抽出の提供に関するガイドライン

提供オプションは、抽出定義の一部として指定します。提供オプション・パラメータで、出力形式、提供方法(Eメール、FTP)およびBIパブリッシャ・レイヤーとの統合に必要なその他のパラメータを指定します。

提供オプションの仕組み

HCM抽出は、抽出されたデータを結果表にアーカイブし、XML出力としてデータベースに格納します。アプリケーションは、XML出力をHTML、PDF、EDT、XLSなどのフォーマット済出力に変換します。フォーマット済出力は、抽出定義で設定した提供オプションを使用して提供されます。

BIパブリッシャ・テンプレートを使用して、HCM抽出によって生成された未加工のXMLを特定の形式に変換できます。次の表では、提供オプションの定義時に使用できるキー・プロパティについて説明します。

プロパティ

摘要

提供オプション名

提供オプションを識別する名前を指定します。

提供タイプ

提供タイプを指定します。使用可能なオプションは、「Eメール」、「FTP」、「WebCenterコンテンツ」および「なし」です。

ノート: 「なし」の場合、大きな出力ファイルを処理できません。このオプションは、テストの目的にのみ使用します。

出力タイプ

出力ファイルの形式を指定します。

  • データ - デフォルトのHCM抽出形式で、このオプションではXML出力ファイルが出力されます。

  • CSV - HCM抽出では、他のBIパブリッシャ・テンプレートがなくてもこのオプションがサポートされます。

    使用可能な選択肢のリストにある他の形式を使用する場合は、書式設定およびBIパブリッシャ・レイヤーでの処理のためにBIパブリッシャ・テンプレートが必要です。

レポート

抽出によって生成されたXML出力を任意の書式に変換するために定義したBIパブリッシャ・レポートを指定します。これは、「データ」または「CSV」以外の出力タイプにのみ適用されます。

レポートの完全なBIフォルダ・パスを指定します。このパスがBIパブリッシャ設定のレポートのディレクトリ構造と一致していることを確認してください。

出力タイプが「データ」または「CSV」の場合は、このプロパティを空白のままにできます。

テンプレート名

BIパブリッシャ・レポートに関連付けるテンプレートを指定します。これは、「レポート」プロパティに値を指定した場合にのみ必要です。

分割モード

XML出力を分割して個別のファイルとして提供する場合は、分割モードを指定できます。たとえば、個々の従業員への給与明細書などです。

ノート: 出力タイプにCSVを選択した場合、他のBIパブリッシャ・テンプレートは必要ありません。ファイルは、構成に基づいてWebCenterコンテンツまたはSFTPの宛先に提供されます。Eメールなどの他の提供タイプには、BIパブリッシャ・テンプレートが必要です。

「抽出提供オプション」表の「必須」オプションを使用して、抽出実行が成功するために正常に実行する必要がある提供オプションを指定します。たとえば、給与分割などの重要な提供オプションには「必須」オプションを使用します。この提供オプションが失敗すると、抽出実行も失敗します。これは、抽出実行が、この提供オプションの正常な完了に依存するためです。また、抽出を正常に実行するためには重要ではないと考えられる任意の提供オプションに、「必須」オプションを使用することもできます。たとえば、自分自身へのEメール通知などの提供オプションについて、「必須」オプションの選択を解除します。この提供オプションが失敗しても、抽出実行は正常に完了します。これは、抽出実行が、この提供オプションに依存しないためです。

提供タイプの使用方法

選択した提供のタイプによって、抽出の宛先が決まります。提供タイプの中には、詳細情報が必要なものもあります。

提供モードとして「レコード文書」を選択して、出力をデータベースに格納し、従業員にレコード文書からの出力の表示を許可できます。文書の例として給与明細があります。XML出力が分割されて個別のファイルとしてバーストされている場合は、バースティング・ノードを選択できます。たとえば、すべての従業員にその給与明細を含むEメールを受信させる場合は、バースティング・ノードをEmployee_IDに設定します。「WebCenterコンテンツ」提供タイプを選択して、データで抽出を作成し、それをOracle WebCenter Contentに送信します。その後、手動で、または自分のスクリプトを使用してデータを自分のサーバーに転送できます。詳細は、My Oracle Supportの「Oracle Fusionファイル転送の自動化およびデータ・セキュリティ」を参照してください。

各提供タイプに対して、詳細を設定して構成を完了できます。提供タイプの構成に必要な詳細について次の表で説明します。

提供タイプおよび属性

摘要

提供タイプ: FTP

属性: 構成名

「データ交換」作業領域の「ファイル転送構成」ページからFTP構成の名前を指定します。

BI管理でFTP構成を定義している場合、構成名は空白です。

提供タイプ: FTP

属性: サーバー名

BI管理でFTP構成を定義している場合のサーバーの名前を指定します。

提供タイプ: FTP

属性: リモート・ディレクトリ

BIのFTP構成用に、ファイルを転送するリモート・ディレクトリの場所を指定します。

提供タイプ: WebCenterコンテンツ

属性: 暗号化モード

生成されたファイルを暗号化するかどうかを指定します。

提供タイプ: WebCenterコンテンツ

属性: 暗号化キー

暗号化するよう選択した場合に、暗号化に使用するキーを指定します。

提供タイプ: WebCenterコンテンツ

属性: 圧縮

生成されたファイルを圧縮するかどうかを指定します。圧縮および暗号化の順序を指定することもできます。

提供タイプ: WebCenterコンテンツ

属性: 統合名

WebCenterコンテンツのコンテンツID (UCMコンテンツID)を形成する名前を指定します。統合名の最初の11文字に抽出実行のプロセスIDが付加されたものがUCMコンテンツIDとなります(<first-11-characters-of-the-integration-name><process id>)

統合名に使用できるのは、英数字のみです。

提供タイプ: Eメール

属性: 差出人Eメール

生成された出力を受信者に送信する際の送信者のEメール・アドレスを指定します。

提供タイプ: Eメール

属性: Eメール・アドレス

生成されたファイルの提供先となる受信者のEメール・アドレスを指定します。

提供タイプ: Eメール

属性: Eメール本文

本文としてEメールに追加される自由形式テキストを指定します。

提供タイプ: Eメール

属性: CC/BCC/返信先

その他のEメール固有の構成を指定します。

出力ファイル名の定義

抽出の提供オプションを作成する際に、抽出属性と日付を選択して出力ファイル名を定義できます。この情報が動的出力として出力名に追加され、内部的にコードに変換されます。

出力名は次のコンポーネントで構成されます。
  • 提供オプション名(デフォルトで表示されます)

  • 抽出属性

  • 日付

1つのデータ要素(%de)を追加してファイル名の一部を作成でき、ファイル生成の日付を様々な形式でファイル名に追加することもできます。次の表に、日付コンポーネントを示します。

日付コンポーネント

摘要

%y | %m | %d

システム日付の年|月|日付コンポーネント

%H | %M | %S

システム時間の時間|分|秒コンポーネント

%edy | %edm | %edd

抽出実行時に指定する「有効日」パラメータの時間の年|月|日付コンポーネント

%edH | %edM | %edS

抽出実行時に指定する「有効日」パラメータの時間の時間|分|秒コンポーネント

出力ファイルを構成するステップに従います。日時コンポーネントを使用して作成されたファイル名が「出力名」属性に表示されます:
  1. 新しいFTP配信オプションを作成します。
  2. 「基本情報」セクションにレポート名とテンプレート名を入力し、必要に応じて出力タイプを変更します。
  3. 配信タイプの構成詳細を「拡張」セクションに入力します。
  4. 「出力ファイル名」セクションで、適切な属性を選択し、「追加」をクリックしてデータ要素(%de)を「出力名」に追加し、選択した属性に実行時ファイル名を関連付けます。
  5. 出力ファイル名に日付コンポーネントを追加する必要がある場合は、必要な日付書式を選択します。
  6. 「追加」をクリックし、提供オプションを保存します。

レポート・カテゴリ

提供オプションをレポート・カテゴリとしてグループ化し、特定のカテゴリを使用して提供するように抽出実行を設定できます。たとえば、レポート・カテゴリ1 (FTPおよびEメール)とレポート・カテゴリ2 (WebCenterコンテンツ)の抽出を設定できます。レポート・カテゴリ1を選択すると、出力はFTPおよびEメールで配信されます。

カテゴリを作成するには「抽出定義」ページの「レポート・カテゴリ」オプションを使用します。このオプションは、「抽出定義」ページの拡張編集モードでのみ表示されます。

ノート: 複数のレポート・カテゴリを使用することはお薦めしません。