14 「データ変換」ページ

データ変換は、Oracle Autonomous Databaseユーザーがデータ統合のためのグラフィカル・データ変換を設計するために使用できる使いやすいグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。

データ変換では、コードを記述しなくても、データ・ロード、データ・フローおよびワークフローの形式でデータ変換を設計できます。データ・ロードはAutonomous Databaseにデータをロードする便利な方法を提供し、データ・フローは異なるシステム間でデータを移動および変換する方法を定義し、ワークフローはデータ・フローを実行する順序を定義します。

ノート:

「データ変換」カードが表示されない場合は、データベース・ユーザーに必要なDATA_TRANSFORM_USERロールがありません。

データ・フローとワークフローの準備ができたら、マッピングを即座に実行することも、後で実行するようにスケジュールすることもできます。Oracle Data Transformsランタイム・エージェントによって、ジョブの実行がオーケストレートされます。実行時に、Oracle Data Transformsによってコードが生成されます。

データ変換は、次のいずれかの方法で起動できます:
  • Oracle Cloud Marketplace: Oracle Cloud Marketplaceからデータ変換インスタンスを作成します。データ変換は、Data Integrator: Web Editionというマーケットプレイスで別個のリストとして利用できます。
  • Database ActionsのData Studio: Database Actionsの「Data Studio」ページに移動し、「データベース・アクション」ページで「データ変換」をクリックします。

    Autonomous DatabaseにOCI Marketplaceのデータ変換インスタンスをすでに登録している場合、「データベース・アクション」ページの「データ変換」カードで、引き続きMarketplaceインスタンスに移動できます。

データ変換機能の標準セットへのアクセスは、データ変換の起動元によって異なる場合があります。このドキュメントでは、特定のトピックに、使用できる機能または使用できない機能を示す次の印のいずれかが含まれる場合があります:
  • 適用先: 適用可能 Data Integrator: Web Editionというマーケットプレイスで別個のリストとして利用できるデータ変換。
  • 適用先: 適用可能 Autonomous Databaseに登録されているデータ変換インスタンス。
  • 適用先: 適用可能 Oracle Autonomous Databaseに組み込まれているデータ・ツールのスイートの一部であるデータ変換。

リファレンス

この項では、Autonomous DatabaseでのOracle Data Transformsの使用に関する追加情報を示します。

Autonomous Databaseからのプライベート・データ・ソースへのアクセスの有効化

適用先: 適用可能 Oracle Autonomous Databaseに組み込まれているデータ・ツールのスイートの一部であるデータ変換。

データ変換にアクセスするAutonomous Databaseは、プライベート・エンドポイントを使用してプライベート・データベース・ソースと通信できるように構成する必要があります。そうしないと、このような接続を作成してテストしようとすると、「接続に失敗しました」というエラーが表示されることがあります。

Autonomous Databaseがプライベート・エンドポイントを使用するように構成されている場合、同じVirtual Cloud Network (VCN)内のクライアントからのみプライベート・データ・ソースにアクセスできます。詳細は、プライベート・エンドポイントを使用したネットワーク・アクセスの構成を参照してください。

プライベート・エンドポイントを使用してネットワーク・アクセスを構成した後、Oracle Data Transformsがプライベート・データ・ソースと通信できるように、次の追加構成を実行する必要があります。この章の内容は次のとおりです。

DNSおよびトラフィック管理の構成

接続の作成時に、完全修飾ドメイン名(FQDN)を設定し、接続ホスト・フィールドにこのFQDNを指定する必要があります。詳細は、https://docs.oracle.com/en-us/iaas/Content/DNS/Concepts/views.htmを参照してください。

VCN DNSリゾルバはFQDNについて認識し、それをタイプA IPアドレスに解決できる必要があります。

プライベート・エンドポイントを使用するように構成されているAutonomous Databaseでデータ変換内の接続をテストできない場合は、次を実行します:

  • ROUTE_OUTBOUND_CONNECTIONSデータベース・プロパティをPRIVATE_ENDPOINTに設定する問合せが実行されているかどうかを確認します。詳細は、プライベート・エンドポイントを使用したアウトバウンド接続のセキュリティの強化を参照してください。
  • フレームワークがFQDNを必要なIPアドレスに解決するように、FQDNがホストとして使用されていることを確認します。

    データ・ソースVMに、必要なセキュリティ・ルールが設定されたFQDNが設定されていることを確認します。

FQDNの使用後でもテスト接続が失敗する場合は、次を実行します:

  • OCIサービスのメニューから、「ネットワーキング」の下の「DNS管理」をクリックします。プライベートDNSゾーンのビューとリゾルバを構成します。
  • ターゲット・データベースのFQDNおよびプライベートIP (タイプA)を使用してレコードを作成および公開します。

    ノート:

    FQDNは予約済ドメイン名であるため、設定時にドメイン名として*.oraclecloud.comを使用しないでください。
  • テスト接続を再試行します。

    接続のテスト操作は正常に完了するはずです。

プライベート・エンドポイントでのRCEプロキシの構成

プライベート・エンドポイントを使用するように構成されたAutonomous Databasesの場合、Autonomous Databaseサービスは、プライベート・ルートを介して顧客サブネットのリソースにアクセスするためのRCEをサポートしています。

接続をテストしようとしたときに「接続に失敗しました」エラーが発生した場合は、データベース管理者に連絡して、データベースがRCE対応かどうかを確認してください。

RCEプロキシは、リバース・トラフィックをデフォルトのOCI DNSリゾルバにのみ転送できます。オーバーライドされたリゾルバがある場合、接続は失敗します。

サーバー証明書DNとの不一致エラーのトラブルシューティング

適用先: 適用可能 Oracle Autonomous Databaseに組み込まれているデータ・ツールのスイートの一部であるデータ変換。

プライベート・エンドポイントを使用するように構成されたAutonomous Database上の接続の場合、Oracle Connection Manager (CMAN)がリクエストを受け入れることができるように、JDBC URLでデータベース・サーバーの識別名(DN)を指定する必要があります。そうしないと、そのような接続を作成してテストしようとすると、"サーバー証明書DNとの不一致"エラーが発生する可能性があります。

まず、CMANがリクエストを受け入れるように、JDBC URLにssl_server_dn_match=yesを指定します。次に、ssl_server_cert_dnパラメータを使用して、データベース・サーバーのDNを指定します。キーがssl_server_cert_dnに配置される順序が重要であることに注意してください。順序は、CNOLSTCである必要があります。

たとえば:

jdbc:oracle:thin:@(description= (retry_count=20)(retry_delay=3)(address=(protocol=tcps)(port=1521)(host=xxxxx.adb.us-phoenix-1.oraclevcn.com))(connect_data=(service_name=xxxxx.adb.oraclecloud.com))(security=(ssl_server_dn_match=yes)(ssl_server_cert_dn="CN=adwc.uscom-east-1.oraclecloud.com, O=Oracle Corporation, L=Redwood City, ST=California, C=US")))

ssl_server_cert_dnの値を取得するには:

  1. Autonomous Databaseが存在する同じサブネットにあるVMにログインします。
  2. 次のコマンドを入力します。

    openssl s_client -connect xxxxx.adb.us-phoenix-1.oraclevcn.com:1521 -showcerts

    次の値は、「サーバー証明書の詳細」にあります:

    CN、O、L、ST、C

    たとえば、"CN=adwc.uscom-east-1.oraclecloud.com, O=Oracle Corporation, L=Redwood City, ST=California, C=US"です。

ODIエージェントのメモリーの増加

適用先: 適用可能 Data Integrator: Web Editionというマーケットプレイスで別個のリストとして利用できるデータ変換。

ソース・スキーマからロードするデータが大規模な場合は、OutOfMemory例外エラーを回避するために、ODIエージェントのメモリーを増やすことが必要になる場合があります。

ODIエージェントのメモリーを増やすには:

  1. /u01/oracle/transforms_home/common/scripts/jettyServer.shファイルを編集します。
  2. java -Xms1024m -Xmx4096mパラメータを追加します。
  3. jettyサーバーを再起動します。OPCユーザーとしてログインし、次のコマンドを実行します:
    ssh -i <path to id_rsa> opc@<Instance IP>
    sudo su
    systemctl stop|start jettyserver.service
    exit