多数のインスタンスを持つ1つの勘定体系構造の例
Oracle General Ledgerでは、勘定体系構造の概念に基づいて勘定体系モデルが構築されています。このモデルでは、1つ以上の勘定体系構造インスタンスを作成できます。
シナリオ
InFusion Corporationは、米国(US)および英国(UK)で運営している多国籍複合企業です。InFusion社では、一般会計およびOracle Fusion Cloudのすべての補助元帳を含むOracle Cloud ERPソリューションを購入済です。米国および英国での運営についての勘定体系を含むグローバルな財務レポート体系のモデルの作成を議論する委員会で議長を務めています。
InFusion Corporation
InFusion Corporationの従業員は400人強であり、その収益は1億2千万ドルです。製品ラインには、家庭およびビジネス向けの大気質モニタリング・システムを構築および保守するためのすべてのコンポーネントが含まれます。
勘定体系モデル
勘定体系構造により、勘定体系の概略が指定され、セグメントの数、タイプ、長さ、各セグメントのラベル(クオリファイア)が決定されます。これが勘定体系定義オブジェクトの基盤となります。
各勘定体系構造には、1つ以上の勘定体系構造インスタンスを関連付けることが可能です。同じ構造の勘定体系構造インスタンスは、同じセグメント、同じ順序および同じ特性の共通構成を共有します。インスタンスが複数ある1つの勘定体系構造を使用することで、会計およびレポートが簡略化されます。
勘定体系構造インスタンス・レベルでは、各セグメントがそのセグメントの特性に適合する値セットに関連付けられます。たとえば、セグメント・タイプと長さが同じである値セットを各セグメントに割り当てます。勘定体系セグメントを含む階層を使用しています。各構造インスタンス・セグメントには、関連付けられた値セットの階層情報のソースを示すツリー・コードが割り当てられます。同じ構造内または異なる構造で、同じ勘定体系インスタンス内または異なる勘定体系インスタンスにわたって同じ値セットを複数回使用できます。この機能によって、勘定体系全体のセグメント値の作成および保守が省力化されます。
各セグメントに対する値セットの全体的な割当てによって、1つの勘定体系インスタンスが形成されます。勘定体系構造インスタンス・レベルでは、動的挿入を使用可能にするように選択できます。動的挿入では、ユーザーが新しい勘定科目組合せを初めて入力したときに、その勘定科目組合せを自動的に作成できます。別の手段としては、それらを手動で作成します。動的挿入を使用可能にするよう決定することで、データ入力時間を短縮し、新しい勘定科目組合せの手動作成に起因する遅延を防止します。正しく定義された相互検証ルールにより、不適切な勘定科目組合せの作成を回避できます。
新規の勘定体系構造および構造インスタンスが定義された後、または変更可能ないずれかの属性が更新された後で、配置を実行します。配置により、必要なオブジェクトが検証および再生成され、勘定体系および勘定体系構造インスタンスが使用可能になります。組織の勘定体系を統一して標準化することで、一般会計の将来的な機能を最大限に活用できる状態になります。
要約すると、所属する会社に対して、元帳間で、組織の勘定体系を勘定体系の共通性に基づいた単一の勘定体系構造に統一することを提案しています。また、各エンティティに固有の値セットを使用することで、会計およびレポートの様々な要件に対応するように、勘定体系構造インスタンス構成体を使用することも決定しました。