業界共通の一般的なユースケース

業界を問わず、ほとんどの企業に、顧客、製品、設備および従業員が存在します。これらは、各領域でのユースケースの例であり、お客様の企業に当てはまる可能性があります。

ノート:

このドキュメントでは、これらのフォーカス領域ごとに1つのユースケースを取り上げています。


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図use_cases_cross_industry.pngの説明

次の図は、ユースケース例に適用できる手法を示しています。


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図use-cases-techniques.pngの説明

次の表では、業界共通の一般的な領域での1つのユースケースと、適用可能なOML手法とアルゴリズムについて概要を示します。

領域 ユースケース 問題の説明 データ 適用可能な手法とアルゴリズム 関連リソース

顧客

顧客生涯価値

顧客生涯価値(LTV)を計算すると、顧客の全生涯にわたる購入によって企業が顧客から得られる潜在的利益の特定に役立ちます。それにより、企業は、短期的な利益のみでなく、消費者との長期的な結び付きに意識を向けることができるようになります。企業は、将来の顧客支出額を予測してから、時間を考慮してその数値を変更し、その結果、LTVを特定します。これにより、企業が、どの消費者が最も重要であるかと、マーケティングや消費者との関係の維持にどのように資金を配分するのが最善であるかを選択できるようになります。Wikipediaの「Customer Lifetime Value」を参照してください。

SHスキーマ

  • 分類
  • 回帰

OML Notebooks例:

  • Run-me-first OML Notebooks例では、様々なユースケースで使用できる顧客データを準備します。

製品

クロスセル

クロスセルは、企業が現在の顧客に製品やサービスを追加で提案する営業手法です。目標は、売上を増やすことと、顧客との関係を強めることです。クロスセルの定義は、企業ごとに異なり、企業の規模、事業を展開する業界、財務目標などによって形作られる可能性があります。

クロスセルの主な目的は、顧客に有用かつ関連性の高い製品を提供することで、顧客の支出額を高めるか、ロイヤルティを高めることです。企業は、組織内で別々のチームがそれに取り組むか、パートナー組織と協力して共同販売の機会を探ることで、この戦略を使用できます。企業は、新しい製品やサービスが顧客に価値をもたらすことを確かめる必要があります。

大企業は、多くの場合、クロスセル戦略とアップセル戦略を併用して収益を増やします。顧客に、関連製品とともに、より高価な品目の購入を検討するよう促します。

Wikipediaの「Cross-Selling」を参照してください。

SHスキーマ

相関ルール

ブログ:

Real Time Association Rules Recommendation Engine

設備

予知保全

メーカーは、設備のメンテナンスを適切なタイミングで計画して、交換コストの削減、故障の防止、ダウンタイムの最小化を実現する必要があります。時間、使用状況、センサー・データ(気候や震動など)を使用して意思決定の指針を示します。十分な時間がある状態で故障を予測して有意義な対応を行うことは、大きな難題です。たとえば、サービスの予約に1週間かかる場合は、24時間前に故障の警告が発生しても役に立ちません。

予測の判断材料としては、通常は、設備の詳細(型、製造元、稼働日、最終メンテナンス、場所など)、設備固有のセンサー・データ(震動、温度、圧力など)、および環境データ(周囲湿度、温度、屋内または屋外など)があります。ターゲット定義(予測対象)が、現在の状況に対して適切である必要があります。たとえば、このようなターゲットの1つとして、"failed within 5 to 7 days" (5から7日以内に故障)というラベルが付いた指標(0/1)変数が挙げられます。

分類

一般的なアルゴリズムとしては、サポート・ベクター・マシン(SVM)、一般化線形モデル(GLM)、Naive Bayesディシジョン・ツリーニューラル・ネットワークXGBoostがあります。

ブログ:

従業員

保持

従業員が会社を辞めると、新しい従業員を見つけてトレーニングするために多額の費用がかかります。誰が辞めるかや、なぜ辞めるかを知ることは困難です。それらのことは、会社の業務効率に影響を与える可能性があります。このユースケースは、離反リスクを予測し、保持戦略を提案することを目的としています。企業が顧客により多くのサービスを提供することで顧客を維持しようとするように、ここでは、従業員の維持に関して取り組みます。目標は、企業が早めに対応して従業員の退職を阻止できるようにすることです。

従業員レコードを含むHRスキーマ・データ。

通常、機械学習モデルでは、従業員に関する情報(勤務時間、給与、業務の遂行状況、満足度など)が調査されます。年齢、昇進したかどうか、欠勤の頻度、外部にどのような仕事があるかなどの詳細も使用されます。退職者面接やアンケートからのテキストも含めることができます。

分類

一般的なアルゴリズムとしては、XGBoostランダム・フォレストデシジョン・ツリーニューラル・ネットワークがあります。

ブログ: