Oracle Joint Venture Managementの概要

合弁企業管理を使用して、単一の合弁企業または数千の合弁企業の管理パートナが、合弁企業パートナ間での財務トランザクションの配分を管理できます。これにより、管理パートナの組織に対する外部パートナと、組織内の個別のビジネス・エンティティとして運営されている内部パートナの両方にレポートおよび請求する金額を管理できます。

初期設定後、次のタスクを自動的に実行するように合弁企業管理プロセスをスケジュールできます:

  • Oracle Fusion Cloud Financialsで合弁企業トランザクションを識別します。

  • 合弁企業の各パートナの所有割合に基づいてトランザクションを分割します。

  • トランザクションの各パートナのシェアを含む配分レコードを生成します。

  • 原価および収益に関連付けられている配分レコードを使用して、各パートナの売掛/未収金請求書、買掛/未払金請求書または社内転送仕訳を作成します。

ノート: 自社が管理、運営していない合弁企業のパートナである場合は、合弁企業管理を使用して、原価の負担分を再作成および追跡し、管理パートナによって正しい金額が請求されていることを確認できます。また、買掛/未払金請求書または社内転送仕訳を作成して、管理パートナに原価のシェアを支払うこともできます。

合弁企業管理では、合弁企業のライフ・サイクル中に合弁事業契約(JOA)の変更に応じて柔軟に修正できます。パートナを追加または削除したり、所有割合の変更に応じて修正することができます。合弁企業管理では直接請求もサポートされており、個々のパートナにトランザクションの全額を適用するオプションがあります。

監査および追跡の目的で、合弁企業管理では処理済トランザクションに関する重要な情報を保持して、配分金額に対するパートナの係争の解決を支援します。これにより、次の情報などの重要な詳細に簡単にアクセスできます:

  • トランザクション日、金額、およびトランザクションが最初に記録された勘定科目を含む当初トランザクション情報。

  • 配分があるすべてのパートナおよび各パートナの所有割合を含むパートナ情報。

  • 分割が計算され、配分金額が生成された日付。

  • 合弁企業請求書の作成時に割り当てられた請求書番号および日付を含む請求書情報。

  • 内部利害関係者の社内転送仕訳の詳細。

合弁企業管理には、次の機能も用意されています:

  • 合弁企業トランザクションに関するレポート作成、および合弁企業パートナに経費、収益、資産および負債のシェアの詳細を提供するレポート。
  • 合弁企業と関連トランザクションおよび配分に関するメトリックを含むチャートを表示する合弁企業会計マネージャ・ダッシュボード。

  • 合弁企業の設定が完了していない場合にユーザーにアラートするビジュアル・インジケータ。

  • パートナを一度設定して複数の合弁企業に追加する機能。

  • 分割計算の合計が当初トランザクション金額と等しくなるように、残りの原価または収益の配分を処理するための端数処理サポート。

  • 累積配分金額が請求するのに十分な金額である場合にのみパートナに請求されるように、請求書を作成するための最小金額しきい値。

請求修正および現金仮払金の管理の機能

合弁企業の管理パートナは、合弁事業契約の条件(特に合弁企業パートナ間でシェアされる財務トランザクションの割合)を再交渉することが一般的です。新しい条件が、すでに配分されている合弁企業トランザクションに影響する場合は、合弁企業管理を使用して、合弁事業契約の遡及日に従ってトランザクションを遡及的に再配分できます。プロセスにより、新しい割合が設定される前に生成されたすべてのパートナ請求書または社内転送仕訳が自動的に貸方記入されます。また、管理パートナは、請求または仕訳された配分を選択的に逆仕訳して、別の利害関係者に再割当することもできます。

合弁企業管理を使用して、合弁企業パートナからの現金仮払金を管理し、合弁企業に関連する前払および継続費用をカバーすることもできます。パートナ拠出金と呼ばれる現金仮払金を合弁企業のパートナに関連付けることができます。その後、拠出金から自動的に引き出して各パートナの原価のシェアを支払うように、合弁企業管理を構成できます。パートナ拠出金からの自動引出しを使用すると、パートナ拠出金金額を使い切った後にのみパートナから支払が要求されるようにできます。

Oracle Project Costingとの統合

「プロジェクト資産計上および進行状況管理」機能を使用すると、プロジェクト関連トランザクションから発生する合弁企業配分から原価修正を作成するように、合弁企業管理を設定できます。その後、プロジェクト・マネージャは、原価修正をプロジェクト原価計算にインポートできます。プロジェクト原価計算にインポートすると、原価修正は総額から減算されるマイナスの金額となるため、プロジェクト・マネージャは正確な資産計上済原価を認識できます。さらに、パートナの経費のシェアを回収するために合弁企業管理から生成された請求書および仕訳にプロジェクト詳細が含められます。これにより、個々の合弁企業パートナの原価のシェアについて、特定のプロジェクトおよびタスクに対するトレーサビリティが提供されます。

プロジェクト原価計算との統合により、次のオプションも提供されます:

合弁企業間接費の管理

合弁企業管理では、合弁企業パートナから間接費を回収するために、様々なタイプの間接費方法を設定できます。合弁企業パートナに固定間接費金額を定期的に請求する間接費方法を設定できます。または、次のいずれかのファクタに基づいて間接費金額を計算する間接費方法を設定できます:

  • 原価のパーセント

  • スライド制による原価のパーセント

  • レート

  • スライド制によるレート

間接費方法の定期修正を設定して、間接費方法の固定金額、パーセントまたはレートを自動的に修正することもできます。

運用メジャーおよび運用状態の管理

合弁企業管理を使用して、合弁企業の運用メジャーと運用状態を格納および管理できます。このデータは、合弁企業の分析で合弁企業パートナへの間接費の請求の基準として、または合弁企業に費用を配賦するために使用できます。

成功報酬構成および追跡

合弁企業管理では、成功報酬契約の条件に従って、合弁企業トランザクションを配分できます。成功報酬処理により、成功報酬契約における同意パートナによる非同意パートナに対する金額を追跡およびレポートできます。