1 アプリケーション・ストリーム・モジュールのライフサイクル

Oracle Linux 8およびOracle Linux 9のBaseOSリポジトリにあるコア・オペレーティング・システム・パッケージでは標準Oracle Linuxサポート・ライフ・サイクルが維持されていますが、別個のAppStreamパッケージには、それら固有のメジャー・バージョン・リリースがあります。また、それらのAppStreamパッケージは、ライフスパンがより短くなり2年から5年である場合があります。

AppStreamパッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。AppStreamモジュールの追加サポートは、該当するモジュールとモジュールの使用についての記述がOracleからの別の公式Oracle Linuxドキュメントに含まれている場合に提供されることがあります。重大なセキュリティ・エラッタと厳選された影響の大きい重要な不具合修正は、新しいバージョンのAppStreamパッケージで提供されます。

Oracle Linuxアプリケーション・ストリームの詳細は、Oracle Linux: Oracle Linuxでのソフトウェアの管理を参照してください。

Oracle Linux 9のアプリケーション・ストリーム

次の表に、現時点のOracle Linux 9に含まれるAppStreamパッケージを示します。可能であれば、これらのパッケージの最新リリースにアップグレードすることをお薦めします。Oracleは、指定のリタイア日(次の表を参照)まで、AppStreamチャネルのモジュールに対して継続的にサポートを提供します。

ノート:

Oracle Linux 9でリリースされた初期アプリケーション・ストリームは、ユーザー・エクスペリエンスを簡素化するためにモジュール形式でリリースされていません。そのため、Oracle Linux 9に初期アプリケーション・ストリームをインストールするときには、モジュールを参照する必要なしにdnf installコマンド構文を使用できます。

ライフ・サイクルの短い一部のアプリケーション・ストリームは、その後の更新リリースで更新されたアプリケーション・ストリームのバージョンとともにモジュール形式でリリースされます。

Oracle Linux 9のフル・ライフ・アプリケーション・ストリーム

可能であれば、ライフサイクルの短いアプリケーション・ストリームが複数提供されている場合は、基礎となるOracle Linuxリリースの期間を延長する単一のストリームが提供されることがあります。

表1-1 Oracle Linux 9のフル・ライフ・アプリケーション・ストリームのリリース・ライフ・サイクル

モジュール ストリーム リリース日 廃止日 リリース
該当なし httpd 2.4 2022年6月 2032年6月 9.0
該当なし perl 5.32 2022年6月 2032年6月 9.0
該当なし php 8.0 2022年6月 2032年6月 9.0
該当なし postgresql 13 2022年6月 2032年6月 9.0
該当なし python 3.9 2022年6月 2032年6月 9.0
該当なし ruby 3.0 2022年6月 2032年6月 9.0

Oracle Linux 9の標準アプリケーション・ストリーム

Oracle Linuxのライフサイクルの間に、ほとんどのアプリケーション・ストリームの新しいバージョンが必要に応じて使用可能になります。ライフ・サイクルは、アップストリーム・サポート・ライフまたは製品ニーズに合わせて必要に応じて調整されます。同じアプリケーション・ストリームの複数のバージョンが、重複するサポート期間で同時に使用できる場合があります。

表1-2 Oracle Linux 9のアプリケーション・ストリームのライフ・サイクル

モジュール ストリーム リリース日 廃止日 リリース
該当なし ansible-core 2022年6月 2023年11月 9.0
該当なし dotnet 6 2022年6月 2024年11月 9.0
dotnet 7 2022年11月 2024年5月 9.1
dotnet 8 2023年11月 2026年11月 9.3
該当なし gcc-toolset 12 2022年11月 2024年11月 9.1
gcc-toolset 13 2023年11月 2025年11月 9.3
該当なし IDM 2022年6月 2027年5月 9.0
maven maven 3.8 2022年11月 2025年11月 9.1
該当なし MySQL 8.0 2022年6月 2026年4月 9.0
nginx nginx 1.22 2023年5月 2025年11月 9.2
nodejs nodejs 16 2022年6月 2024年4月 9.0
nodejs 18 2022年11月 2025年4月 9.1
nodejs 20 2023年11月 2026年4月 9.3
該当なし openjdk 1.8.0 2022年6月 2026年5月 9.0
openjdk 11 2022年6月 2024年10月 9.0
openjdk 17 2022年6月 2027年12月 9.0
openjdk 21 2023年11月 2029年12月 9.3
php php 8.1 2022年11月 2025年5月 9.1
postgresql postgresql 15 2023年5月 2028年5月 9.2
該当なし python 3.11 2023年5月 2026年5月 9.2
redis redis 7 2023年11月 2026年11月 9.3
ruby ruby 3.1 2022年11月 2025年3月 9.1
該当なし Tomcat mod_jk connector for Apache 2022年5月 2027年5月 9.0

Oracle Linux 9のローリング・アプリケーション・ストリーム

ローリング・アプリケーション・ストリームは、Oracle Linux 9リリースの存続期間全体でサポートされます。ストリームの新しいバージョンによって、更新リリースの既存のバージョンが置き換えられます。ローリング・ストリームは、ストリームの新しいバージョンが非常に重要である場合にのみ使用されます。ローリング・ストリームのユーザーは、いつどのようにストリームが更新され、新しいバージョン用に準備されるかを理解する必要があります。

ローリング・アプリケーション・ストリーム リリース日 バージョン
container-tools 2022年6月 ol9
Rust 2022年6月 1.66.1
LLVM 2022年6月 15.0.7
Go 2022年6月 1.19.6
Git 2022年6月 2.39.1
Java Mission Control 2022年6月 7.1.1

Oracle Linux 8のアプリケーション・ストリーム

次の表に、現時点のOracle Linux 8に含まれるAppStreamパッケージを示します。可能であれば、これらのパッケージの最新リリースにアップグレードすることをお薦めします。Oracleは、指定のリタイア日(表を参照)まで、AppStreamチャネルのモジュールに対して継続的にサポートを提供します。

Oracle Linux 8のフル・ライフ・アプリケーション・ストリーム

可能であれば、ライフサイクルの短いアプリケーション・ストリームがいくつか提供されている場合は、基礎となるOracle Linuxリリースの期間を延長する単一のストリームも提供されることがあります。

表1-3 Oracle Linux 8のフル・ライフ・アプリケーション・ストリームのリリース・ライフ・サイクル

モジュール ストリーム リリース日 廃止日 リリース
ant ant 1.10 2019年7月 2029年7月 8.0
Apache Subversion subversion 1.10 2019年7月 2029年7月 8.4
git git 2 2019年7月 2029年7月 8.0
httpd httpd 2.4 2019年7月 2029年7月 8.0
Identity Management Identity Management Client 2019年7月 2029年7月 8.0
perl perl 5.26 2019年7月 2029年7月 8.0
php php 7.4 2020年11月 2029年7月 8.3
postgresql postgresql 12 2020年2月 2029年7月 8.1
python python 3.6 2019年7月 2029年7月 8.0
redis redis 6 2021年5月 2029年7月 8.4
ruby ruby 2.5 2019年7月 2029年7月 8.0
squid squid 4 2019年7月 2029年7月 8.0
virt ol 2019年7月 2029年7月 8.0

Oracle Linux 8の標準アプリケーション・ストリーム

Oracle Linuxのライフサイクルの間に、ほとんどのアプリケーション・ストリームの新しいバージョンが必要に応じて使用可能になります。ライフ・サイクルは、アップストリーム・サポート・ライフまたは製品ニーズに合わせて必要に応じて調整されます。同じアプリケーション・ストリームの複数のバージョンが、重複するサポート期間で同時に使用できる場合があります。

表1-4 Oracle Linux 8のアプリケーション・ストリームのライフ・サイクル

モジュール ストリーム リリース日 廃止日 リリース
該当なし ansible-core 2022年5月 2023年11月 8.6
Apache Subversion subversion 1.14 2021年5月 2024年5月 8.4
authd authd 1.4.4 2019年7月 2021年5月 8.0
container-tools container-tools 1.0 2019年7月 2021年5月 8.0
container-tools 2.0 2020年5月 2022年5月 8.2
container-tools 3.0 2021年5月 2023年5月 8.4
container-tools 4.0 2022年5月 2024年5月 8.6
dotnet dotnet 2.1 2019年7月 2021年8月 8.0
dotnet 3.0 2019年11月 2020年3月 8.1
dotnet 3.1 2020年2月 2022年12月 8.1
dotnet 5.0 2020年12月 2022年5月 8.3
dotnet 6.0 2021年11月 2024年11月 8.5
dotnet 7.0 2022年11月 2024年5月 8.7
dotnet 8.0 2023年11月 2026年5月 8.9
freeradius freeradius 3.0 2019年7月 2024年5月 8.0
gcc-toolset gcc-toolset 9 2019年11月 2021年11月 8.1
gcc-toolset 10 2020年11月 2022年11月 8.3
gcc-toolset 11 2021年11月 2023年11月 8.5
gcc-toolset 12 2022年11月 2024年11月 8.7
gcc-toolset 13 2023年11月 2025年11月 8.9
glusterFS glusterFS 6 2020年3月 2022年5月 8.1
glusterFS 8 2021年11月 2024年7月 8.5
mailman mailman 2.1 2019年7月 2024年6月 8.0
maven maven 3.5 2019年7月 2022年5月 8.0
maven 3.6 2020年5月 2023年4月 8.2
maven 3.8 2022年11月 2025年11月 8.7
mercurial mercurial 4.8 2019年7月 2022年11月 8.0
mercurial 6.2 2022年11月 2025年11月 8.7
mysql mysql 8 2019年7月 2026年4月 8.0
nginx nginx 1.14 2019年7月 2021年5月 8.0
nginx 1.16 2019年11月 2021年10月 8.1
nginx 1.18 2020年11月 2022年11月 8.3
nginx 1.20 2021年11月 2023年11月 8.5
nginx 1.22 2023年5月 2025年11月 8.8
nodejs nodejs 10 2019年7月 2021年4月 8.0
nodejs 12 2019年11月 2022年4月 8.1
nodejs 14 2020年11月 2023年4月 8.3
nodejs 16 2021年11月 2024年4月 8.5
nodejs 18 2022年11月 2025年4月 8.7
nodejs 20 2023年11月 2026年4月 8.9
openjdk openjdk 1.8.0 2019年7月 2026年5月 8.0
openjdk 11 2019年7月 2024年10月 8.0
openjdk 17 2021年11月 2027年12月 8.5
perl perl 5.24 2019年7月 2021年5月 8.0
  perl 5.30 2020年11月 2023年11月 8.3
  perl 5.32 2022年5月 2025年4月 8.6
php php 7.2 2019年7月 2021年5月 8.0
  php 7.3 2019年11月 2021年11月 8.1
  php 8.0 2022年5月 2024年11月 8.6
postgresql postgresql 9.6 2019年7月 2021年11月 8.0
postgresql 10 2019年7月 2024年5月 8.0
postgresql 13 2021年5月 2026年5月 8.4
postgresql 15 2023年5月 2028年5月 8.8
python python 2.7 2019年7月 2024年6月 8.0
python 3.8 2020年5月 2023年5月 8.2
python 3.9 2021年5月 2024年5月 8.4
python 3.11 2023年5月 2026年5月 8.8
redis redis 5 2019年7月 2022年5月 8.0
ruby ruby 2.6 2019年11月 2022年3月 8.1
ruby 2.7 2020年11月 2023年3月 8.3
ruby 3.0 2021年11月 2024年3月 8.5
ruby 3.1 2022年11月 2025年3月 8.7
scala scala 2.1 2019年7月 2023年5月 8.0
swig swig 3 2019年7月 2022年5月 8.0
  swig 4 2021年5月 2024年5月 8.4
  swig 4.1 2023年5月 2027年5月 8.8
varnish varnish 6 2019年7月 2024年6月 8.0
virt kvm_utils 2021年6月 2023年6月 8.3
kvm_utils2 2022年5月 2024年5月 8.5
kvm_utils3 2023年5月 2025年5月 8.8

Oracle Linux 8のローリング・アプリケーション・ストリーム

ローリング・アプリケーション・ストリームは、Oracle Linux 8リリースの存続期間全体でサポートされます。ストリームの新しいバージョンによって、更新リリースの既存のバージョンが置き換えられます。ローリング・ストリームは、ストリームの新しいバージョンが非常に重要である場合にのみ使用されます。ローリング・ストリームのユーザーは、いつどのようにストリームが更新され、新しいバージョン用に準備されるかを理解する必要があります。

ローリング・アプリケーション・ストリーム リリース日 バージョン
LLVM 2021年5月 13.0.1
Gnu Make (最終バージョン) 2022年11月 ol8
Go 2021年5月 1.17
Java Mission Control 2021年11月 8.0.1
Rust 2021年5月 1.58.1

Oracle Linux 8の依存アプリケーション・ストリーム

依存アプリケーション・ストリームは、他のフル・ライフ、ローリングまたは標準アプリケーション・ストリームで使用されている場合にのみサポートされ、スタンドアロン・パッケージとしてはサポートされません。

表1-5 依存アプリケーション・ストリーム

アプリケーション・ストリーム
389-ds 1.4
pki-core
pki-deps