Formsスタンドアロン・ランチャ
Formsスタンドアロン・ランチャ(スタンドアロンまたはFSALとも呼ばれる)は、ブラウザなしでアプリケーションを起動できるユーティリティです。
FSALを使用すると、ネイティブ・アプリケーションの外観と機能が提供されます。アプリケーションは独自のウィンドウで実行され、集中管理されたアプリケーション・サーバー(WebLogic Serverなど)でホストされます。これにより、Formsアプリケーション・モジュールはこのリモート中間層サーバーに安全に格納されます。ユーザーは、FMX、MMX、PLXなどのリモート・サーバー上にあるFormsモジュールに直接アクセスすることはできませんが、URLを使用してこれらのアプリケーションを実行できます。
FSALを使用すると、イベント駆動型のシングル・サインオフを除いて、ブラウザでフォームを実行するときに使用できる機能と同じ機能が提供されます。
FSALに対するJavaScript統合サポートは、デフォルトでは存在しません。ただし、提供されたアドオンおよびサード・パーティ・ライブラリ(Eclipse/Jetty)でJS統合が有効化されます。詳細は、「Java Web StartとFormsスタンドアロン・ランチャに対するフォームとJavaScript統合」を参照してください。
要件
FSALを使用するための要件は次のとおりです:
frmsal.jar
- このファイルはFormsスタンドアロン・ランチャであり、エンド・ユーザー・マシン、できればユーザーのホーム・ディレクトリに格納する必要があります。あるいは、ユーザーが自分のマシンの他のディレクトリへのアクセス権を持つ場合は、ファイルをそのディレクトリに格納できます。ファイルは、ORACLE_HOME\forms\java
ディレクトリのサーバーにステージングされます。ファイルは、適切な方法(Webダウンロード、電子メールまたはftpなど)を使用してエンド・ユーザーのマシンに転送できます。このファイルはバージョン固有であり、他のFormsバージョンまたはパッチ・レベルで使用することはできません。チェックサムは、ランチャ(
frmsal.jar
)ファイルがサーバーとそのFormsバージョンと正しく一致していること、および誤って置き換えられていないか、悪意がある方法で置き換えられていないことを確認するために使用されます。そのため、Windowsサーバーからfrmsal.jar
をダウンロードして、UNIXサーバーに対してアプリケーションを実行するために使用することはできません。FSALは、Windows、Unix、Linux、またはApple Macで使用できます。基本的に、Oracle Javaの実行をサポートする任意のプラットフォームです。
すべてのインストールに、ランチャの使用方法を説明し、
frmsal.jar
ファイルのダウンロード・リンクを指定する使用方法のページが含まれます。管理者は、必要に応じてこのページを無効化、削除または編集できます。https://example.com/forms/html/fsal.htm
に移動してページを表示します。- Java - FSALはJavaアプリケーションであるため、ユーザーのマシンにはOracle Javaが必要です。FSALは、Javaアプリケーションの実行をサポートし、Formsのバージョンに対して動作保証されているすべてのOracle Javaディストリビューションの使用をサポートします。使用するバージョンが、使用しているFormsバージョンに対して動作保証されていることを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成のページを確認してください。
いくつかの使用可能なJavaディストリビューション・タイプがあります。アプリケーションのニーズに応じて、選択するディストリビューションは異なる場合があります。本番環境に移行する前に、選択したOracle Javaインストールの内容を確認し、アプリケーションを十分にテストすることをお薦めします。ほとんどのエンド・ユーザー・プラットフォームで使用可能で、FSALの実行に使用できるディストリビューションは、次のとおりです:
- JRE (Java Runtime Environment) - JREでは、通常のエンド・ユーザーに必要なほとんどのコンポーネントがインストールされます。これには、ローカルJavaアプリケーションの実行に必要なすべてに加えて、Java Web StartやJava Plug-inなどのJavaデプロイメント・コンポーネントも含まれます。Javaデプロイメント・コンポーネントは、Java 8より後のリリースでは使用できない可能性があります。
- JDK (Java Development Kit) - JDKはJava開発者向けで、通常、ユーザーが必要とする以上のコンポーネントが含まれています。JDKには、Javaアプリケーションを開発、デバッグおよび監視するためのJREおよびその他のツールが含まれています。
- サーバーJRE (Java 8のみ) - サーバーJREは、主にJavaアプリケーションをサーバーにデプロイするために使用します。これには、JVMモニタリングおよびサーバー・アプリケーションのツールが含まれていますが、ブラウザ統合(Java Plug-in)、Java Web Start、自動更新またはインストーラは含まれていません。このディストリビューションは、手動で抽出する必要があるzipファイルとして提供されます。
ノート:
Javaバージョン11以降では、Javaユーティリティのjlink、jpackageおよびjdepsを組み合せて使用して、カスタマイズしたJREを作成できます。結果のJREは、完全なディストリビューションよりはるかに小さくなります。これらのユーティリティを使用してカスタムのJREおよびインストール・パッケージ(必要な場合)を作成する方法の詳細は、Java 11以降のドキュメントを参照してください。
FSALの実行
このFSALを使用するには、用意されている構成例(standaloneapp
という名前)を使用するか、独自の構成を作成します。アプリケーションは、コマンドラインまたはカスタム・スクリプトからコールできます。
FSALは、ブラウザと同様、実行するアプリケーションの場所を認識している必要があります。完全なFormsアプリケーションのURLを認識している必要があります。
すべてのコマンドライン引数およびその他の使用方法に関する情報のリストについては、インストールで利用可能なFSAL使用方法のページ(http://<Your Forms server>/forms/html/FSAL.htm
)を参照してください。
ノート:
Java 11以降とFSALを使用し、アプリケーションでFormsオーディオ・サポートを使用している場合は、追加の構成が必要です。ユーザーのマシンで、次のステップを完了します:
- https://gluonhq.com/products/javafxからJava FXバージョン11+をダウンロードし、ファイルを抽出します。
- FSALをオーディオ・サポートとともに実行するには、起動コマンドを変更してください。次に例を示します。
java --module-path <PATH TO JFX\lib> --add-modules=javafx.media,javafx.swing --add-exports=java.desktop/sun.swing=javafx.swing -jar frmsal.jar -url "http://<server:port>/forms/frmservlet?config=standaloneapp"
現在、URLリダイレクトまたはリライトの使用はサポートされていませんが、サーバーの構成によっては技術的に可能です。FSALは、Forms環境を指す完全修飾URLを受け取る必要があります。
FSALを使用してアプリケーションを起動するには、次のステップを実行します。
- シェル(Microsoft WindowsのDOSなど)を開き、必要なJavaバージョンがインストールされていることを確認します。
java –version
結果に、必要なJavaバージョンが示されます。示されていない場合は、システムのPATHが正しく設定されているかどうか確認します。
- ユーザーのホーム・ディレクトリ(または
frmsal.jar
ファイルが格納されているディレクトリ)に切り替えて、次のコマンドを実行します。java -jar frmsal.jar -url "https://<server>/forms/frmservlet?config=standaloneapp"
このコマンドで、<server>を使用するサーバーの詳細に置き換えます。次に例を示します。
java –jar frmsal.jar –url "https://example.com/forms/frmservlet?config=standaloneapp"
サーバーでSSLを実行せず、HTTPを使用している場合は、推測されるhttp://をURLエントリから省略しても構いません。
standaloneapp
というタイトルの構成セクションに関連付けられたアプリケーションが実行されます。提供されている例にあるエントリが含まれているすべての構成セクションを使用できます。 - サーバーでSSL/TLSが有効になっており、アプリケーションのURLでHTTPSが使用されている場合、サーバーの証明書の識別に使用される必要な公開証明書が
formstruststore
という名前のカスタムJavaトラストストアにすでに格納されている必要があります。必要なサーバー証明書がユーザーのFormsトラストストアに含まれていない場合は、インポートするよう求められます。証明書をインポートする権限を付与すると、FSALによって証明書がインポートされて、Formsトラストストアに格納されます。アプリケーションによって必要なロードが続行されます。権限を付与しない場合、セッションは終了します。
トラストストアは、ユーザーのホーム・ディレクトリ
<User Home>\Oracle\forms
のサブディレクトリにあります。これは標準のJavaトラストストア・ファイルであるため、必要に応じてこのファイルの管理に標準のJavaツールを使用できます。ノート:
Forms証明書インポータのプロンプトは、-cert_truststore java
スイッチを含めることで無効にできます。これを行うには、証明書をJavaのデフォルト・キーストアに手動で挿入する必要があります。
アプリケーションの起動に使用されるシェルに、出力が表示されます。シェルを閉じるとアプリケーションが終了するため、セッション存続中は、シェルを開いたままにしてください。
ノート:
この動作は、様々なシェル・コマンドや関連するスイッチを使用してニーズに対応できるように変更できます。プラットフォームでのコマンド・シェルの使用の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。