順序疑似列

順序は、一意の連続値を生成できるスキーマ・オブジェクトです。これらの値は、主キーや一意のキーによく使用されます。次の疑似列を使用したSQL文で、順序値を参照できます。

  • CURRVAL: 順序の現在の値を戻します。

  • NEXTVAL: 順序を増加させて次の値を戻します。

CURRVALNEXTVALは、順序の名前で修飾する必要があります。

sequence.CURRVAL
sequence.NEXTVAL

別のユーザーのスキーマ内での順序の現在の値または次の値を参照するには、その順序に対するSELECTオブジェクト権限またはSELECT ANY SEQUENCEシステム権限のどちらかが必要です。さらに、その順序は、次に示すとおり、順序を含むスキーマで修飾する必要があります。

schema.sequence.CURRVAL
schema.sequence.NEXTVAL

リモート・データベース上の順序の値を参照するには、次のように、データベース・リンクの完全な名前または部分的な名前で順序を修飾する必要があります。

schema.sequence.CURRVAL@dblink
schema.sequence.NEXTVAL@dblink

順序には、待機またはロックすることなく多数のユーザーが同時にアクセスできます。

関連項目:

データベース・リンクの参照方法の詳細は、「リモート・データベース内のオブジェクトの参照」を参照してください。

順序値の使用場所

次の場所でCURRVALNEXTVALを使用できます。

  • 副問合せ、マテリアライズド・ビューまたはビューに含まれていないSELECT文のSELECT構文のリスト

  • INSERT文内の副問合せのSELECT構文のリスト

  • INSERT文のVALUES

  • UPDATE文のSET

順序値の制限事項

次の要素では、CURRVALNEXTVALは使用できません。

  • DELETE文、SELECT文またはUPDATE文内の副問合せ

  • ビューの問合せ、またはマテリアライズド・ビューの問合せ

  • DISTINCT演算子を指定したSELECT

  • GROUP BY句またはORDER BY句を持つSELECT

  • 集合演算子UNIONINTERSECTまたはMINUSによって別のSELECT文と結合されているSELECT

  • SELECT文のWHERE

  • CHECK制約の条件

CURRVALまたはNEXTVALを使用する単一のSQL文では、参照されたLONG列、更新された表、ロックされた表がすべて同じデータベース上にある必要があります。

順序値の使用方法

順序を作成するときに、初期値と増分値を定義できます。NEXTVALの最初の参照によって、順序の初期値が戻されます。その後の参照によって、定義されたNEXTVAL増分値で順序が増加され、その新しい値が戻されます。CURRVALを参照すると、NEXTVALへの最後の参照で戻された値である、順序の現在の値が常に戻されます。

セッションの順序に対してCURRVALを使用する前に、まずNEXTVALで順序を初期化してください。順序の詳細は、「CREATE SEQUENCE」を参照してください。

NEXTVALへの参照が含まれる単一のSQL文の中では、Oracleは、次の各行につき1回順序を増加させます。

  • SELECT文の外部問合せブロックによって戻される行。このような問合せブロックは、次の場所に指定できます。

    • トップレベルのSELECT

    • INSERT ... SELECT文(単一表または複数表)。マルチテーブル・インサートの場合、NEXTVALへの参照がVALUES句内に存在する必要があり、マルチテーブル・インサートの複数のブランチでNEXTVALが参照される場合でも、副問合せによって戻される行ごとに、順序が1回更新されます。

    • CREATE TABLE ... AS SELECT

    • CREATE MATERIALIZED VIEW ... AS SELECT

  • UPDATE文で更新される行

  • VALUES句が含まれるINSERT

  • INSERT ... [ALL | FIRST]文(マルチテーブル・インサート)。マルチテーブル・インサートは、単一のSQL文とみなされます。このため、順序のNEXTVALへの参照では、文のSELECT部分からの各入力レコードに対して順序が1回のみ増加されます。INSERT ... [ALL | FIRST ]文のいずれかの部分でNEXTVALが複数回指定されている場合は、指定されたレコードが挿入される回数に関係なく、値はすべての挿入ブランチに対して同じになります。

  • MERGE文でマージされる行。NEXTVALへの参照は、merge_insert_clauseまたはmerge_update_clauseあるいはその両方に指定できます。NEXTVALUE値は、更新操作または挿入操作に順序番号が使用されない場合でも、行が更新されるか挿入されるたびに増加されます。NEXTVALがこれらの場所のいずれかで複数回指定されている場合、順序は各行に対して1回増加され、その行のNEXTVALが検出されるたびにすべて同じ値を戻します。

  • マルチテーブルINSERT ALL文の入力行。NEXTVALは、各行に対するinsert_into_clauseマップの回数に関係なく、副問合せによって戻される各行に対して1回のみ増加されます。

これらの場所のいずれかが、NEXTVALを複数回参照している場合、Oracleは1回のみ順序を増加させ、NEXTVALが検出されるたびにすべて同じ値を戻します。

これらの場所のいずれかが、CURRVALNEXTVALの両方を参照している場合、OracleはCURRVALNEXTVALの両方について順序を増加させ同じ値を戻します。

順序の次の値の確認: 例

この例では、サンプル・スキーマhrの従業員順序の次の値を選択します。

SELECT employees_seq.nextval 
  FROM DUAL;

表への順序値の挿入: 例

次の例では、従業員順序を増加させ、サンプル表hr.employeesに挿入される新しい従業員のためにその値を使用します。

INSERT INTO employees
  VALUES (employees_seq.nextval, 'John', 'Doe', 'jdoe', '555-1212',
          TO_DATE(SYSDATE), 'PU_CLERK', 2500, null, null, 30);

順序の現在の値の再利用: 例

この例では、次の順序番号を持つ新しい順序をマスター順序表に追加します。その後、この番号を使用して関連する注文をディテール注文表に追加します。

INSERT INTO orders (order_id, order_date, customer_id)
  VALUES (orders_seq.nextval, TO_DATE(SYSDATE), 106);

INSERT INTO order_items (order_id, line_item_id, product_id)
  VALUES (orders_seq.currval, 1, 2359);

INSERT INTO order_items (order_id, line_item_id, product_id)
  VALUES (orders_seq.currval, 2, 3290);

INSERT INTO order_items (order_id, line_item_id, product_id)
  VALUES (orders_seq.currval, 3, 2381);