1 Oracle REST Data Servicesのインストール・チェックリスト

この章では、サポートされているプラットフォーム、システム要件およびORDSの使用に必要なデータベース権限について説明します。

1.1 システム要件

Oracle REST Data Servicesのシステムの要件は次のとおりです。

  • Oracle Database (Enterprise Edition、Standard EditionまたはStandard Edition One)リリース11gリリース2以上、またはOracle 21c Express Edition。

  • Oracle Java 11または17。

    ノート:

    Linuxシステムでは、Oracle Javaのバージョンが11未満の場合、インストールは失敗し、エラー・メッセージが表示されます。たとえば:
    Error: ORDS requires Java 11 and above to run.
           Found Java version 1.
           Please set JAVA_HOME to appropriate version and update PATH if necessary.

    そのため、JAVA_HOMEを適切なバージョンに設定し、必要に応じてPATHを更新する必要があります。

    Windowsシステムでは、ユーザーはJavaダウンロード・ページにリダイレクトされます。
  • Java 11または17用Oracle GraalVM Enterprise Edition。
  • Webブラウザの要件:

    詳細は、OracleソフトウェアでのWebブラウザのサポート・ポリシーを参照してください。

ノート:

Oracle APEXは、Oracle REST Data Servicesを使用するための前提条件ではありません

Oracle APEXがインストールされておりインストール時にRESTfulサービスが構成されている(『Oracle Application Expressインストレーション・ガイド』のOracle REST Data Servicesの構成の手順を参照)場合は、Oracle REST Data Servicesでそれがサポートされています。

1.2 サポートされるJava EEアプリケーション・サーバー

Oracle REST Data Servicesでは、次のJava EEアプリケーション・サーバーがサポートされます。

アプリケーション・サーバー サポートされているリリース

Oracle WebLogic Server

14cリリース以上

Apache Tomcat

リリース8.5.xからリリース9.0.x

ノート:

ORDSはTomcatリリース10では実行できません。

1.3 サポートされているOracle APEXのバージョン

Oracle REST Data Servicesでは、現在サポートされているAPEXのバージョンがサポートされます。

関連項目:

サポートされているAPEXのバージョンは、Oracle情報化サポートドキュメント内のOracle APEX (以前のHTML DB)の表を参照してください。

1.4 ORDSインストーラの権限スクリプト

この項では、ORDSをインストール、アップグレード、修復およびアンインストールする権限をユーザーに付与するスクリプト・ファイルについて説明します。

ノート:

このスクリプトは、SYS AS SYSDBAを使用せずに、Oracle PDBまたはOracle 11gでORDSをインストール、アップグレード、修復およびアンインストールする場合に使用します。

Oracle REST Data Servicesのscripts/installerフォルダには、スクリプトords_installer_privileges.sqlが含まれています。このスクリプトは、Oracle DatabaseでORDSをインストール、アップグレード、修復およびアンインストールする権限を、割り当てられたデータベース・ユーザーに付与します。

次のステップを実行します。
  1. SQLclまたはSQL*Plusを使用して、Oracle Databaseインスタンスに接続します。ORDSをインストールするには、適切な権限を持つデータベース・アカウントが必要です。
  2. データベース・ユーザーを指定して次のスクリプトを実行します。
    SQL> @/path/to/scripts/installer/ords_installer_privileges.sql exampleuser
    SQL> exit

ORDSをインストール、アップグレード、修復およびアンインストールするには、指定されたデータベース・ユーザーを使用する必要があります。

1.5 Oracle REST Data Servicesユーザーに付与される権限

Oracle REST Data Servicesインストールの一部として、次のような権限が複数のユーザーおよびロールに付与されます。

  • ORDS_RUNTIME_ROLEロール
    • 次のパッケージにPUBLICに対するEXECUTE権限が付与されていない場合、ORDS_RUNTIME_ROLEには、そのパッケージのEXECUTE権限が付与されます。
      • SYS.DBMS_LOB
      • SYS.DBMS_SESSION
      • SYS.DBMS_UTILITY
      • SYS.WPIUTL
    • ORDS_RUNTIME_ROLEには、リポジトリ・バージョンを確認し、接続プール構成にアクセスするために必要なORDS_METADATAオブジェクト権限が付与されます。
  • ORDS_PUBLIC_USERユーザー
    • ORDS_PUBLIC_USERには、データベースに接続できる接続権限が付与されます。
    • ORDS_PUBLIC_USERには、ユーザーがORDSランタイム・ユーザーとして機能できるロールORDS_RUNTIME_ROLEが付与されます
  • ORDS_ADMINISTRATOR_ROLEロール
    • ORDS_ADMINISTRATOR_ROLEには、ORDS_METADATA.ORDS_ADMIN PL/SQLパッケージのEXECUTE権限が付与されます。
  • PUBLIC
    • PUBLICには、すべてのユーザーがリポジトリ・バージョンを問合せできるように、ORDS_METADATA.ORDS_REPVERSIONビューのEXECUTE権限が付与されます。
    • PUBLICには、多くのORDS_METADATAビューのSELECT権限が付与されます。
    • PUBLICには、開発者ユーザーが使用できるORDS_METADATA PL/SQLパッケージのEXECUTE権限が付与されます。
  • ORDS_METADATAスキーマ
    • 次のパッケージにPUBLICEXECUTE権限が付与されていない場合、そのパッケージのORDS_METADATAスキーマが付与されます。
      • SYS.DBMS_ASSERT
      • SYS.DBMS_LOB
      • SYS.DBMS_OUTPUT
      • SYS.DBMS_SCHEDULER
      • SYS.DBMS_SESSION
      • SYS.DBMS_UTILITY
      • SYS.DEFAULT_JOB_CLASS
      • SYS.HTP
      • SYS.OWA
      • SYS.WPG_DOCLOAD
    • 次のビューにPUBLICに対するSELECT権限またはREAD権限が付与されていない場合、ORDS_METADATAには、そのビューのSELECT権限(11g)またはREAD権限(12c以上)が付与されます。
      • SYS.SESSION_PRIVS
    • ORDS_METADATAスキーマには、次のパッケージのEXECUTE権限が付与されます。
      • SYS.DBMS_CRYPTO
      • SYS.DBMS_METADATA
    • ORDS_METADATAスキーマには、次のビューのSELECT権限(11g)またはREAD権限(12c以降)が付与されます。
      • SYS.DBA_OBJECTS
      • SYS.DBA_ROLE_PRIVS
      • SYS.DBA_TAB_COLUMNS
    • ORDS_METADATAスキーマには、次のビューのWITH GRANT OPTIONを含むSELECT権限が付与されます。
      • SYS.USER_CONS_COLUMNS
      • SYS.USER_CONSTRAINTS
      • SYS.USER_OBJECTS
      • SYS.USER_PROCEDURES
      • SYS.USER_TAB_COLUMNS
      • SYS.USER_TABLES
      • SYS.USER_VIEWS
    • ORDS_METADATAスキーマには、次のシステム権限が付与されます。
      • ALTER USER
      • CREATE ANY TRIGGER
      • CREATE JOB
      • CREATE VIEW
      • CREATE PUBLIC SYNONYM
      • DROP PUBLIC SYNONYM
    • ORDS_METADATAスキーマには、Application ExpressのRESTデータをORDS_METADATA表に移行するために必要なオブジェクト権限が付与されます。
    • ORDS_METADATAスキーマには、管理者オプションを指定したORDS_ADMINISTRATOR_ROLEおよびORDS_RUNTIME_ROLEロールが付与されます。
  • PUBLICには、多くのORDS_METADATA表およびビューのSELECT権限が付与されます。

  • PUBLICには、ユーザーの起動できるPL/SQLパッケージのEXECUTE権限が付与されます。

  • 次のパッケージにPUBLICに対するEXECUTE権限が付与されていない場合、ORDS_METADATAには、そのパッケージのEXECUTE権限が付与されます。

    • SYS.DBMS_ASSERT
    • SYS.DBMS_LOB
    • SYS.DBMS_OUTPUT
    • SYS.DBMS_SCHEDULER
    • SYS.DBMS_SESSION
    • SYS.DBMS_UTILITY
    • SYS.DEFAULT_JOB_CLASS
    • SYS.HTP
    • SYS.OWA
    • SYS.WPG_DOCLOAD
  • ORDS_METADATAには、Application ExpressのRESTデータをORDS_METADATA表に移行するために必要なオブジェクト権限が付与されます。

1.6 Oracle REST Data Servicesで使用されるデータベース・ユーザーについて

Oracle REST Data Servicesでは、次のデータベース・ユーザーが使用されます。

ユーザー名 必須かどうか 説明

ORDS_METADATA

はい

Oracle REST Data Servicesの多くの機能の実装に使用されるPL/SQLパッケージの所有者です。ORDS_METADATAには、Oracle REST Data Services対応のスキーマのメタデータが格納されます。

Oracle REST Data Servicesから直接このメタデータにアクセスすることはなく、Oracle REST Data ServicesアプリケーションはORDS_METADATAスキーマへの接続を作成することはありません。

ORDS_PUBLIC_USER

はい

リクエストを処理するための初期データベース接続を行うOracle REST Data Servicesのユーザー。リクエストに応じて、このユーザーは関連するOracle REST Data Services対応のスキーマまたはPL/SQLゲートウェイ・ユーザーにプロキシして、データベースでリクエストされたアクションを完了します。

1.7 コマンドライン・インタフェースについて

ORDSリリース22.1.0では、次の利点を提供するORDSコマンドライン・インタフェースが導入されています。
  • ORDS構成の作成、更新およびリスト
  • 構成のインストール/アップグレードへの追加のデータベース・プールの追加
  • データベースのORDSの修復またはアンインストール
  • スタンドアロン・モードでのORDSの実行
前述の機能は、プロンプトを介して対話的に実行することも、ORDSコマンドを使用してサイレント(非対話的)に実行することもできます。

1.8 オンライン・ヘルプについて

オンライン・ヘルプは、使用可能なオプションおよび引数とともにコマンドに関する情報を提供します。ORDSコマンドのリストを表示するには、次のコマンドを実行します。
ords --help
ORDSコマンドの詳細を表示するには、ORDSコマンドの後に--helpを指定します。サブコマンドの追加詳細が必要な場合は、サブコマンドの後に--helpを指定します。
構文:
ords <command> --help

ords <command> <sub-command> --help
例:
  • ords install --help
  • ords config --help


ords config set --help