3.5 Oracle Tuxedo ORBソフトウェア

ORB(オブジェクト・リクエスト・ブローカ)は、クライアントがサーバーの位置やネットワーク接続に依存せずにサーバーを識別して通信できるようにするライブラリです。ORBは、オブジェクト・バスとも呼ばれます。

プログラマは、OMG IDLを使用してオブジェクトのインタフェースを定義し、残りの部分はORBが処理します。ORBは、CORBAクライアントからCORBAサーバー・アプリケーションに送信されるリクエストの媒介として機能するため、クライアントとサーバーでは相互に関する情報が不要になります。次の図は、CORBAアプリケーション・クライアントであるORBとCORBAサーバー・アプリケーションの関係を示しています。

図3-6 CORBAクライアント/サーバー環境のORB

CORBAクライアント/サーバー環境のORBの図

Oracle Tuxedo CORBAには、C++サーバーORBおよびC++クライアントORBが含まれます。ORBでは、トランザクション・サポートが組み込まれており、CORBA OTMのベースとなるCORBAオブジェクト・トランザクション・サービス(OTS)が2フェーズのコミット処理用のXA基準に準拠しています。

C++サーバーORBは、Tuxedo CORBAサーバー・プロセスに直接リンクされます。その他のクライアントORBは、CORBAのIIOPプロトコルを通じてOracle Tuxedo CORBAと通信できます。