CREATE DOMAIN

目的

CREATE DOMAINは、使用状況ドメインを作成する場合に使用します。使用状況ドメインは、スキーマに属している高レベルのディクショナリ・オブジェクトであり、オプションのプロパティと制約のセットをカプセル化します。

ドメインに関連付ける表の列を定義できるため、ドメインのオプションのプロパティと制約を明示的に列に適用できます。

少なくとも、ドメインでは組込みのOracleデータ型を指定する必要があります。修飾ドメイン名は、修飾ユーザー定義データ型またはOracle組込みデータ型と競合しないようにしてください。

ドメイン・データ型は、単一のOracleデータ型であることが必要です。Oracle文字データ型の場合は、最大長と、VARCHAR2(L [CHAR|BYTE])NVARCHAR2(L)CHAR(L [CHAR|BYTE])またはNCHAR(L)のいずれかを指定する必要があります。

ドメイン固有の式および条件の定義

ドメイン式には、単純日時間隔CASE複合またはリスト・ドメイン式のいずれかを指定できます。

  • 単純ドメイン式は、stringnumbersequence.CURRVALsequence.NEXTVALNULLまたは schema.domainのいずれかになります。単純な式と同様ですが、列名ではなくドメイン名を参照する点が異なります。ドメイン名を修飾名、Oracle組込みドメインの名前として参照するか、ドメインに対してPUBLICシノニムを使用します。

  • 日時ドメイン式は、ドメイン式のみを参照する日時式です。

  • 間隔ドメイン式は、ドメイン式を参照する点を除いて、通常の間隔式として定義されます。たとえば、(SYSTIMESTAMP - day_of_week) DAY(9) TO SECONDは、間隔ドメイン式です。

  • 複合ドメイン式は、(expr)expr op expr (opは+, -, *, /, ||, )またはexpr COLLATE collation_nameのいずれかです(exprはドメイン式)。

    有効な複合ドメイン式の例

     'email: ' || EmailAddress
    day_of_week + INTERVAL '1' DAY
    TO_CHAR(LastFour(SSN))
  • caseドメイン式は、ドメイン式のみを参照することを除いて、正規表現と同様のものです。

    有効なcaseドメイン式の例

    CASE 
      WHEN UPPER(DOMAIN_DISPLAY(day_of_week)) IN ('SAT','SUN')
      THEN 'weekend' 
      ELSE 'week day' 
    END 
  • 使用状況ドメイン式の定義と同様に、ドメイン条件は通常のSQL条件と同様のものですが、ドメイン式のみを参照します。ドメイン式では、ドメイン名のかわりにキーワードVALUEを使用できます。次に例を示します。

    CREATE DOMAIN day_of_week AS CHAR(3 CHAR)
       CONSTRAINT day_of_week_c
         CHECK (UPPER(VALUE) IN ('MON', 'TUE', 'WED', 'THU', 'FRI', 'SAT', 'SUN'))
       DEFERRABLE INITIALLY DEFERRED
       DISPLAY SUBSTR(VALUE, 1, 2);

使用状況ドメインを使用したJSONスキーマ

JSONスキーマを使用状況ドメインとして登録できます。

次の例では、ドメインdj5をJSONスキーマ・オブジェクトとして作成します:

CREATE DOMAIN dj5 AS JSON CONSTRAINT dj5chk
    CHECK (dj5 IS JSON validate
          '{
           "type": "object",
           "properties": {
             "a": {
               "type": "number"
              }
           }
         }'
    );   

その後、表jtabを作成し、列jcolをドメインdj5に関連付けることができます:

CREATE TABLE jtab(
      id   NUMBER PRIMARY KEY,
     jcol JSON DOMAIN dj5
    );

前提条件

自分のスキーマ内にドメインを作成するには、CREATE DOMAINシステム権限が必要です。

別のユーザーのスキーマにドメインを作成するには、CREATE ANY DOMAINシステム権限が必要です。

構文

create_single_column_domain::=

column_properties_clause::=

create_multi_column_domain::=

default_clause::=

constraint_clause::=

annotations_clause::=

annotations_clause の完全な構文およびセマンティクスについては、「annotations_clause」を参照してください。

セマンティクス

IF NOT EXISTS

IF NOT EXISTSを指定すると、次の効果が得られます。

  • ドメインが存在していない場合は、文の最後に新しいドメインが作成されます。

  • ドメインが存在する場合、古いドメインが検出されるため、新しいドメインは作成されません。

CREATEとともにIF EXISTSを使用すると、Incorrect IF NOT EXISTS clause for CREATE statementというが発生します。

domain_name

domain_nameは、すべての型名と同じ制限に従います。また、ドメイン・スキーマ内のオブジェクトの名前、Oracle提供のデータ型の名前およびOracle提供のドメインの名前と競合しないようにする必要があります。

このような制限は、CDB環境内のPDBレベルで適用されます。

ドメインはスキーマ・レベルのカタログ・オブジェクトであるため、スキーマ・レベルのオブジェクト制限の対象になる点に注意してください。

datatype

datatypeは、次に示すようなOracle組込みデータ型であることが必要です。

  • CHAR(L [CHAR|BYTE])、NCHAR(L)、VARCHAR(L [CHAR|BYTE])、VARCHAR2(L [CHAR|BYTE])、NVARCHAR2(L)、LONG

  • NUMBER[p, [s]]FLOATBINARY_FLOATBINARY_DOUBLE

  • RAWLONG RAW (拡張を含む)

  • DATETIMESTAMP (WITH (LOCAL) TIME ZONE)INTERVAL

  • BFILEBLOBCLOBNCLOB

  • JSONネイティブ・データ型

  • BOOLEAN

STRICT

STRICTを指定する場合、ドメインにリンクされた表の列のデータ型制限は、対応するドメイン列と同じである必要があります。たとえば、ドメイン列のデータ型がNUMBER(10)の場合、NUMBER(10)として宣言された列にのみ関連付けることができます。NUMBER(9)またはNUMBER(11)の列にドメインを適用すると、型のエラーが発生します。

STRICTを省略すると、ドメインの制限以上の型の制限を持つ列にドメインをリンクできます。たとえば、データ型がNUMBER(10)の厳密でないドメインをデータ型がNUMBER(20)の列に適用できます。

列のデータ型を指定せずに列をドメインに関連付けると、STRICTセマンティクスが使用されます。

default_clause

ON NULL句を指定すると、暗黙的なNOT NULL制約が追加されます。

default_expression

default_expressionはドメイン式であることが必要です。また、ドメイン式に適用する場合は、指定のデータ型のデフォルト列式に対するすべての制限に従う必要があります。

  • default_expressionには、ドメイン参照を返すSQLファンクションやネストされたファンクション起動を含めることができません。また、副問合せ式にすることもできません。

  • default_expressionのデータ型は、ドメインの指定データ型と一致する必要があります。

  • ドメイン式としてのdefault_expressionは、表または列を参照できません。別のドメイン名は参照できません。

  • default_expressionは、シーケンスのNEXTVALおよびCURRVALを参照できます。PL/SQLファンクションは参照できません。

constraint_clause

ドメイン制約には、オプションの名前を指定できます。これらは、NOT NULL制約、NULL制約またはCHECK制約です。このような制約句は、列レベルとドメイン・レベルどちらでも複数指定できます。

ALTER DOMAINCHECK条件と式では、ドメイン列のみを参照できます。ドメインに単一の列がある場合、列名はドメイン名またはキーワードVALUEのどちらかになりますが、同じ式に列名としてドメイン名とVALUEの両方を含めることはできません。

constraint_nameはオプションです。指定する場合は、ドメインのスキーマ内(CDB環境の場合は指定のPDB内)の別の制約の名前と競合しないようにしてください。指定しない場合は、システム生成の名前が使用されます。ドメイン制約は、表および列レベルの制約と同じルールに従います。名前付きの表または列レベルの制約は、同じスキーマ内の別の制約の名前と一致させることはできません。ドメイン制約は、その名前を同じスキーマ内であっても表と共有できます。名前を列と共有でき、制約が定義されている表または列と同じ名前を持つことが可能です。

CHECK条件は、ドメイン論理条件であることが必要で、ドメイン式に変換されるCHECK制約に対するすべての制限に準拠する必要があります。

  • 列に対するCHECK制約は列のみを参照できるように、domain_nameのみを参照できます。ドメイン・スキーマ内であっても、表またはビューの列を参照できません。

  • 副問合せ式またはスカラー問合せ式は使用できません。

  • 条件では非決定ファンクション(CURRENT_DATEなど)やユーザー定義PL/SQLファンクションを参照できません。

  • CHECK IS JSON (STRICT)制約は使用できます。

    CHECK IS JSON(VALIDATE USING schema_constant_text)を使用できます。JSONスキーマを指定し、これを使用して、JSON列が指定されたスキーマ定義に従うことを検証できます。schema_constant_textには、JSONスキーマ・テキストを使用した定数リテラル、またはJSONスキーマ・テキストのバインド変数を指定できます。バインドはランタイム定数である必要があります。ドメインにすることはできません。

    VALIDATE USING schema_constraintを指定せずにIS JSON制約を使用すると、すべてのJSON値が受け入れられます。ただし、VALIDATE USING schema_constraintを使用してJSONスキーマを指定し、表の列に入力された入力データがスキーマに従っていない場合は、JSONスキーマ検証エラーが発生します。

    短縮構文を使用して、VALIDATE USING schema_constant_textでJSONスキーマを指定できます。

    表レベルおよび列レベルの制約と同様に、特定の表の列に対して指定できるJSON制約は1つのみです

  • CHECK制約条件は一度に1つの値に適用され、domain_nameに値を代入したCHECK条件がTRUEまたはUNKNOWNと評価された場合に、その制約条件が満たされます。

ドメイン制約は、任意の順序で適用できます。

NULL制約は、ドメインの値にNULLを許容することを意味します。これはデフォルトです。

constraint_stateが指定されていない場合、その制約はNOT DEFERABLE INITIALLY IMMEDIATEになります。

COLLATE

照合を指定すると、列レベルまたはスキーマ・レベルの照合のすべての制限に準拠するようになります。照合を指定した場合、データ型は文字データ型にする必要があります。

列の照合と異なる照合を持つドメインのマークが付いた列を含む表を作成すると、エラーが発生します。

列を列のドメインの照合と異なる照合に変更すると、エラーが発生します。

これにより、照合が指定されたドメインのすべての列は、そのドメインと同じ照合を持つという不変性が保証されます。照合が指定されていないときにデータ型が照合可能な場合は、列の照合が使用されます(指定されている場合)。それ以外の場合は、ドメインのスキーマで基礎となるデフォルトのデータ型照合が使用されます。

照合が指定されていないときにデータ型が照合可能な場合、列の照合が使用されます(指定されている場合)。

COLLATE句を指定できるのは、COMPATIBLE初期化パラメータが12.2以上に設定され、かつMAX_STRING_SIZE初期化パラメータがEXTENDEDに設定されている場合のみです。

display_expression

display_expressionは、ドメインの仕様に従ってデータを書式設定する場合に使用します。ドメイン・データ型として許容されている任意のデータ型にできます。display_expressionは、表またはビューの列、副問合せ、非決定ファンクションまたはPL/SQLファンクションが含まれていないドメイン式であることが必要です。domain_nameを参照できます。式の照合を指定しない場合、display_expressionは、ドメインの照合を使用します(指定されている場合)。

order_expression

order_expressionは、ドメイン仕様の値を順序付けして比較する場合に使用します。

order_expressionは、display_expressionsと同じ制限に従う必要があり、さらにバイトまたは文字に相当するデータ型であることも必要です。式のドメインにorder_expressionが指定されている場合は、domain_nameを式に置き換えたorder_expressionを返し、それ以外の場合は式を返します

annotations_clause

annotations_clauseの例については、末尾の例を参照してください。

注釈句のセマンティクスの詳細は、「annotations_clause」を参照してください。

CREATE FLEXIBLE DOMAINのFROM句

exprおよびcomparison_exprは、リストdomain_discriminant_column内のドメインの判別式の列を参照します。

フレキシブル・ドメインのFROM句はDECODEまたはCASE式であり、検索式では判別式の列名(CHOOSE DOMAIN USINGに続くリスト内)のみを参照し、結果式にはドメイン名とその後に続く列のリストのみが含まれます。結果式に含まれる列は、ドメイン列リスト(CREATE FLEXIBLE DOMAINに続くもの)の列のみである必要があります。

ドメインyear_of_birthの作成

次の例では、単一列ドメインyear_of_birthを作成します。CHECK制約によって、列の値が1900以上の整数であることを確認します。display句は、domain_displayへのコールの出力を19-YYまたは20-YYに書式設定します。ここで、YYは値の下2桁です。order句は、domain_orderへのコールを列値から1900を引いた値順にソートします。

CREATE DOMAIN year_of_birth AS NUMBER(4)
      CONSTRAINT CHECK ( (trunc(year_of_birth) = year_of_birth) and (year_of_birth >= 1900) ) 
      DISPLAY (CASE WHEN year_of_birth < 2000 THEN '19-' ELSE '20-' END) || MOD(year_of_birth, 100)
      ORDER year_of_birth-1900 ;

ドメインday_of_weekの作成

次の文は、単一列ドメインday_of_weekを作成します。CHECK制約によって、その値がMONTUEWEDTHUFRISATSUNのいずれかであることが確認されます。最初に遅延した句は、コミット時までこれらの値の検証を遅延します。order句を使用すると、domain_orderをコールするときに、値がアルファベット順ではなく曜日でソートされます。

CREATE DOMAIN day_of_week AS CHAR(3 CHAR)
   CONSTRAINT day_of_week_c
     CHECK (day_of_week IN ('MON', 'TUE', 'WED', 'THU', 'FRI', 'SAT', 'SUN'))   
   INITIALLY DEFERRED
   ORDER CASE day_of_week
      WHEN 'MON' THEN 0
      WHEN 'TUE' THEN 1
      WHEN 'WED' THEN 2
      WHEN 'THU' THEN 3
      WHEN 'FRI' THEN 4
      WHEN 'SAT' THEN 5
      WHEN 'SUN' THEN 6
      ELSE 7
  END;

23.3以降、データ型CHAR(L CHAR)の列を、Lの値を持つドメインに関連付けることができます。

ドメインemailの作成

次の例では、順序email_seqを作成します。次に、単一列ドメインemailを作成します。これにより、このドメインを持つ列にnullを挿入すると、順序を使用してnnn@domain.comという形式で電子メール・アドレスが生成されます。nnnは、順序によって生成される番号です。制約により、電子メール・アドレスの形式はsss@sss.sssとなり、sssは空白以外の文字になります。

display句は、domain_displayへのコールの出力を---sss.sssに書式設定します。sssは、@記号の後の空白以外の文字です。

CREATE SEQUENCE IF NOT EXISTS email_seq;

CREATE DOMAIN email AS VARCHAR2(30)  
    DEFAULT ON NULL email_seq.NEXTVAL || '@domain.com'
    CONSTRAINT EMAIL_C CHECK (REGEXP_LIKE (email, '^(\S+)\@(\S+)\.(\S+)$'))
    DISPLAY '---' || SUBSTR(email, INSTR(email, '@') + 1);

厳密なドメインdept_codesの作成

次の文は、ドメインdept_codesを作成します。CHECK制約によって、その値が200を除いた99より大きい値になります。値が"Domain Annotation"の注釈Titleを追加します。このドメインは、NUMBER(3)型の列でのみリンクできます。

CREATE DOMAIN dept_codes AS NUMBER(3) STRICT
      CONSTRAINT dept_chk CHECK (dept_codes > 99 AND dept_codes != 200) 
      ANNOTATIONS (Title 'Domain Annotation');

ドメインhourly_wagesの作成

次の文は、単一列ドメインhourly_wagesを作成します。このドメインを持つ列にnullを挿入する場合、デフォルトで15に設定されます。CHECK制約によって、値が7から1,000の間であることが確認されます。

display句は、domain_displayをコールするときに$999.99の形式で値を戻します。order句の値に負の1を乗算するため、domain_orderでソートすると高から低の順にソートされます。これには値が"Domain Annotation"の注釈Titleが含まれています。

CREATE DOMAIN hourly_wages AS NUMBER(10)
       DEFAULT ON NULL 15
       CONSTRAINT minimal_wage_c
         CHECK (hourly_wages >= 7 and hourly_wages <=1000) ENABLE
       DISPLAY TO_CHAR(hourly_wages, '$999.99')
       ORDER ( -1*hourly_wages )
       ANNOTATIONS (Title 'Domain Annotation');
 

列およびドメイン・レベルでの複数列ドメインUS_Cityへの注釈の追加

次の文は、複数列ドメインUS_cityを作成します。これには、namestateおよびzipの3つの列があります。すべての列にAddress注釈があります。

CHECK制約により、州に対して許可される値がCAAZおよびTXで、zipが100000より小さいことが確認されます。display句は、||', '|| state ||', '||TO_CHAR(zip)という書式名でdomain_displayへのコールを戻します。

order句は、domain_orderへのコールを、州、郵便番号、名前を連結してソートします。ドメインには、値が"Domain Annotation"のオブジェクト・レベルの注釈Titleと、値なしの3つの列レベルの注釈Addressが列ごとに1つずつあります。

CREATE DOMAIN US_city AS
  (
    name  AS VARCHAR2(30) ANNOTATIONS (Address),
    state AS VARCHAR2(2) ANNOTATIONS (Address),
    zip AS NUMBER ANNOTATIONS (Address)
  )
  CONSTRAINT City_CK CHECK(state in ('CA','AZ','TX') and zip < 100000)
  DISPLAY name||', '|| state ||', '||TO_CHAR(zip)
  ORDER state||', '||TO_CHAR(zip)||', '||name
  ANNOTATIONS (Title 'Domain Annotation');

フレキシブル・ドメインの作成

次の例では、フレキシブル・ドメインexpense_detailsを作成します。これを実行するには、まずドメインflight_detailsmeals_detailsおよびlodging_detailsを作成する必要があります。これらはCHECK制約がある複数列ドメインであり、ドメイン列に経費タイプの適切な値が格納されるようにします。

flight_detailsの場合、これはflight_numがダッシュで区切られた2つの文字列であり、出発地と目的地の両方が3つの文字列であることを意味します。

meals_detailsの場合、レストランは必須で、meal_typeBreakfastLunchまたはDinnerのいずれかであり、diner_countはnullではありません。

lodging_detailsの場合、hotelはnull以外で、nights_countはゼロより大きい必要があります。

フレキシブル・ドメインexpense_detailsは、typ列の値に基づいてこれらを選択します。

FROM DECODEの例の場合:

  • typ = Flightの場合、flight_detailsドメインが使用されます。フレキシブル・ドメイン列val1val2およびval3は、flight_detailsドメインのflight_numoriginおよびdestinationにマップされます。

  • typ = Mealsの場合、meals_detailsドメインが使用されます。フレキシブル・ドメイン列val1val2およびval4は、meals_detailsドメインのrestaurantmeal_typeおよびdiner_countにそれぞれマップされます。

  • typ = Lodgingの場合、lodging_detailsドメインが使用されます。フレキシブル・ドメイン列val1およびval4は、それぞれlodging_detailsドメインのhotelおよびnights_countにマップされます。

FROM CASEフレキシブル・ドメインの場合:

  • typが文字A-Gで始まる場合、flight_detailsドメインが使用されます。

  • typ = Mealsの場合、meals_detailsドメインが使用されます。

  • typがLodgで始まる場合、lodging_detailsドメインが使用されます。

列マッピングは、FROM DECODEの例と同じです。

ドメインflight_detailsの作成

CREATE DOMAIN flight_details AS
  (
   flight_num AS VARCHAR2(100) NOT NULL,
   origin AS VARCHAR2(200)
     CONSTRAINT origin_3_char_c CHECK (LENGTH(origin) = 3),
   destination AS VARCHAR2(200)
     CONSTRAINT dest_3_char_c CHECK (LENGTH(destination) = 3)
  )
  CONSTRAINT flight_c
    CHECK
      (
        flight_num LIKE '%-%' AND
        origin IS NOT NULL AND
        destination IS NOT NULL
      )
  CONSTRAINT origin_dest_different_c
    CHECK (origin <> destination)
  DISPLAY flight_num||', '||origin||', '||destination
  ORDER flight_num||destination;

ドメインmeals_detailsの作成

CREATE DOMAIN meals_details AS
    (
       restaurant AS VARCHAR2(100) NOT NULL,
       meal_type AS VARCHAR2(200),
       diner_count AS NUMBER
    )
    CONSTRAINT meals_c
      CHECK
       (
         restaurant IS NOT NULL AND
         meal_type IN ('Breakfast', 'Lunch', 'Dinner') AND
         diner_count IS NOT NULL
       )
    DISPLAY meal_type||', '||restaurant||', '||diner_count;

ドメインlodging_detailsの作成

 CREATE DOMAIN lodging_details AS
    (
      hotel AS VARCHAR2(100) NOT NULL,
      nights_count AS NUMBER
    )
    CONSTRAINT lodging_c
     CHECK (hotel IS NOT NULL AND nights_count > 0)
    DISPLAY hotel||', '||nights_count;

FROM DECODEを使用したフレキシブル・ドメインexpense_detailsの作成

CREATE FLEXIBLE DOMAIN expense_details (val1, val2, val3, val4)
    CHOOSE DOMAIN USING (typ VARCHAR2(10))
    FROM DECODE(typ,
              'Flight', flight_details(val1, val2, val3),
              'Meals', meals_details(val1, val2, val4),
              'Lodging', lodging_details(val1, val4));

FROM CASEを使用したフレキシブル・ドメインexpense_detailsの作成

CREATE FLEXIBLE DOMAIN expense_details (val1, val2, val3, val4)
    CHOOSE DOMAIN USING(typ VARCHAR2(10))
    FROM CASE
        WHEN typ BETWEEN 'A' AND 'G' THEN flight_details(val1, val2, val3)
        WHEN typ = 'Meals' THEN meals_details(val1, val2, val4)
        WHEN typ LIKE 'Lodg%' THEN lodging_details(val1, val4)
      END;

検証用のJSONスキーマを指定するドメインの作成

次の例では、値が、指定されたJSONスキーマに準拠するJSONオブジェクトであることをチェックする制約を使用して、タイプJSONのドメインw2_formを作成します。CHECK制約では、IS JSON VALIDATE USING schema_constant_textを使用します:

CREATE DOMAIN w2_form AS JSON CONSTRAINT CHECK (VALUE IS JSON VALIDATE USING 
'{ 
  "title": "W2_form",
  "type": "object",
  "properties": {
  "social_security_number": {
  "type": "string",
  "description": "The person social security number."
 },
 "wages": {
 "description": "total wages",
 "type": "number",
 "minimum": 0
 },
 "social_security_wages": {
 "type": "number",
 "description": "wages subject to social security tax" 
 },
 "Federal Income Tax Withheld": {
 "type": "number",
 "description": "withheld of tax to federal income tax"
 },
 "Social Security Tax Withheld": {
 "type": "number",
 "description": "withheld of social security tax"
 }
 },
 "required": ["social_security_number", "wages", "Federal Income Tax Withheld"]
 }'
 );

次の文では、そのコンテンツがドメインw2_formで定義されたスキーマに準拠するように、列w2_formがドメインw2_formに関連付けられている表tax_reportを作成します:

CREATE TABLE tax_report(id NUMBER, income JSON DOMAIN w2_form);

データがincome列に挿入される前に、JSONスキーマに対してチェックされます。データが有効でない場合、エラーが発生します。

有効なデータの例:

INSERT INTO tax_report VALUES 
  (1, '{"wages": 100, "social_security_number": "111", "Federal Income Tax Withheld":10}'
   );
1 row created

無効なデータの例:

INSERT INTO tax_report VALUES 
  (2, '{"wages": 100}'
   );
ERROR at line 1:
ORA-40875: JSON schema validation error

短縮構文を使用したJSONスキーマを指定するドメインの作成

CREATE DOMAIN w2_form AS JSON VALIDATE USING
'{
  "title": "W2_form",
  "type": "object",
  "properties": {
  "social_security_number": {
  "type": "string",
  "description": "The person social security number."
 },
 "wages": {
 "description": "total wages",
 "type": "number",
 "minimum": 0
 },
 "social_security_wages": {
 "type": "number",
 "description": "wages subject to social security tax"
 },
 "Federal Income Tax Withheld": {
 "type": "number",
 "description": "withheld of tax to federal income tax"
 },
 "Social Security Tax Withheld": {
 "type": "number",
 "description": "withheld of social security tax"
 }
 },
 "required": ["social_security_number", "wages", "Federal Income Tax Withheld"]
 }';

例: JSONとして格納された注釈を使用してドメインを作成し、その値を問い合せる

次の例では、ネストされたJSONオブジェクトを含むJSON文字列として指定された注釈allowed_operationsを使用してドメインを作成します:

CREATE DOMAIN email AS VARCHAR2(30)  
    CONSTRAINT EMAIL_C CHECK (REGEXP_LIKE (email, '^(\S+)\@(\S+)\.(\S+)$'))
    DISPLAY '---' || SUBSTR(email, INSTR(email, '@') + 1)
    ANNOTATIONS(allowed_operations 
'{
    "allowed_operations": {
        "title": "Allowed operations",
        "operations": [
            "Sort",
            "Group By",
            "Picklist"
        ]
    }
}');

これで、次の問合せを実行して、注釈allowed_operationsの値を取得できます:

    SELECT jt.* FROM user_annotations_usage, 
    JSON_TABLE(annotation_value, '$.allowed_operations.operations[*]' 
    COLUMNS (value VARCHAR2(50 CHAR) PATH '$')) jt   
    WHERE annotation_name='ALLOWEDOPERATIONS';

出力は次のとおりです:

VALUE
----------------------------------------
Sort
Group By
Picklist

例: JSONとして格納された注釈を使用してドメインを作成し、その値を問い合せる

次の例では、使用可能な表示単位を格納するために配列を含むJSON文字列として指定された注釈display_unitsを使用してドメインを作成します:

CREATE DOMAIN temperature AS NUMBER(3)
ANNOTATIONS (display_units '{ "units": ["celsius", "fahrenheit"] }');

これで、注釈の値を問い合せることができます:

SELECT jt.* FROM user_annotations_usage, 
JSON_TABLE(annotation_value, '$[*]' 
COLUMNS (value VARCHAR2(30 CHAR) PATH '$')) jt 
WHERE annotation_name='DISPLAYUNITS';

出力は次のとおりです:

VALUE
--------------------------------------------
celsius
fahrenheit