37.4 リアルタイムのスコアリング

SQL問合せを実行して、リアルタイムのスコアリングを実行できます。例は、PREDICTION_PROBABILITY関数を使用したリアルタイム問合せを示しています。結果に基づいて、顧客担当は顧客にバリュー・カードを提案できます。

Oracle Machine Learning for SQLのファンクションでは、稼働中の本番システムや業務系システムに簡単に組み込むことが可能な、予測、クラスタリングおよび特徴抽出の分析を行うことができます。機械学習の結果はSQL問合せ内で戻されるため、機械学習はリアルタイムで実行できます。

リアルタイムのスコアリングでは、販売時点のデータベース・トランザクションをマイニングできます。現場の従業員がより適切な分析的判断を下すために役立つ予測やルール・セットを生成することが可能です。リアルタイムのスコアリングによって、不正の検知、潜在的負債の判別、マーケティングや販売の好機の把握ができるようになります。

次の例では、dt_sh_clas_sampleというデシジョン・ツリー・モデルを使用して、顧客101488がアフィニティ・カードを使用する確率を予測しています。顧客担当者は、電話でこの顧客と会話しているときに、リアルタイムでこの情報を取得できます。問合せの結果によれば、顧客がカードを使用する確率は73%であるため、担当者は付加価値の高いカードを提案することができます。このモデルはoml4sql-classification-decision-tree.sqlの例で作成します。

例37-12 予測確率を求めるリアルタイムの問合せ

SELECT PREDICTION_PROBABILITY(dt_sh_clas_sample, 1 USING *) cust_card_prob
       FROM mining_data_apply_v
       WHERE cust_id = 101488;

出力内容は次のようになります。


CUST_CARD_PROB
--------------
        .72764