収益認識の処理方法

各会計契約には、1つ以上の履行義務を含めることができます。収益は、履行義務の充足に基づいて認識されます。

収益認識に影響を及ぼす設定

履行義務は、ある時点または一定期間に充足されます。

  • ある時点: 履行義務のすべての収益は、完全に充足された時点で認識されます。

  • 一定期間: 収益は、義務の各部分の充足に伴い、増分的に認識されます。

各履行義務について認識される収益のタイミングと金額は、2つのキー属性によって決まります。

充足方法

Revenue Managementでは2つの充足方法が提供され、これらは、収益を認識するタイミングを決定するために履行義務の充足測定モデルと連携します。

充足方法

説明

完了が必要

収益は、履行義務のすべての約束詳細が完全に充足されたとき、履行義務に対して認識されます。

一部許可

収益は、義務の各部分の充足に伴い、履行義務に対して増分的に認識されます。

充足測定モデル

充足測定モデルを使用して、次のことを行います。

  • 履行義務がどのように充足されるかを識別します。

  • 実際に充足されたときに、アプリケーションで充足測定を記録します。

Revenue Managementでは、これらの充足測定を使用して充足イベントを測定します。充足イベントは、収益を認識するために使用されます。

Revenue Managementには、3つの充足測定モデルが備えられています。

充足測定モデル

説明

充足数量の測定

この方法は、履行義務の一部として指定数量の商品またはサービスを顧客に対して約束するときに使用します。商品またはサービスの数量が納入されるたびに、アプリケーションで履行義務充足測定イベントが作成されます。

部分的な数量が納入された場合は、1つの履行義務に対する充足イベントが複数になることがあります。

充足パーセントの測定

履行義務充足を完了した作業の割合として測定する場合、このモデルを使用します。履行義務充足イベントが作成され、完了した作業の割合が示されます。収益は、完了した作業と同じ割合で認識されます。

充足期間の測定

このモデルは、履行義務充足を充足期間によって測定する場合に使用します。履行義務充足イベントが作成され、充足された期間と、その期間の比例収益が示されます。

このモデルを使用した場合、ソース・アプリケーションにより次のものが提供されます。

  • 期間の合計数および各期間の比例収益を指定した充足プラン。

  • 履行義務が充足される期間のプラン開始日と任意でプラン終了日。

  • 充足プランが可変である場合、充足プランの期間数。

「収益の認識」プロセスにより、充足プラン内のすべての期間の充足測定イベントが事前に作成されます。

充足測定イベント

充足測定イベントによって、約束詳細の充足の進捗が記録されます。収益を認識するには、約束詳細に対して充足測定イベントを作成する必要があります。

  • 充足測定モデルが充足数量の測定または充足パーセントの測定である場合、充足測定イベントはソース・アプリケーションによって作成されます。たとえば、オーダー管理アプリケーションでは、出荷数量および受入済数量に基づいてイベントを送信できます。

  • 充足測定モデルが充足期間の測定である場合、Revenue Managementによって、ソース・アプリケーションによって約束詳細で提供された充足プランおよびプラン開始日と終了日を使用して、測定イベントが作成されます。Revenue Managementによって、充足プランの期間ごとに充足測定イベントが1つ作成されます。約束詳細がRevenue Managementにリンクされ、かつソース・アプリケーションによって充足プランと充足日が提供されない場合は、「顧客契約の管理」ページで、この情報を手動で指定する必要があります。

収益の認識方法

履行義務が完全に充足されたとき(充足方法が「完了が必要」の場合)、または部分的に充足されたとき(充足方法が「一部許可」の場合)に、収益が認識されます。

次の表に、携帯電話プランの3つの履行義務とその詳細の例を示します。

義務

販売金額

配分済割合

配分収益

認識済収益

充足日

2016年6月30日における充足ステータス

充足方法

PO722-Handset

299.99

29.37

668.06

668.06

2016年1月1日

完全充足

完了が必要

PO740-Data Plan

1014.96

36.04

819.97

204.14

2017年12月31日

一部充足済

一部許可

PO681-Talk and Text

960.00

34.59

786.92

195.91

2017年12月31日

一部充足済

一部許可

合計

2274.95

2274.95

1068.11

この例では、日付を2016年6月30日と仮定しています。この日付の時点で、次のようになっています。

  • 充足方法が「完了が必要」で、Handsetのすべての配分収益$668.06が2016年1月1日の当初トランザクション日に認識されているため、「Handset」履行義務の充足ステータスは「完全に充足」です。

  • Data Planの充足方法は「一部許可」であるため、「Data Plan」履行義務の充足ステータスは「一部充足済」です。このことは、配分金額$819.97の$204.14のみが2016年6月30日に充足されたことを意味します。

  • 同様に、「Talk and Text」履行義務の充足方法は「一部許可」、充足ステータスは、現在「一部充足済」になっています。$195.91の認識済収益金額は、$786.92の配分収益の一部のみです。

暗黙履行義務に対する収益の認識方法

暗黙履行義務の収益は、充足測定モデルに基づいて認識されます。

  • 数量またはパーセント: 「顧客契約」ページの「充足イベント」セクションで、充足イベントを手動で作成する必要があります。作成した充足イベントに基づいてアプリケーションで収益が認識されます。誤って作成した充足イベントは破棄できます。

  • 期間: 各期間終了に対して充足イベントが自動的に作成されます。プランの期間終了ごとにアプリケーションで収益が認識されます。