トレースおよびデバッグ情報

シャード・データベースのトレースを有効にし、いくつかのトレース・ファイルの情報を検索できます。GDSCTLには、ステータスおよびエラー情報を表示できるコマンドもいくつか用意されています。

トレースの有効化

シャード・データベース内の問題を追跡するため、PL/SQLトレースを有効にします。

完全なトレースを取得するには、次に示すようにGWM_TRACEレベルを設定します。次の文を実行すると、ただちにトレースが有効になりますが、データベースを再起動するとトレースは無効になります。

ALTER SYSTEM SET EVENTS 'immediate trace name GWM_TRACE level 7';

次の文を実行すると、永続的に動作するトレースが有効になりますが、データベースを再起動しないと起動しません。

ALTER SYSTEM SET EVENT='10798 trace name context forever, level 7' SCOPE=spfile;

前述の両方のトレースを完全に設定することをお薦めします。

シャード・データベース環境のすべてをトレースするには、シャード・カタログとすべてのシャードでトレースを有効にする必要があります。トレースは、シャード・カタログのGDSCTLセッションまたは個々のシャードでシャード・ディレクタ(GSMとも呼びます)によって作成されたセッションのRDBMSセッション・トレース・ファイルに書き込まれます。

アラート・ログおよびトレース・ファイルの検索場所

シャード・データベース環境には、トレース・ログおよびアラート・ログを検索する場所がいくつかあります。

diag/rdbms/..にある標準RDBMSトレース・ファイルには、トレース出力が格納されます。

「deploy」の出力は、ジョブ・キューのトレース・ファイルdb_unique_name_jXXX_PID.trcに格納されます。

他のGDSCTLコマンドの出力は、使用される接続文字列に応じて、共有サーバー・トレース・ファイルdb_unique_name_sXXX_PID.trcまたは専用トレース・ファイルdb_unique_name_ora_PID.trcのいずれかに格納されます。

通常、カタログおよびシャードへの接続の多くに共有サーバーが使用されるため、トレースはSID_s00*.trcという名前の共有サーバー・トレース・ファイルに含まれています。

GDSCTLには、ステータスおよびエラー情報を表示できるコマンドがいくつか用意されています。

シャード・ディレクタ(GSM)のトレース・ファイルとログ・ファイルの場所を表示するには、GDSCTL STATUS GSMを使用します。

GDSCTL> status
Alias                     SHARDDIRECTOR1
Version                   18.0.0.0.0
Start Date                25-FEB-2016 07:27:39
Trace Level               support
Listener Log File         /u01/app/oracle/diag/gsm/slc05abw/sharddirector1/alert/log.xml
Listener Trace File       /u01/app/oracle/diag/gsm/slc05abw/sharddirector1/trace/
ora_10516_139939557888352.trc
Endpoint summary          (ADDRESS=(HOST=shard0)(PORT=1571)(PROTOCOL=tcp))
GSMOCI Version            2.2.1
Mastership                N
Connected to GDS catalog  Y
Process Id                10535
Number of reconnections   0
Pending tasks.     Total  0
Tasks in  process. Total  0
Regional Mastership       TRUE
Total messages published  71702
Time Zone                 +00:00
Orphaned Buddy Regions:   None
GDS region                region1
Network metrics:
   Region: region2 Network factor:0

非XMLバージョンのalert.logファイルは、次に示す/traceディレクトリにあります。

/u01/app/oracle/diag/gsm/shard-director-node/sharddirector1/trace/alert*.log

GSMのログ出力を復号化するには、次のコマンドを使用します。

GDSCTL> set _event 17 -config_only

プライマリ・シャード・ディレクタ(GSM)のトレース/アラート・ファイルには、すべての非同期コマンドまたはバックグラウンド・タスク(move chunk、split chunk、deploy、シャード登録、Data Guard構成、シャードDDLの処理など)のステータスとエラーが含まれています。

シャード・ディレクタのエラー・ステータスを含む保留中のAQリクエストを見つけるには、GDSCTL CONFIGを使用します。

進行中およびスケジュール済のチャンク移行を表示するには、GDSCTL CONFIG CHUNKS -show_reshardを使用します。

DDLが失敗したシャードを表示するには、GDSCTL SHOW DDL -failed_onlyを使用します。

特定のシャードのDDLエラー情報を表示するには、GDSCTL CONFIG SHARD -shard shard_nameを使用します。