。
  • loglevel(String loggerName, String levelName): ログレベルを設定する便利な機能。

loglevel関数では、ロガーに対してログ・レベルを設定できます。たとえば、loglevel("ROOT", "INFO")はルート・ロガーのレベルをINFOに設定します。これにより、INFOおよび上位のログ(WARNERRORFATAL)がすべてコンソールに出力されます。

スクリプトの引数

スクリプトにパラメータを指定することもできます。次に例を示します。

./bin/opg4j /path/to/script.jsh script-arg-1 script-arg-2

この例では、スクリプト/path/to/script.jshscriptArgsシステム・プロパティを介して引数にアクセスできます。次に例を示します。

println(System.getProperty("scriptArgs"))// Prints: script-arg-1 script-arg-2

対話方式モードの維持

デフォルトでは、OPG4Jシェルは、実行が終了すると終了します。スクリプトが正常に終了した後も対話モードのままにするには、--keep_runningフラグをシェルに渡します。次に例を示します。

./bin/opg4j -b https://myserver.com:7007/ /path/to/script.jsh --keep_running