自動消込ルール・セットの使用例

この例では、自動消込ルール・セットの作成方法と使用方法を示します。

Global Freight Carriersから受け取った支払を管理するために、自動消込ルール・セットを作成します。この会社と期限内割引の契約はありますが、支払や割引の猶予日数がないため、期限を過ぎて受領した支払に対して延滞手数料を追加しません。

自動消込ルール・セットの作成

次の値を使用して、自動消込ルール・セットを作成します。

フィールド

未回収残高計算: 割引

期限内のみ

未回収残高計算: 延滞手数料

いいえ

未回収残高計算: 係争品目

いいえ

自動照合ルール: 一部入金消込

はい

自動照合ルール: 消込残高処理

対顧客勘定

自動消込ルール

1. 支払と請求書の照合

自動消込ルール

2. 勘定決済

自動消込ルール

3. 最も古い日付の請求書から消込

自動消込ルール・セットを使用した支払の処理

Global Freight Carriersに次の未処理請求書があり、そのいずれも係争中ではありません。

番号

残高

支払期日

割引日

割引額

123

$200

2002年12月11日

2002年12月01日

$20

124

$300

2002年12月08日

2002年11月30日

$30

125

$150

2002年12月13日

2002年11月28日

$15

預入日が2002年12月10日の$600の支払がGlobal Freight Carriersに入力されました。

作成した自動消込ルール・セットを使用して、Receivablesでは次のように支払が処理されます。

  1. 自動消込ルール1の「支払と請求書の照合」は失敗します。これは、入金の金額($600)と等しい未回収残高がある顧客オープン項目がないためです。

  2. Receivablesは自動消込ルール2を参照します。

  3. 顧客の計算済勘定残高($650)が入金額と同じでないため、自動消込ルール2の「勘定決済」は失敗します。

  4. Receivablesは自動消込ルール3を参照します。

  5. Receivablesでは、自動消込ルール3の「最も古い日付の請求書から消込」が使用されます。

    1. Receivablesは、最初に入金を最も古い請求書である請求書124 ($300)に消し込み、次の計算を実行します。

      • 2002年11月30日の割引日が過ぎており、「割引」フィールドが「期限内のみ」に設定されているため、$30の割引は使用できなくなりました。この請求書の未払額残高は、$0か、この品目に対して以前に評価された延滞手数料の金額と等しくなります。

      • 「延滞手数料」オプションは「いいえ」に設定されているため、延滞手数料は顧客未回収残高計算に含まれません。残りの入金額は$300.00となります。

    2. Receivablesは、次に古い請求書である請求書123に$200を消し込み、次の計算を実行します。

      • 請求書124と同様に、請求書123の割引日は過ぎており、$20の割引は使用できなくなりました。この請求書の未払額残高は、$0か、この品目に対して以前に評価された延滞手数料の金額と等しくなります。

      • 「延滞手数料」オプションは「いいえ」に設定されているため、延滞手数料は顧客未回収残高計算に含まれません。残りの入金額は$100となります。

    3. 「一部入金消込」オプションが「はい」に設定されているため、Receivablesでは、残りの$100が部分入金として請求書125 ($150)に消し込まれます。

      ノート: 「一部入金消込」オプションが「いいえ」に設定されている場合、残りの金額は請求書125に消し込まれません。「消込残高処理」オプションが「対顧客勘定」に設定されているため、かわりに勘定に記録されます。
      • 他の請求書と同様に、請求書125の割引日は過ぎており、$15の割引は使用できなくなりました。

      • この請求書に延滞手数料がない場合、未払額残高は$150から$50に減額され、オープンのままになります。