Enterprise Manager Cloud Controlを使用したOracle Globally Distributed Databaseの管理

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用すると、Oracle Globally Distributed Databaseとそのコンポーネントを検出、監視および管理できます。

Enterprise Manager Cloud Controlを使用したOracle Globally Distributed Databaseの検出、監視および管理の詳細は、次のトピックを参照してください。

前提条件: Oracle Globally Distributed Databaseメトリックの有効化

デフォルトでは、Oracle Globally Distributed Databaseのパフォーマンス・メトリックは無効になっています。これはEnterprise Manager Cloudコンソールまたはモニタリング・テンプレートから有効にできます。

メトリックを収集する方法は2つあります。これらの方法を実行するには、次の各項で説明するように、様々な設定ステップに従う必要があります。

デフォルトのEnterprise Managerデータベース・メトリックの使用

デフォルトでEnterprise Manager Cloudコンソールの「シャードされたデータベース」ページに表示されるメトリックはデフォルトのデータベース・メトリックであり、メトリック問合せユーザーを作成する必要があります。これは、Enterprise Managerで検出されたシャード・データベースでのみ収集されます。

デフォルトのデータベース・メトリックでは、後述する拡張シャード・データベース・メトリックほど、頻繁にデータが提供されません。

マルチシャード問合せはメトリックの収集に使用されるため、シャード・データベース内のすべてのシャードにアクセスして問合せを実行できるユーザーも作成する必要があります。

デフォルト・メトリックを使用するには:

  1. すべてのシャードおよびシャード・カタログに新しいメトリック問合せアカウントを手動で作成します。

    create user SHARD_SYS identified by password;
    grant connect, create session, gsmadmin_role to SHARD_SYS;
    GRANT ALL PRIVILEGES TO SHARD_SYS; /*Needed to get all the schemas stats*/
    GRANT SELECT ANY DICTIONARY TO SHARD_SYS; /*Needed to get all the schemas stats*/
  2. 同じメトリック問合せアカウント資格証明を使用して、Enterprise Managerのシャード・カタログおよびすべてのシャード・データベースを検出します。

    「前提条件: シャードされたデータベース・トポロジの検出」を参照してください

  3. デフォルト・メトリックを有効にするには:

    $emctl set property
     -sysman_pwd password
     -name oracle.sysman.db.ha.sdb.dd.usesdbmetrics
     -value false 

拡張シャード・データベース・メトリックの使用

シャード・データベースの拡張メトリックを使用すると、シャードに関する情報をシャード・カタログから収集できるため、Enterprise Manager内のすべてのシャード・データベースを検出して、シャード・データベース・トポロジの完全なメトリックを取得する必要はありません。

拡張メトリックを使用するには:

  1. Enterprise Managerでシャード・カタログを検出します。

    「前提条件: シャードされたデータベース・トポロジの検出」を参照してください

  2. コンソールまたはモニタリング・テンプレートを使用して、シャード・データベース・メトリックを有効にします。

    $emctl set property
     -sysman_pwd password
     -name oracle.sysman.db.ha.sdb.dd.usesdbmetrics
     -value true

前提条件: Oracle Globally Distributed Databaseトポロジの検出

Enterprise Manager Cloud Controlでは、シャード・カタログおよびオプションでシャード・データベースを検出し、ガイドされた検出を使用してシャード・ディレクタ、シャード・データベース、シャード領域およびシャードグループを追加できます。

Cloud Controlでシャード・データベースを管理する前提条件として、まずシャード・ディレクタ・ホストおよびシャード・カタログ・データベースを少なくとも検出する必要があります。必要に応じて、シャード・データベース内のすべてのシャードを管理するために、シャード・データベースも検出する必要があります。

シャード・カタログ・データベースおよび各シャードはデータベースそのものであるため、標準のデータベース検出プロシージャを使用できます。

シャードの管理は、データベース検出を使用して個々のシャードを検出する場合のみ可能です。シャードの検出は、シャードなしのシャード・データベース構成にすることもできるため、シャード・データベースの検出ではオプションです。

  1. Enterprise Manager Cloud Controlで「設定」「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択します。
  2. 「ターゲットの手動追加」ページで、「ガイド付きプロセスを使用して非ホスト・ターゲットを追加」パネルで「ガイド付きプロセスを使用した追加」をクリックします。
  3. 「ガイド付きプロセスを使用した追加」ダイアログで、「シャードされたデータベース」を探して選択し、「追加」をクリックします。
  4. 「シャードされたデータベースの追加: カタログ・データベース」ページで、「カタログ・データベース」の横にある参照アイコンをクリックしてシャード・カタログ・データベースを探します。
  5. 「ターゲットの選択」ダイアログで、カタログ・データベースに対応するターゲット名をクリックし、「選択」をクリックします。

    「カタログ・データベース」フィールドと「モニタリング資格証明」フィールドは、存在する場合、自動入力されます。モニタリング資格証明は、シャード・カタログ・データベースに問い合せて構成情報を取得する場合に使用されます。

    モニタリング・ユーザー(通常はDBSNMP)は、GDS_CATALOG_SELECTロールが付与され、シャード・カタログ・リポジトリ表に対して読取り専用権限があります。

    SQL> grant GDS_CATALOG_SELECT to dbsnmp;

    「次へ」をクリックして次のステップに進みます。

    「シャードされたデータベースの追加: コンポーネント」ページには、シャード・データベース名、ドメイン名、シャード・データベースで採用されているシャーディング方法、検出されたシャード・ディレクタのリストなど、カタログ・データベースで管理されるシャード・データベースに関する情報が表示されます。

  6. モニタリング資格証明をシャード・ディレクタに設定するには、リスト・エントリの右側にあるプラス記号アイコンをクリックします。

    ダイアログが開き、資格証明を設定できます。

    「OK」をクリックしてダイアログを閉じ、「次」をクリックして次のステップに進みます。

  7. 「シャードされたデータベースの追加: 確認」ページで、シャード・ディレクタ、シャード領域およびシャードグループがすべて検出されたことを確認します。
  8. 「発行」をクリックして、ステップを終了します。

    Enterprise Managerデプロイメント・プロシージャが発行され、「ターゲットの手動追加」ページに戻ります。

    ページ上部に、検出されたすべてのコンポーネントをCloud Controlに追加するために発行されたスクリプトに関する情報が表示されます。

  9. リンクをクリックして、シャード・データベースのコンポーネントのプロビジョニング・ステータスを表示します。

    別のブラウザ・ウィンドウで、Cloud Controlの「すべてのターゲット」ページに移動してシャード・データベースのステータスを監視できます。

ターゲット検出プロシージャが終了すると、シャード・データベース・ターゲットがCloud Controlに追加されます。Cloud Controlでシャード・データベースを開き、コンポーネントを監視および管理できます。

Oracle Enterprise Manager Cloud ControlによるOracle Globally Distributed Databaseの管理

シャード・データベースは、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して構成、デプロイ、監視および管理できます

検出されたシャード・データベース・オブジェクトは、Enterprise Managerの「すべてのターゲット」ページで確認できます。

次に示すのは、「データベース」ターゲット・タイプ・カテゴリのOracle Globally Distributed Databaseオブジェクトのシャード・ディレクタおよびシャード・データベースです。


ターゲット・タイプ・データベースのシャード・データベース・ターゲット

次に、「グループ」、「システムおよびサービス」ターゲット・タイプ・カテゴリのシャード・データベース・オブジェクトのシャードグループおよびシャード領域を示します。


「グループ」、「システムとサービス」ターゲット・タイプ・カテゴリ

「シャードされたデータベース」ページでは、次に示すように、「プライマリ・シャードの追加」、「スタンバイ・シャードの追加」および「シャードのデプロイ」など、「シャードされたデータベース」メニューからほとんどの管理ツールにアクセスできます。


「シャードされたデータベース」メニュー

他のシャード・データベース・オブジェクトの管理ツールは、他のシャード・データベース・オブジェクト・ページのメニューにあります。このメニューは、これらのページにアクセスする必要がある手順で説明されています。

関連項目: