パフォーマンスの最適化

データ量の多い操作に関係するレコードの数を減らして、パフォーマンスを向上させる設定を変更できます。

アクセス・パフォーマンス構成

デフォルトでは、アクセス・モデルが返すことができるレコード数は、5,000に制限されます。この値は、より低く設定することはできますが、高くは設定できません。この制限は、アクセス・モデルから返される結果にのみ適用されます。アクセス制御によって生成されたインシデントには適用されません。

モデルで、制限をわずかに超えるレコードが返されることがあります。アクセスの競合があるユーザーのレコードが結果セットに1つ含まれる場合は、そのユーザーに関連するすべてのレコードを含める必要があります。このため、結果セットがその制限に達したときに、すでに戻りセットに含まれているすべてのユーザーに関するレコードを揃うまで、分析が続行される場合があります。ただし、モデル分析ジョブでは、結果セットにまだ含まれていないユーザーのレコードは追加されません。

他方、モデルの結果が制限に達しない可能性もあります。これは、個々のグローバル・ユーザーIDが複数の実際のユーザーに関連付けられるように、グローバル・ユーザーが構成されている場合に発生することがあります。

また、デフォルトでは、ユーザーはモデルの実行中に制限を上書きできません。ただし、ユーザーが制限を上書きすることを許可するオプションをモデルごとに選択できます。

トランザクション・パフォーマンス構成

トランザクション・モデルまたはコントロールで使用される各ビジネス・オブジェクトは、カテゴリに属しています。トランザクション・オブジェクトには、実際のトランザクションに関連するレコードが含まれており、頻繁かつ大量に作成または更新されます。「運用状況マスター・データ」および「構成設定データ」カテゴリのオブジェクトには、設定レコードなど、頻繁に変更されないレコードが含まれています。

トランザクション・ビジネス・オブジェクトの場合、データ同期は指定した期限日以降に作成または更新されたレコードに対して実行されます。この日付は必須です。日付を設定しないと、データ同期ジョブは失敗します。この期限日は、「運用状況マスター・データ」および「構成設定データ」のビジネス・オブジェクトには影響しません。これらのオブジェクトでは、レコードの作成または更新時期に関係なく、すべてのレコードが同期ジョブの対象になります。

トランザクション・オブジェクト・データの期限日は、データが選択される期間について、1つの境界を形成します。これは静的ですが、もう1つの境界である現在の日付は動的です。時間が経過すると、期間が長くなるため、同期に使用されるデータ量が増えます。期限日を定期的にリセットして、パフォーマンスに悪影響を及ぼさないデータ量を生成するために十分な短さの期間を維持します。通常、2年分のトランザクション・オブジェクト・データが最大の制限になります。期限日のリセット後に同期の対象でなくなったレコードに関連するインシデントは、自動的にクローズされることに注意してください。

監査パフォーマンス構成

監査ビジネス・オブジェクトには、変更追跡を実行するモデルおよびコントロールでの使用を目的としたデータが格納されます。このようなオブジェクトには、指定されたフィールドに直近に設定された値だけでなく、前の値も保存されます。データ同期化の実行には、監査ビジネス・オブジェクトと他のビジネス・オブジェクト・タイプが含まれます。ただし、指定した期限日よりも古い監査ビジネス・オブジェクト内のレコードは同期されません。この日付は必須で、トランザクション・ビジネス・オブジェクトの同期化に設定した期限日とは異なります。

トランザクションの期限日などの監査期限日を定期的にリセットして、パフォーマンスに悪影響を及ぼさないデータ量を生成するのに十分な短さの期間を維持する必要があります。

パフォーマンス値の設定方法

これらの値を設定するには:

  1. 「設定および管理」作業領域で拡張コントロールの「構成」タブを選択します。

  2. 「トランザクションおよび監査パフォーマンス構成」パネルで、次の操作を実行します:

    • 「編集」を選択します。

    • トランザクション・ビジネス・オブジェクトの同期の期限日を入力します。現在の日付より2年以上前の日付を入力した場合は、指定した時間スパンで予想される大規模なデータ・セットが必要かどうかを確認するメッセージにも応答します。

    • 監査イベントの同期の期限日を入力します。

    • 「保存」を選択します。

  3. 「アクセス・パフォーマンス構成」パネルで、次の操作を実行します:

    • 「編集」を選択します。

    • 「モデル当たりの結果レコード制限」フィールドには、デフォルトで値5,000が表示されます。その値を受け入れるか、小さい数値を入力します。値は5,000以下にする必要があります。

    • 「アクセス・モデル分析のレコード制限」オプションがデフォルトで選択されます。これにより、ユーザーがレコード制限を上書きできなくなります。かわりに、「アクセス・モデル・レベルで上書き可能な、アクセス・モデル分析のレコード制限」オプションを選択できます。これにより、モデルを実行する個人に可能性のあるすべての結果を戻すことができます。

    • 「保存」を選択します。