3.1 クラスタ状態モニターのサービスの理解

クラスタ状態モニターでは、システム監視サービス(osysmond)およびクラスタ・ログ出力サービス(ologgerd)を使用して診断データを収集します。

システム監視サービスについて

システム監視サービス(osysmond)は、各クラスタ・ノードで実行され、監視およびオペレーティング・システム・メトリックの収集をリアルタイムに行うサービスです。システム監視サービスは、高可用性サービス(HAS)のリソースとして管理されます。システム監視サービスは、収集したメトリックをクラスタ・ログ出力サービス(ologgerd)に転送します。クラスタ・ログ出力サービスは、そのデータをOracle Grid Infrastructure管理リポジトリのデータベースに格納します。

また、osysmondは、収集されたオペレーティング・システム・メトリックをORACLE_BASEのディレクトリの下に保持します。

メトリック・リポジトリは、ローカル・ファイルシステムで自動管理されます。リポジトリの場所とサイズは変更できます。

  • Nodeviewサンプルは、リポジトリ(JSONレコード)に継続的に書き込まれます
  • 履歴データは1時間ごとのzipファイルに自動アーカイブされます
  • アーカイブされたファイルは、デフォルトの保存制限に達すると自動的にパージされます(デフォルト: 200MB)

クラスタ・ログ出力サービスについて

クラスタ・ログ出力サービス(ologgerd)は、システム監視サービス(osysmond)によって収集されたデータをOracle Grid Infrastructure管理リポジトリのデータベースに保持します。クラスタには、32のノードごとに1つのクラスタ・ログ出力サービス(ologgerd)があります。32のノードが追加されるたびに、さらにログ出力サービスが生成されます。追加のノードは、ハブおよびリーフ・ノードの合計です。次の場合、Oracle Clusterwareは個々のノードにサービスを再配置して開始します。

  • ログ出力サービスで障害が発生し、決められた再試行回数を超えても開始できない場合

  • クラスタ・ログ出力サービスが実行されているノードが停止している場合

グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ(GIMR)の個別のOracleホームへのデプロイのサポート

Oracle Grid Infrastructure 20c以降、Gridホームではなく個別のOracleホームでグリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ(GIMR)を構成する必要があります。このオプションは、Oracle Grid Infrastructureの新規インストール時にGIMRを構成する際または既存のデプロイメントにGIMRを追加する際に使用できます。既存のGIMRがデプロイされているOracle Grid Infrastructureをアップグレードする場合、GIMRを別のOracleホームに構成する必要があります。

GIMR用に別のOracleホームを使用すると確実に、ローリング・アップグレードが高速になり、エラーが減り、ロールバックの状況が少なくなります。Oracle Grid Infrastructureインストールの所有者ユーザーは、GIMRホームを所有する必要があります。

詳細は、グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリのインストールを参照してください。

リモートGIMRでのOracleスタンドアロン・クラスタのサポート

Oracleスタンドアロン・クラスタ用のリモート・グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ(GIMR)機能により、集中管理されたGIMRを使用できるようになります。この機能では、GIMRをホストするためにローカル・クラスタ・リソースが必要ありません。

リモートGIMR機能を使用すると、クラスタ・ヘルス・モニター、クラスタ・ヘルス・アドバイザおよび自律型ヘルス・フレームワークの各クライアントのプロアクティブな診断機能を大幅に強化する永続データ・ストアにアクセスできます。リモートGIMR機能により、ローカル・リソースとライセンス供与されたデータベース・サーバー・リソースを解放することでコストを節約できます。

詳細は、リモートGIMRを使用するOracleスタンドアロン・クラスタのGIMR資格証明ファイルの作成を参照してください