6.1 OREmodels関数について

OREmodelsパッケージには、ore.frameオブジェクトを使用して機械学習モデルを構築できる関数が含まれています。

OREmodelsの関数を次に示します。

表6-1 OREmodelsパッケージの関数

関数 説明

ore.glm

ore.frame内のデータに対して一般化線形モデルを適合および使用します。

ore.lm

ore.frame内のデータに対して線形回帰モデルを適合します。

ore.neural

ore.frame内のデータに対してニューラル・ネットワーク・モデルを適合します。

ore.randomForest ore.frame内のデータに基づいてランダム・フォレスト分類モデルを並行して作成します。

ore.stepwise

ore.frame内のデータに対してステップワイズ線形回帰モデルを適合します。

ノート:

Rの用語では、「モデルを適合する」という表現は、多くの場合「モデルを構築する」と同じ意味で使用されます。このドキュメントおよびOracle Machine Learning for Rの関数のオンライン・ヘルプでは、この表現は同じ意味で使用されます。

ノート:

関数ore.lm、ore.glm、ore.stepwise、ore.randomForest、ore.neural、ore.esm、prcomp、svd、ore.odmRAlgは、Oracle Autonomous Databaseでは使用できず、オンプレミスOracle Databaseでは非推奨です。

関数ore.glmore.lmおよびore.stepwiseには次の利点があります。

  • アルゴリズムはアウトオブコアQR Factorizationを使用した正確な解決方法を提供します。QR Factorizationは、行列を直交行列と三角行列に分解します。

    QRは、困難とされるランクのない適合モデルに使用されるアルゴリズムです。

  • メモリーに収まらないデータ、つまりアウトオブコアのデータを処理できます。QRはマトリクスを、メモリーに収めるものとディスクに保存するものの、2つに分解します。

    ore.glmore.lmおよびore.stepwiseの各関数は、10億行を超えるデータセットを解決できます。

  • ore.stepwise関数によって、前方、後方およびステップワイズによるモデル選択の手法を高速に実装できます。

ore.neural関数には次の利点があります。

  • ニューラル・ネットワークのスケーラビリティの高い実装であり、10億行のデータセット上のモデルであってもわずか数分で構築できます。ore.neural関数は、小中規模のデータセットに対してはインメモリー、大規模入力に対しては分散(アウトオブコア)の2つのモードで実行できます。

  • ore.neuralでは多くの種類の活性化関数がサポートされているため、活性化関数をニューロン上で層ごとに指定できます。

  • 0 (ゼロ)を含む任意の数の非表示層からなるニューラル・ネットワーク・トポロジを指定できます。