5.1 インストールの選択項目の理解
Oracle APEXのインストールの選択項目について学習します。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、マルチテナント・アーキテクチャが導入されています。このデータベース・アーキテクチャには、ルート・コンテナCDB$ROOT
、シード・データベースPDB$SEED
および複数のプラガブル・データベース(PDB)を含むマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)が含まれます。各プラガブル・データベースは、Oracle Databaseリリース11gの個別のデータベース・インスタンスに相当します。ルート・コンテナCDB$ROOT
は、メタデータ・リンクまたはオブジェクト・リンクを使用してすべてのPDBにアクセス可能な共通オブジェクトを保持します。シード・データベースPDB$SEED
は、新しいデータベースをシードするために新しいPDBを作成する際に使用されます。Oracle Database 12c以降のマルチテナント・アーキテクチャの主なメリットは、CPUやメモリーなどのデータベース・リソースをすべてのPDBで共有できることです。また、このアーキテクチャでは、アップグレード、パッチ、バックアップなどのタスクにおいて、複数のデータベースを1つのデータベースとして扱うことができます。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、マルチテナント・アーキテクチャの構成時に、デフォルトでAPEXがルート・コンテナ・データベースにインストールされます。デフォルトのインストールでは、ルート・コンテナCDB$ROOT
にAPEX_040200
スキーマが含まれ、APEXエンジンの一般的なデータベース・オブジェクト(パッケージ、ファンクション、プロシージャ、ビューなど)を格納するために使用されます。APEX_040200
スキーマは、シード・データベースPDB$SEED
にも含まれ、APEXエンジンの一部である表を格納するために使用されます。
新しいPDBを作成するにはPDB$SEED
をコピーします。ここには、APEXリリース22.2が共通的にCDBにインストールされている場合はAPEX_220200
スキーマが含まれます。そのため、APEXエンジンの表のコピーが複数含まれており、APEXエンジンのパッケージ、ファンクション、プロシージャおよびビューのコピーが1つのみ含まれています。各PDBでは、APEX_220200
スキーマとともに、APEXエンジンの表のそれ固有のコピーが保持されるため、そのPDB内で定義されているAPEXアプリケーションのメタデータを保持できます。
ヒント:
すべてのプラガブル・データベース(PDB)でAPEXが使用され、それらすべてでAPEXの同一リリースおよび同一パッチ・セットを実行する必要があるホスティング企業またはインストールを除き、大部分のユースケースでは、ルート・コンテナ・データベースからAPEXを削除することをお薦めします。