ガイドラインおよび考慮事項
アド・ホック・グリッドおよびForms 2.0でオンザフライ計算を実行する場合は、次のガイドラインを考慮してください。
- メンバー式の挿入時に、式が含まれているセルは読取り専用で表示され、それに応じてセル・スタイルの色も変更されます。さらに、「リフレッシュ」をクリックすると、同じセルがダーティになり、それに割り当てられたセル・スタイルの色が表示されます。セル・スタイルの色が変更されないクリーン・リフレッシュを実現するには、Smart Viewリボンの「オプション」をクリックして、「メンバー・オプション」タブにあるアドホック操作の式とコメントを保存チェック・ボックスの選択を解除します。
- ベストプラクティスとして、メンバー式は、アド・ホック・グリッドのレイアウトの設定後または確定後にのみ挿入するようにお薦めします。その他のアド・ホック操作(「ズーム・イン」、「ズーム・アウト」、「選択項目のみ保持」、「選択項目のみ削除」など)を実行すると、式のコンテキストが無効になり、グリッドから式が削除されます。アド・ホック操作の後で式が欠落した場合は、必要に応じて手動で式を再入力できます。
- 式の挿入後に、別名表に変更を加えると(リフレッシュするか、「別名の変更」をクリックして別名を「デフォルト」から「なし」に(またはその逆に)変更すると)、式付きのセルをクリックしたときのツールチップに式が表示されなくなります。
- セル・レベルのセキュリティとメンバー式の使用の組合せには、十分な配慮が必要になります。セル・レベルのセキュリティが有効になっていると、挿入されたメンバー式は、WebアプリケーションとOracle Smart View for Officeで異なる結果を生じることがあります。計算を実行するには、すべてのセルへのアクセス権が必要です。そのため、「読取り不可」ルールで制限されたセルは、セル・レベルのセキュリティが有効化されているときに、矛盾した結果を示すことがあります。制限されたセルには、
#No Access
ラベルが表示されます。そのようにアクセス制限されたセルへの参照が含まれている式があると、その結果には#Missing
またはエラーが表示されます。 - Smart Viewリボンの「元に戻す」オプションを使用して、メンバー式の挿入操作を元に戻すことはできません。式の挿入後に「元に戻す」をクリックすると、メンバー式が含まれているセルに
#No Access
ラベルが表示され、そのようなセルをクリックしたときのツールチップに、式が表示されなくなります。そのかわりに、グリッドをリフレッシュして挿入したメンバー式を削除するには、Smart Viewリボンの「リフレッシュ」オプションを使用できます。また、アド・ホック操作の式とコメントを保持チェック・ボックスの選択を解除すると、クリーン・リフレッシュが実現します。このチェック・ボックスは、「オプション」の「メンバー・オプション」タブにあります。 - アド・ホック・グリッドからメンバー式を削除すると、Smart Viewリボンの「やり直し」オプションを使用して再挿入できません。これは、「元に戻す」操作または「やり直し」操作中にメンバー式が保持されないためです。メンバー式を挿入するには、アド・ホック・グリッドを再度開き、「メンバー式の挿入」をクリックします。
- 「タイム・バランス」プロパティが「フロー」に設定されていて、「スキップ」オプションが「ゼロ」または「欠落」および「ゼロ」に設定されていると、期待した結果が得られません。January、FebruaryおよびMarchの列があるグリッドで、それぞれの最初の行の値が0、0、0になっていて、2番目の行の値が0、
#Missing
、#Missing
になっているとします。4番目のQ1の列には、メンバー式が挿入されていて、最初の行の「スキップ」が「ゼロ」に設定されていて、2番目の行の「スキップ」が「欠落」および「ゼロ」に設定されています。期待される結果は、両方の行に対して#Missing
になりますが、実際の結果はゼロとして表示されます。 - グリッド内に一意でない別名や重複する別名が存在していて、それらが式で参照されていると、スマート・フォームでアド・ホックを実行しているときに別名の重複エラーが発生することがあります。これは、別名が重複しているアド・ホック・グリッドにメンバー式を挿入して、そのグリッドをスマート・フォームとして保存し、そのスマート・フォームをアド・ホックモードで再度開いたときに発生します。「リフレッシュ」をクリックすると、Smart Viewには次のようなエラー・メッセージが表示されます: 親Accountの別名と競合している重複した別名またはメンバー名が見つかりました。あいまいさを解決するために1つ以上の別名またはメンバー名を変更する必要があります。
#Missing
とゼロの値が含まれるデータの場合、@MAX関数計算により、WebアプリケーションとSmart Viewで一貫性のない結果が得られる場合があります。これは、Oracle EssbaseとExcelでこれらの値を処理する方法が異なるためです。Essbaseでは、ゼロと#Missing
の比較が常に同じであるとはかぎらないため、@MAXS関数を使用することをお薦めします。詳細は、『Oracle Essbase計算および問合せリファレンス』の@MAX関数のノートを参照してください。@MAXは@MAXS (SKIPNONE)のように動作するため、#Missing
と負の値のみがデータに存在する場合、#Missing
値は負の値より大きいとみなされます。#Missing
は、空白以外の値と比較する際にゼロとみなされます。Smart Viewは、#Missing
ラベルを使用して、データベース内の欠落しているデータ値を示します。これは、ゼロのデータ値とは異なります。Excelでは空白以外のラベルは文字列として扱われ、文字列は空のセルおよびゼロとは別のものとして扱われます。ExcelとEssbaseではこのような違いがあるため、#Missing
とゼロのデータ値の比較は不確定のままです。- グリッドを昇順または降順にソートすると、グリッドの構造が変更されます。これにより、グリッドに存在するメンバー式および関数が無効になります。現在は、式または関数で参照されるセルの値を入力または変更した場合、式または関数を含むセルの計算はすぐにはリフレッシュされません。計算値または変更値を表示するには、グリッドを保存する必要があります。
- 式で参照されるセルにテキスト文字列または日付が含まれている場合、オンザフライ計算から取得された結果は、Essbaseで計算されたものとは異なる場合があります。この違いは、Planningで計算にEssbaseが使用する数値以外のデータ(テキスト、日付、スマート・リストなど)のセル位置に数値索引が格納されているのに対して、オンザフライ計算では、計算にテキスト、日付またはスマート・リストの実際の表示値が使用され、数値以外のデータが欠落として扱われるためです。
- セルに存在するテキスト、日付、スマート・リスト・オプションなどの数値以外の値は、Excelでの計算のために欠落として扱われます。したがって、このようなセルが関数および式で参照される場合、結果は#missingとして返されます。これは、Essbaseがそのようなセルを解釈して結果を正しく計算できる一方で、オンザフライ計算に同じ機能を使用できないためです。
- セルにメンバー式またはアウトライン計算による式がある場合、Webアプリケーションでオンザフライ計算を実行しながら、入力された値を書込み可能なソース・セルに分散できるため、レベル0以外のセルは書込み可能になります。式の分散は、Smart Viewではサポートされないことに注意してください。
- オンザフライ計算用のセルにメンバー式を表示するには、式に関与するメンバーがグリッド内に存在する必要があります。それ以外の場合、式はツールチップに表示されません。
- 式の評価の結果が常に定数値になる場合(たとえば、0または#missingで乗算する場合)、式は生成されません。
- Forms 2.0では、オンザフライ計算はBSOキューブおよびハイブリッドBSOキューブでのみサポートされます。Smart Viewでは、アプリケーション設定「フォーム・バージョン」をForms 2.0に設定する必要があります。
- 設計上、オンザフライ計算を使用するフォームでは、妥当で関連性の高い数のメンバーのみがグリッド上で使用され、後続の計算からすばやく応答できるようにします。