3.1 Oracle CORBAの概要

Oracle Tuxedo CORBAは、ミッションクリティカルなアプリケーションに依存する企業や組織に、Tuxedoトランザクション処理テクノロジの機能、堅牢製、実証済の信頼性を組み合せたCORBA準拠のプログラミング・モデルの利点を提供します。Oracle Tuxedo CORBAは、既存のTuxedoインフラストラクチャを活用して、トランザクション管理、セキュリティ、メッセージ・トランスポート、管理と管理性、およびXA準拠のデータベース・サポートを実現します。Oracle Tuxedo CORBAでは、ORBモデルとオンライン・トランザクション処理(OLTP)機能を組み合せて、最高品質のオブジェクト・トランザクション・モニター(OTM)を構築します。

次の図に示すように、OTMは3層のクライアント/サーバー・アークテクチャの一例で、OTMは、フロントエンドのGUIとバックエンドのリソース・マネージャ間のアプリケーション・ロジックをサポートします。リソース・マネージャの例には、オブジェクト志向データベース、リレーショナル・データベース、メッセージ・キュー、レガシー・アプリケーション、その他のバックエンド・サービスがあります。

図3-1 OTMを使用した3層クライアント/サーバー・アークテクチャ


OTMを使用した3層クライアント/サーバー・アークテクチャの図

OTMは、フロントエンドのユーザー・インタフェースとリソース・マネージャ間の直接的な接続に割り込むことで、数百、数千、あるいは数万のクライアントとランタイム・オブジェクトおよびバックエンド・リソースをリンクするすべてのトラフィックを制御します。OTMにより、グローバル(分散)トランザクションの正確な実行、ロード・バランシングの実現、およびシステム全体のパフォーマンスの向上が保証されます。OTMでは、オブジェクトのプールを事前起動するため、フォルト・トレランスも実現します。さらに重要な点は、OTMにより、アプリケーションのサーバー・プロセスがフロントエンドのユーザー・インタフェースとすべてのリソース・マネージャから独立することです。

Oracle Tuxedo CORBAは、サーバー側の分散オブジェクトを実行するオブジェクト・アプリケーション・サーバーです。Oracle Tuxedo CORBAでは、アプリケーションのサーバー・オブジェクトやトランザクションだけでなく、クライアント/サーバーの通信も管理します。

オブジェクト指向トランザクション通信は、特に強化されたORB呼出しを使用します。ただし、最も付加価値の高い要素はプログラマに対して透過的です。つまり、トランザクション・クライアント/サーバー通信は、開始トランザクション呼出しと終了トランザクション呼出しで区切られた通常の通信のように見えます。これらの呼出しで起動されるすべてのリソース・マネージャとプロセスが、トランザクションに含まれることにより区別できます。Oracle Tuxedo CORBAのようなOTMは、すべての参加者のアクションを編成し、トランザクションの一部として作動するようにします。