31 アクセシビリティ対応のPDF出力の生成
アクセシビリティ対応のPDF出力は、ドキュメント・タイトルおよびPDFタグを含む構造化されたドキュメントです。段落、リンク、イメージ、表、リスト要素は、アクセシビリティ対応のPDFドキュメントにタグ付けされます。
前提条件
特定のレポートのレポート・レベルまたはすべてのPDF出力のグローバル・レベルで、アクセシビリティ対応のPDF出力を生成するためのプロパティを設定します。レポートに対するアクセシビリティ対応のPDF出力の構成を参照してください。
要件および制限事項
要素 | 要件 | 制限事項 |
---|---|---|
テキスト |
見出し1、見出し2、見出し3などの見出しスタイルを使用してテキストに書式を設定します。 |
行を両端揃えにすると、スクリーン・リーダーが単語間のスペースを正しく見つけられない場合があるため、テキストを両端揃えにしないでください。 |
表 |
表にはヘッダーが必要です。PDF/UA標準では、ヘッダーを追加することが薦められています。Adobe Acrobatではヘッダーなしの表がエラーとして表示されます。 表サマリーを追加すると、PDFドキュメントの表の属性として要約が追加されます。ただし、PDF/UA形式では要約は必須ではありません。 |
レイアウト目的で表を使用しないでください。表がデータ表またはレイアウト表のどちらで使用されていても、すべての表が表としてタグ付けされます。 colspanやrowspanは使用しないでください。PDF/UA形式ではスパンを使用できますが、Acrobatではスパンが指定された表がエラー(不規則な表)になります。 |
イメージ |
すべてのイメージに代替テキストを追加します。 |
該当なし |
ドキュメント |
21ページを超える出力が予想される場合はブックマークを作成します。PDF/UA形式ではブックマークは必須ではありませんが、Acrobatではブックマークがない大きなドキュメントはエラーになります。 ドキュメントのタイトルを追加します。テンプレートにタイトルを追加したり、 |
該当なし |
ヘッダーおよびフッター |
ヘッダーおよびフッターはページ区切りの情報を表示するためにのみ使用します。 |
ヘッダーまたはフッター・セクションには、ページ番号以外の情報を含めないでください。ヘッダーとフッターは「アーティファクト」としてマークされ、これらのアーティファクトはISO 14289 7.4標準に従ってスクリーン・リーダーでは読み上げられません。 |
静的コンテンツ | 該当なし |
静的コンテンツに表、リスト、またはリンク要素を含めないでください。静的コンテンツ領域全体が1つの段落としてタグ付けされます。 |
グラフィック | 該当なし |
RTFテンプレートでRTFのWord Shape機能を使用しないでください。図ではなくアーティファクトとしてマークされている一部のWord Shapeオブジェクトはスクリーン・リーダーで読み上げることができません。 |
フォント |
Adobeコア記号フォントが出力で使用されないようにするために、SymbolフォントをTrueTypeフォントにマップします。 |
相当するTrueTypeフォントがないため、Dingbatフォントは使用しないでください。Adobeアクセシビリティ・チェッカでは、エンコーディング・パラメータが設定されていないフォントを使用すると警告メッセージが表示されます。 |
PDF/UA-1 (ISO 14289-1:2014)は普遍的なアクセシビリティのための標準です。PDF/UAフォーマットでは、出力で使用するすべてのフォントをドキュメントに埋め込む必要があります。そのため、PDF/UA形式のレポート出力は元のレポートと外観が異なる場合があり、PDF/UA形式の出力のファイル・サイズは元のレポートより大きくなる場合があります。
出力形式としてPDF/UAを選択した場合、または「アクセス可能なPDF出力にPDF/UA形式を使用」ランタイム・プロパティをtrueに変更し、PDFをアクセス可能モードで生成した場合、PDFビューアで使用可能なPDF標準フォント(Helvetica、Courier、Timesなど)は使用されないため、レポート出力のルック・アンド・フィールは同じテンプレートからのPDF出力とは異なる場合があります。Publisherでは、PDF/UA、PDF/AおよびPDF/XのType1フォントはロードされません。