20 Oracle JETアプリケーションのパッケージ化およびデプロイ

Oracle JETツールを使用してOracle JETアプリケーションを作成した場合は、デプロイメント用のWebアプリケーションをWebまたはアプリケーション・サーバーにパッケージ化できます。

Webアプリケーションのパッケージ化

ツールを使用してアプリケーションを作成した場合は、Oracle JETコマンドライン・インタフェース(CLI)を使用して、アプリケーション・スクリプトおよび適用可能なOracle JETコードが縮小書式で含まれるアプリケーションのリリース・バージョンを作成します。

  1. アプリケーションのルート・ディレクトリのターミナル・プロンプトから、次のコマンドを入力します: ojet build --release

    コマンドは完了に時間がかかることがあります。成功すると、次のメッセージが表示されます: Build finished!

    コマンドは、web/js/のライブラリとスクリプトの開発バージョンを縮小バージョン(使用できる場合)で置き換えます。

  2. アプリケーションが引き続き適切に機能することを確認するには、releaseオプションを指定してojet serveを実行します。

    ojet serve --releaseコマンドは、開発モードでWebアプリケーションを提供するために使用したものと同じ引数を使用します。

    ojet serve --release [--serverPort=server-port-number --serverOnly]

    ヒント:

    オプションの完全リストは、ターミナル・プロンプトでojet help serveと入力します。

Webアプリケーションのデプロイ

Oracle JETは、任意のタイプのWebまたはアプリケーション・サーバーにデプロイできるHTML、JavaScriptおよびCSSファイルのコレクションです。Oracle JETアプリケーションをデプロイするために特異な要件はありません。

デプロイメント方法は多様で、アプリケーションが実行されるサーバー環境のタイプによって異なります。ただし、Oracle JETアプリケーションのデプロイメントには、特定の環境における他のクライアント・インタフェースの場合と同じ方法を使用することができるはずです。

たとえば、通常アプリケーションをzipファイルとしてデプロイする場合、webディレクトリをzipして、通常のデプロイメント・プロセスを使用できます。

JETアプリケーションからの非ソース・ファイルの削除およびリストア

Oracle JET CLIでは、JETアプリケーションでサポートされているプラットフォームのビルド出力やプロジェクトにインストールされているnpmモジュールなどの余分なファイルを削除することによってJETアプリケーションのソース・コードを管理するコマンド(clean、stripおよびrestore)が提供されています。

同僚またはソース・コードを一緒に使用する可能性のあるユーザーに配布するためにソース・コードをパッケージ化する場合は、これらのコマンドの使用を検討します。これらのコマンドは、すべての状況において適切であるとはかぎりません。cleanおよびstripコマンドを使用すると、たとえば、ojet buildまたはojet serveの実行時に作成されたwebディレクトリの内容が削除されます。

ojet clean

ojet cleanコマンドを使用して、JETアプリケーションのビルド出力を消去します。アプリケーションのルート・ディレクトリのwebディレクトリの内容を削除するには、ojet cleanコマンドとともにwebパラメータを指定します(ojet clean web)。

ojet strip

JETアプリケーションからのソース・ファイルを除くすべてのファイルを削除する場合は、ojet stripを使用します。ojet cleanコマンドによって削除されるビルド出力に加えて、ojet stripを使用すると、プロジェクトにインストールされているnpmモジュールなどの追加の依存性が削除されます。ojet stripコマンドを使用する一般的なシナリオとしては、JETアプリケーションのソース・ファイルを同僚に配布するときに、送信するファイル数を最小限に削減する場合があげられます。

ojet stripコマンドは、アプリケーションのルート・ディレクトリに含まれる.gitignoreファイルの内容に従って削除対象を決定します。このファイルには、ツールによってインストールされたため、ツールでリストアできるディレクトリがリストされています。アプリケーション・フォルダでojet cleanを実行すると、リストされているこれらのディレクトリとファイルのみが削除されます。

Gitを使用せず、プロジェクトを送信しやすくするためにojet stripを実行する場合、.gitignoreファイルを作成し、次のように削除するフォルダとファイルのリスト付きでアプリケーションのルート・フォルダに追加できます:

#List of web app folders to remove
/node_modules
/bower_components
/themes
/web

.gitignoreファイルのかわりに、globパターン値の配列を取得するstripListプロパティをアプリケーションのoraclejetconfig.jsonファイルに含めることができます。oraclejetconfig.jsonファイルでstripListパラメータを指定すると、Oracle JETは.gitignoreファイルとそのエントリを無視します。次の例に示すように、ojet stripを実行するときに削除するディレクトリおよびファイル・タイプのリストを指定します。

{
. . .
  "generatorVersion": "16.0.0",
  "stripList": [
    "jet_components",
    "node_modules",
    "bower_components",
    "dist",
    "web",
    "staged-themes",
    "themes",
    "myfiles/*.txt"
  ]
}

ojet restore

ojet restoreコマンドを使用して、ojet stripコマンドによって削除された依存性、プラグイン、ライブラリおよびWebコンポーネントをリストアします。ojet restoreコマンドの完了後、ojet buildまたはojet serveコマンド(あるいはその両方)を使用して、JETアプリケーションを作成および提供します。

ojet restoreコマンドでは、デフォルトのnpm installコマンドのかわりにnpm ciコマンドを呼び出すojet restore --ciなど、多くの追加パラメータがサポートされています。このオプション(ojet restore --ci)は、package-lock.jsonファイルで指定された依存性をフェッチするもので、CI/CDパイプラインで使用すると便利です。

CLIコマンドのその他のヘルプを表示するには、ターミナル・プロンプトでojet helpと入力します。