入金消込後の収益認識の例
これらの例は、繰延収益または偶発収益が含まれるトランザクションに対する入金消込の影響を示しています。
全額支払
請求書2002の$600をインポートしますが、Receivablesによってすべての収益が繰り延べられます(顧客に信用性がないため)。後でこの請求書に対する$600の支払を消し込みます。
全額支払が受領され、請求書に対して消し込まれたため、Receivablesは、最初に割り当てられた収益スケジューリング・ルールに従って、$600を前受収益勘定から減額し、$600を実現収益勘定に増額することで、収益を認識します。
一部入金消込
3つの請求書明細が含まれる$350の請求書をインポートします。Receivablesによって、すべての収益が繰り延べられます(顧客に信用性がなかったため)。
後でこの請求書に対する$100の入金を消し込みます。顧客に信用性がないため、Receivablesは、消込済入金の範囲でのみ収益を認識できます。これは一部入金であるため、Receivablesは、各請求書明細に属する収益の金額を計算する必要があります。
一部入金が消し込まれると、Receivablesは、加重平均式を使用して、各明細で認識する収益金額を計算します。Receivablesは、次のように各明細の収益を計算します。
-
明細1 = $50
($50/$350) * $100 = $14.28571
Receivablesはこの金額を$14.28に切り捨てます。
-
明細2 = $100
((($100+$50)/$350) * $100) - $14.28 = $28.5771
Receivablesはこの金額を$28.57に切り捨てます。
-
明細3 = $200
((($200+$100+$50)/$350) * $100) - ($14.28 + $28.57) = $57.15
Receivablesは、前の明細の端数処理に応じて最後の金額を切り上げます。
この請求書に対して消し込まれる先日付の入金は、明細ごとに収益に対して同様に計算されます。
複数の偶発がある一部入金消込
請求書3003に対する$400の支払を消し込みます。この請求書には、5つの明細があり、明細1は$200、明細2は$450、明細3は$100、明細4は$700、明細5は$550です。
Receivablesは、元の請求書3003をレビューし、次の理由から収益が繰り延べられていると判断します。
-
請求書3003には、拡張支払条件が割り当てられています。
-
明細3には、非標準の払戻ポリシーの偶発が関連付けられています。
-
明細5には、解約条項の偶発が関連付けられています。
$400の入金は一部支払であるため、Receivablesは、加重平均式に基づいてこの支払を請求書明細間で按分します。ただし、簡略化のため、Receivablesは各請求書明細に$80を消し込むと仮定します。
-
Receivablesは、明細1、2、4でそれぞれ$80の金額の収益を認識します。
-
時間ベースの偶発が失効していないため、Receivablesは、明細3と5の収益を認識できません。そのため、Receivablesは、後の日付で待ち状態の収益認識に相当する金額として、明細3と5に$80の支払をマークします。
後で偶発が失効すると、Receivablesは、明細3と5でそれぞれ$80の金額の収益を認識します。この請求書に対して消し込まれる先日付の入金も、同様に分析されます。
不適格なトランザクション
請求書1001に対する$200の支払を消し込みます。元の請求書1001のレビュー後、Receivablesは、このトランザクションが自動収益認識に対して適格ではないと判断します。考えられる理由は次のいずれかです。
-
請求書が手動で作成されていないか、自動インボイスを使用してインポートされていません。
-
繰延収益スケジューリング・ルールが請求書に割り当てられています。
-
イベントベースの収益管理が請求書に対してアクティブ化されていません。デフォルトの収益ポリシーが存在しないか、インポート時に請求書に偶発が存在していませんでした。
この場合、Receivablesは、この入金の詳細な分析に進むことはありません。請求書1001に対する支払の消込があっても、収益認識は発生しません。