ALTER TABLE文

ALTER TABLE文の使用によってスキーマが進化するときのNoSQL Databaseの動作は、主に、大規模なデータセット(レコード数が数百億から数千億)用に設計されています。簡単に述べると、ビッグ・データは、大規模で複雑なデータセットであり、特に、新しいデータ・ソースから取得されます。これらのデータセットは非常に大きく、従来のデータ処理ソフトウェアでは管理できません。しかし、このような大量のデータは、これまで対応できなかったビジネス上の問題に対処するために使用されます。したがって、ALTER TABLE文を使用して表スキーマを変更したときには、NoSQL Databaseによって表内のすべてのレコードが変更されそれらがディスクに書き戻されるわけではありません。そうではなく、デフォルト値の概念が採用されており、その値は、前のバージョンのスキーマで書き込まれたデータがリーダーで読み取られたときに挿入されます。

ただし、アイデンティティ列の場合は、レコードの書込み以外に値を生成する方法がないため、ユーザーが表を変更しアイデンティティ列を追加したときには、その表より前に書き込まれたレコードのその列が読み取られると、そのアイデンティティ列の値がnullになります。

alter tableコマンドを使用すると、次の操作を実行できます。
  • 表スキーマへのスキーマ・フィールドの追加
  • 表スキーマからのスキーマ・フィールドの削除
  • 表スキーマのスキーマ・フィールドの変更
  • リージョンの追加
  • リージョンの削除
  • アイデンティティ定義の変更
  • アイデンティティの削除
  • 表の存続時間値の変更

1つのコマンドで指定できる操作のタイプは1つだけです。たとえば、スキーマ・フィールドの削除とTTL値の設定を一緒に行うことはできません。

構文

alter_table_statement ::= 
   ALTER TABLE name_path (alter_field_statements | ttl_definition)

alter_field_statements ::= 
   "(" alter_field_statement ("," alter_field_statement)* ")"

alter_field_statement ::= 
   add_field_statement | drop_field_statement | modify_field_statement | alter_regions_statement

add_field_statement ::= 
   ADD schema_path type_definition 
   [default_definition | identity_definition | uuid_definition | mr_counter_definition]
   [comment]

drop_field_statement ::= DROP schema_path

modify_field_statement ::= 
   (MODIFY schema_path identity_definition) | 
   (DROP IDENTITY)

alter_regions_statement ::= add_regions_statement | drop_regions_statement

add_regions_statement ::= ADD REGIONS region_names

drop_regions_statement ::= DROP REGIONS region_names

region_names ::= region_name ["," region_name]*

schema_path ::= init_schema_path_step ("." schema_path_step)*
init_schema_path_step ::= id ("[" "]")*
    schema_path_step ::= id ("[" "]")* | VALUES "(" ")"

セマンティクス

modify_field_statement

MODIFYキーワードを使用して、アイデンティティ列のみを変更できます。

add_field_statement
フィールドを追加しても、表内の既存の行には影響しません。フィールドを追加すると、そのデフォルト値またはNULLが、このフィールドを含まない既存の行で、このフィールドの値として使用されます。追加するフィールドは、最上位フィールド(つまり、表の列)にすることも、階層表スキーマ内で深くネストすることもできます。その結果、フィールドはパスを介して指定されます。パス構文は、問合せで使用されるもののサブセットであり、パス式の項で説明します。

ノート:

mr_counter_definitionパラメータは、列の型をMR_COUNTERデータ型として宣言します。このデータ型は、複数リージョン表でのみ使用できます。
drop_field_statement

フィールドを削除しても、表内の既存の行には影響しません。フィールドが削除されると、そのフィールドを含む既存の行内で非表示になります。削除するフィールドは、最上位フィールド(つまり、表の列)にすることも、階層表スキーマ内で深くネストすることもできます。その結果、フィールドはパスを介して指定されます。パス構文は、問合せで使用されるもののサブセットであり、パス式の項で説明します。

add_regions_statement
リージョンの追加句を使用すると、マルチリージョンのOracle NoSQL Database環境で既存のMR表を新しいリージョンとリンクできます。この句は、MR表を新しいリージョンに拡張するときに使用されます。管理者ガイドユースケース2: マルチリージョン表の拡張を参照してください。

ノート:

この句はMR子表では機能しません。かわりに、親表を変更して新しいリージョンを追加します。これにより、階層内のすべての子表にそのリージョンが自動的に追加されます。
drop_regions_statement

リージョンの削除句を使用すると、マルチリージョンのOracle NoSQL Database環境で参加リージョンから既存のMR表を切断できます。この句は、MR表をより少ないリージョンに縮小するときに使用されます。管理者ガイドユースケース3: 複数リージョン表の縮小を参照してください。

例5-12 表の変更

次の例では、other_namesに格納されている名前にミドル・ネームを追加します。

ALTER TABLE users (ADD otherNames[].middle STRING);

例5-13 表の変更

次の例では、表のTTLを5時間に変更します。

ALTER TABLE users USING TTL 5 days;