10.3.1.2 オプションの制御引数

すべてのEmbedded R Execution関数は、指定が可能または不可能なオプションの引数を取ります。

Oracle Machine Learning for Rは、ユーザー定義のオプションの引数を入力関数に渡します。モデルなどの複合Rオブジェクトを含む入力関数に、任意の数のオプションの引数を渡すことができます。

ore.で始まる引数は、特殊な制御引数です。OML4Rはそれらを入力関数に渡しませんが、かわりに、それらを使用して入力関数の実行前後の動作を制御します。次の制御引数がサポートされます。

  • ore.connectは、Embedded R Execution関数内でOML4Rに自動的に接続するかどうかを制御します。これは、クライアント・セッションと同じ資格証明を指定してore.connectをコールすることと同等です。デフォルト値はFALSEです。

    自動接続を有効にすると、次の機能を実現できます。

    • 埋込みRスクリプトがデータベースに接続されます。

    • 接続は、埋込みR SQL関数をコールするセッションと同じ資格証明を持っています。

    • このスクリプトは自律型トランザクション内で実行されます。

    • ROracle問合せは自動接続と連携できます。

    • OML4Rの透過層の機能が埋込みスクリプトで使用可能になります。

  • ore.dropは入力データを制御します。オプション値がTRUEの場合、1列のdata.framevectorに変換されます。デフォルト値はTRUEです。

  • ore.envAsEmptyenvは、シリアライズ中にオブジェクト内の参照される環境を空の環境で置き換えるかどうかを制御します。一部のタイプの入力パラメータおよび戻りオブジェクト(listformulaなど)は、データベースに保存される前にシリアライズされます。制御引数の値がTRUEの場合、オブジェクト内の参照される環境は親が.GlobalEnvである空の環境で置き換えられ、参照される元の環境内のオブジェクトはシリアライズされません。これにより、シリアライズされるオブジェクトのサイズを大幅に削減できる場合があります。制御引数の値がFALSEの場合、参照される環境内のすべてのオブジェクトがシリアライズされますが、後からシリアライズ解除してリカバリすることができます。デフォルト値は、グローバル・オプションore.envAsEmptyenvによって決定されます。

  • ore.na.omit入力データの欠損値の処理を制御します。ore.na.omit = TRUEを指定した場合、欠損値を含む行またはベクター要素(ore.drop設定に応じて)が入力データから削除されます。チャンクのすべての行に欠損値がある場合、そのチャンクの入力データは空のdata.frameまたはvectorになります。デフォルト値はFALSEです。

  • ore.graphicsは、グラフィカル・ドライバを起動して画像を検索するかどうかを制御します。デフォルト値はTRUEです。

  • ore.png.*には、ore.graphicsTRUEの場合に、pngグラフィック・ドライバの追加引数を指定します。これらの引数のネーミング規則では、png関数の引数にore.png.接頭辞を追加します。たとえば、ore.png.heightを指定すると、引数heightpng関数に渡されます。設定しない場合は、png関数に標準のデフォルト値が使用されます。

関連項目:

制御引数の詳細は、help(ore.doEval)を呼び出すことで表示されるオンライン・ヘルプを参照してください。