仕訳承認ルールの定義に関する考慮事項

承認管理を使用して、仕訳承認ワークフローに適用するポリシーを定義します。

ルール定義の考慮事項

仕訳承認には事前定義された承認ルールが1つ存在しています。仕訳の元帳およびソースの承認が使用可能になっている場合、その仕訳が、1つの承認レベルに関して、承認のために仕訳を発行した人の監督者に送信されます。仕訳承認ルールは、ビジネス・プロセス管理ワークリスト・アプリケーションで構成できます。ホーム・ページの「通知」アイコンを選択し、「詳細」をクリックするか、「設定および保守」作業領域で次の項目を使用して、アプリケーションを開きます。

  • オファリング: 財務

  • 機能領域: アプリケーション拡張

  • タスク: 一般会計のタスク構成の管理

単純な承認シナリオの場合は、まず次の基準に基づいた仕訳承認ルールのいずれかまたはすべてを定義します。

  • 各バッチの元帳ごとに最高の仕訳明細金額。

  • 各バッチの元帳ごとに最高の仕訳金額。

  • 期間クローズ・プロセスにおける現在のステージ。たとえば、月の上旬、中旬または下旬、あるいはクローズ前、クローズ時、クローズ後または四半期クローズ・プロセスのいずれであるか。

次の表は、最高仕訳明細金額に基づいて仕訳承認をルーティングするルール条件と承認処理の例を示しています。

条件

承認処理

50,000 USD未満

承認不要

50,000から100,000 USD

1レベルの承認が必要

100,000 USDを超える

2レベルの承認が必要

元帳、入力金額、承認レベルまたはその他のシナリオの組合せに対するルールを構築できます。さらに、元帳、バッチ、ヘッダーまたは明細レベルなどの、仕訳の様々な要素の属性に基づいてルールを定義できます。たとえば、カテゴリ、ソース、勘定科目または付加フレックスフィールド情報を仕訳承認の選択基準として使用できます。

ノート: 発行者が自分の仕訳バッチを承認できないようにするには、ワークリスト・アプリケーションの「構成」ページで承認リストの作成者をスキップするチェック・ボックスを選択します。これにより、承認タスクは他の承認者に割り当てられるか、発行者のマネージャに自動的にルーティングされます。

承認リスト・ビルダーの考慮事項

リスト・ビルダーを使用すると、承認管理で、ルール条件に基づいてトランザクションに必要な承認者のリストが構築されます。各承認ルールは、承認者のリストを生成するためにリスト・ビルダーに関連付けられます。

次の表は、仕訳承認リストの構築に使用できるリスト・ビルダーを示しています。

リスト・ビルダー

摘要

監督

HCMで定義されている従業員監督階層に基づきます。従業員は、適切なジョブおよび監督者とともに設定する必要があります。たとえば、事務員はマネージャの部下であり、マネージャはディレクタの部下です。

ジョブ・レベル

HCMで定義されているジョブ・レベルに基づきます。従業員は、適切なジョブ・レベルおよび監督者とともに設定する必要があります。

たとえば、ジョブ・レベル1の従業員である事務員は、ジョブ・レベル2の従業員であるマネージャの部下であり、マネージャはジョブ・レベル4の従業員であるディレクタの部下になります。ルールで指定されている開始ポジションに基づいて承認リストが生成され、十分なジョブ・レベルの承認者が見つかるまで続きます。監督階層は、対応するジョブ・レベルとともに定義する必要があります。

ポジション

HCMで定義されているポジション階層に基づきます。ポジション階層を定義し、対応するポジションを従業員に割り当てる必要があります。監督階層とは異なる階層が必要な場合、または異なる属性に基づいて複数の階層を選択する必要がある場合は、この階層を使用します。

承認グループ

タスクに参加するように構成された静的な事前定義済のユーザー・セットで構成されます。たとえば、タスク承認に参加する必要のある財務部門のユーザーで構成されたFinance Groupという名前の承認グループを作成できます。

リソース

特定のユーザー、エンタープライズ・グループまたはアプリケーション・ロールを使用して、承認者リストを構築します。

その他の考慮事項

承認ルールを定義する前に考慮するその他の機能は次のとおりです。

  • 元帳および仕訳ソースの両方が承認プロセスに対して使用可能になっている必要があります。

    注意:元帳(元帳仕訳ソースを含む)からインポートした仕訳の仕訳承認を使用可能にすることはできません。そうしないと、元帳からの仕訳が承認されていない場合、承認プロセスで仕訳が進まない可能性があります。元帳仕訳ソースの場合、元帳トランザクションの承認を元帳そのもので実行する必要があります。
  • 承認は、承認ルールで使用される属性に関係なく、仕訳バッチ全体が対象です。

  • 仕訳に承認が必要な場合、転記のために仕訳を発行すると、転記前に承認のために仕訳が自動的にルーティングされます。

  • 仕訳は、管理者によって承認者にエスカレートできます。

  • タスク開始者は、承認プロセスのどの時点でも、「仕訳」ページの「承認の取下げ」を選択して、プロセスから仕訳を取り下げることができます。このボタンをクリックすると、仕訳の編集が使用可能になります。変更を行ったら、承認のために再度仕訳を発行します。仕訳が取り下げられると、完了ステータスが「未完了」に設定されます。

  • 承認通知には、各仕訳の主要な仕訳属性の表と、過去、現在および将来の承認者のリストが表示されます。

  • 「仕訳」作業領域には、承認が必要な仕訳および他の人からの承認が保留中の仕訳が表示されます。

  • 現在の承認者である場合は、「仕訳」ページに承認または否認される仕訳が表示されます。

  • 配賦仕訳は、承認プロセスを介してルーティングされません。

  • 仕訳バッチに含まれる仕訳および仕訳明細の詳細を、オンラインおよびEメールの仕訳バッチ承認通知で確認できます。