PDF/A出力の生成

PDF/AはPDFファイル形式の一種で、電子ドキュメントの長期保存向けに設計されています。一部の政府機関や標準化組織では、文書を確実に保存するためにPDF/Aの使用が要求されます。PDF/Aファイルは、Adobe ReaderなどのPDFビューアで表示できるPDFファイルですが、ISO標準で指定されている追加要件に従う必要があります。これらの要件では、必須オブジェクトと、長期アーカイブではサポートされていない機能の両方が指定されます。PDF/A標準のバリエーションPDF/A-1A、PDF/A-1B、PDF/A-2AまたはPDF/A-2Bを生成できます。

要件および制限事項

PDF/A出力には、特定の要件および制限事項があります。

PDF/A出力の生成に関する制限事項および要件は、次のとおりです。

  • サポートされるテンプレート・タイプ: RTF、FO、XPTおよびXSL。

  • フォント要件: デフォルトでは、テンプレート内のすべてのフォントは出力時にAlbanyフォントに置換されます。出力で異なるフォントを使用するには、レポートの構成でフォント・マッピングを指定します。JVMフォント・ディレクトリにAlbanyフォントがなく、フォント・マッピングを指定していない場合、出力は有効なPDF/Aファイルにはなりません。この場合、Helveticaフォントが使用されます。

  • 次のPDF機能は、PDF/Aドキュメントではサポートされません。

    • オーディオおよびビデオ・コンテンツすべて(Flash埋込みコンテンツを含む)

    • 透過性(透明色は不透明なものとしてレンダリングされます)透過性をサポートするには、PDF/A–2Bを使用してください。

    • 暗号化

  • ユーティリティによる再処理はサポートされません: ユーティリティPDFBookBinder、PDFDocMergerまたはPDFSignature (デジタル署名)を使用したPDF/Aファイルの再処理はサポートされません。再処理されたPDFファイルは、PDF/A標準への適合性が失われる可能性があります。

  • 必須レポート構成プロパティ: レポートの実行時プロパティは、次の表に示すとおりに設定する必要があります。

    プロパティ 必須設定

    pdf-version

    1.4以降である必要があります。

    PDFセキュリティ有効化

    (pdf-security)

    Falseに設定する必要があります。

    暗号化レベル

    (pdf-encryption-level)

    0に設定する必要があります。

    pdf-font-embedding

    Trueに設定する必要があります。

    PDF/A出力固有の書式設定プロパティは、「レポート・プロパティ」ダイアログで設定できます。詳細は、「PDF/A出力プロパティ」を参照してください。

追加のリソース

PDF/A標準の詳細は、AdobeのWebサイトを参照してください。iso.orgのWebサイトにある記事「Use of PDF 1.4 (PDF/A-1)」および「Addendum Cor 1:2007」も参照してください。