合弁企業配分の請求書の作成について
合弁企業トランザクションを識別および配分するプロセスを実行したら、配分の請求書を作成できます。
「合弁企業請求書および仕訳の作成」プロセスをスケジュールして、次の請求書を作成できます:
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原価配分の売掛/未収金請求書
パートナ拠出金を使用して合弁企業の前払原価を支払い、利害関係者に残りの原価を請求する場合は、売掛/未収金請求書を作成する前にパートナ拠出金プロセスを完了します。
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収益配分の買掛/未払金請求書
請求書を作成するプロセスを実行したら、会計を完了するために次のプロセスが実行されていることを確認します:
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請求済原価の場合、売掛管理マネージャが標準プロセスを実行して、Oracle Receivablesで会計仕訳を作成し、Oracle General Ledgerに請求書を転記する必要があります。
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請求済収益の場合、買掛/未払金マネージャが標準プロセスを実行して、Oracle Payablesで会計仕訳を作成し、一般会計に請求書を転記する必要があります。
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Oracle Fusion Cloud Financials全体での会計処理の一貫性確保に役立てるために、次に、合弁企業会計担当は「合弁企業請求書および仕訳の作成」プロセス - 「請求書の会計の更新」モードを実行します。
このモードでは、請求済合弁企業配分のパートナ勘定科目、売掛/未収金勘定および負債勘定の取得に必要な情報が保存されます。続けて、この勘定科目情報で配分が更新され、ステータスが「プロセス完了」に変更されます。
請求書の作成基準
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営業経費、資本支出、間接費およびその他の手数料に関連付けられた原価配分。「合弁企業配分」作業領域で、「費用」、「資産」、「間接費」および「料金およびその他の手数料」勘定科目タイプを使用して原価配分が記録されます。
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「合弁企業配分」作業領域で、「収益」勘定科目タイプとして記録された収益配分。
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「プロセスに使用可能」ステータスの配分。「配分のみ」とマークされた配分は自動的に「プロセス完了」ステータスになり、請求には使用できません
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利害関係者プリファレンスが「請求書の作成」である配分。
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配分金額が請求書の作成に必要な最小金額以上。
最小請求書金額は合弁企業定義で指定されます。たとえば、最小売掛/未収金請求書金額を$500、最小買掛/未払金請求書金額を$300に設定するとします。プロセスにより、配分金額がそれぞれ$500または$300に達した場合にのみ請求書が作成されます。
請求書通貨
デフォルトでは、合弁企業に関連付けられたビジネス・ユニットのプライマリ元帳通貨で請求書が作成されます。
合弁企業に様々な国のパートナが関与している場合、パートナが自国の通貨で請求書を要求することがあります。その場合、管理パートナは、請求パートナまたは利害関係者レベルで請求書通貨の上書きを指定できます。「合弁企業請求書および仕訳の作成」プロセスを実行すると、利害関係者の請求書が上書き請求書通貨で生成されます。
売掛/未収金および買掛/未払金請求書の会計
売掛/未収金請求書の場合は、自動会計ルールまたは合弁企業定義で指定された勘定科目から導出された売掛/未収金勘定の金額が借方に記入されます。買掛/未払金請求書の場合は、デフォルトの買掛/未払金負債勘定または合弁企業定義で指定された勘定科目の金額が貸方記入されます。
管理パートナが補助元帳会計基準によって売掛/未収金勘定および負債勘定の勘定上書きを設定している場合、転記プロセスでは売掛/未収金請求書および買掛/未払金請求書の転記時にこの上書きが使用されます。
相殺会計仕訳の場合は、合弁企業管理の「パートナ勘定科目」という勘定科目に金額が記入されます。この勘定科目は、管理パートナが補助元帳会計基準を使用して設定し、売掛/未収金請求書の収益会計区分と買掛/未払金請求書の項目費用会計区分に記入されます。
次の例は、合弁企業請求書の買掛/未払金の会計を示しています。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
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パートナ勘定科目 | 30,000 USD | なし |
負債 | なし | 30,000 USD |
次の例は、合弁企業請求書の売掛/未収金の会計を示しています。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
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売掛/未収金勘定 | 30,000 USD | なし |
パートナ勘定科目 | なし | 30,000 USD |
パートナ拠出金を使用して配分済の原価をカバーする場合、パートナ拠出金残高で原価を完全にカバーできないことがあります。そのような場合、残りの原価は、「合弁企業請求書および仕訳の作成」プロセスを使用し、売掛/未収金請求書によってパートナに請求されます。請求書では、パートナ拠出金金額と請求書金額の両方が別々の請求書明細に記載されます。パートナ拠出金請求書明細では、パートナ拠出金金額が、合弁企業管理の「合弁企業パートナ拠出金勘定科目」という勘定科目に記入されます。この勘定科目は、パートナ拠出金の作成時に管理パートナによって設定され、Oracle Financialsの収益会計区分に記入されます。管理パートナが補助元帳会計基準を使用して勘定上書きを設定している場合、転記プロセスでは、売掛/未収金請求書の転記時にパートナ拠出金明細に対して勘定上書きが使用されます。
次の例は、配分済原価がパートナ拠出金請求書明細によって完全にカバーされているため、ゼロ金額請求書が生成される売掛/未収金の会計を示しています。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
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合弁企業パートナ拠出金勘定科目 (11-1001-49003-11-0001) |
50,000 USD | なし |
パートナ勘定科目 (11-1001-49002-11-0001) |
なし | 50,000 USD |
売掛/未収金 | 0 | なし |
次の例は、配分済原価がパートナ拠出金請求書明細で部分的にカバーされ、残りの金額を払い戻すために請求書明細が作成された売掛/未収金の会計を示しています。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
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売掛/未収金 | 10,000 USD | なし |
合弁企業パートナ拠出金勘定科目 (11-1001-49003-11-0001) |
20,000 USD | なし |
パートナ勘定科目 (11-1001-49002-11-0001) |
なし | 30,000 USD |
請求書の合弁企業詳細
請求書には、次の合弁企業情報が含まれます:
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各配分に関連付けられたビジネス・ユニット、顧客またはサプライヤの情報、通貨および配分金額。
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売掛/未収金請求書ヘッダーの「参照」フィールドに、請求書に関連付けられている合弁企業の名前が表示されます。
ノート: 追加権限を持つユーザーは、売掛/未収金請求書明細の「詳細」をクリックして、事前定義済フレックスフィールドに格納されている追加の合弁企業情報(合弁企業名、プライマリ・セグメント値、合弁企業配分タイプ(資産、費用、パートナ拠出金など)、勘定科目コード組合せIDおよび合弁企業ソースID)を表示できます。これらのフレックスフィールドの詳細は、合弁企業売掛/未収金請求書の事前定義済フレックスフィールドを参照してください。 -
当初トランザクションに請求書明細摘要が含まれていない場合、各請求書明細の摘要は合弁企業管理によって提供されます。明細摘要には、合弁企業名と「AR請求書」または「AP請求書」のいずれかが含まれます。または、パートナ拠出金を使用して原価配分をカバーしているかどうかに応じて「パートナ拠出金」が含まれることもあります。
請求に関連付けられた配分ステータス
「合弁企業配分」作業領域では、配分のステータスが請求プロセスのステージと結果を示します。
ステータス | 説明 |
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請求進行中 | 請求プロセスが開始され、まだ完了していないことを示します。 |
会計進行中 | 配分が請求されたが、「会計の作成」および「請求書の会計の更新」プロセスがまだ完了していないことを示します。 |
プロセス完了 | 配分が請求済で完全に計上済であることを示します。 |
エラー | エラーが発生したため配分が請求されなかったことを示します。 |
エラー発生時の配分の管理
合弁企業請求書を作成するプロセスによって生成されたログは、合弁企業会計担当がエラーの詳細を確認し、訂正処理を実行するために使用できます。エラーを訂正したら、次にスケジュールされているプロセスの実行で配分を処理できるように設定できます。
または、エラーを確認した後、次のいずれかの措置を行う必要がある場合もあります:
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エラーをすぐに解決できない場合は、配分ステータスを「エラー」から「保留中」に変更します。
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分析後に、配分を請求プロセスに含めないと決定した場合は、配分を「配分のみ」とマークします。
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配分を削除して、トランザクションを再配分し、その配分を再度請求できるようにします。「エラー」ステータスの配分を削除すると、合弁企業管理によって、同じトランザクションから発生した「エラー」、「プロセスに使用可能」または「保留中」ステータスの配分がすべて削除されます。「合弁企業トランザクション」作業領域のトランザクション・ステータスが自動的に「プロセスに使用可能」に変更されます。
請求書の作成時に発生する可能性のあるエラーの詳細は、「合弁企業請求書の作成に関する問題の訂正」を参照してください。
なんらかの理由(請求書の顧客情報やサプライヤ情報が間違っているなど)で請求書を逆仕訳する必要がある場合は、合弁企業逆仕訳プロセスを実行して、クレジット・メモまたはデビット・メモによって請求書を取り消すことが必要になります。詳細は、「配分逆仕訳方法」を参照してください。