24.1 JSONデータ・ガイドの概要
データ・ガイドは、一連のJSON文書に含まれる構造および型情報の概要を示します。これらの文書内で使用されているフィールドに関するメタデータを記録します。
たとえば、例1-1に示されたJSONオブジェクトの場合、その文書にShippingInstructions
オブジェクトがあり、これがname
、Address
、Phone
の各フィールドを持ち、それぞれの型が文字列、オブジェクト、配列であることが、その他の事項と一緒にデータ・ガイドに指定されます。同様に、オブジェクトAddress
の構造も配列Phone
内の要素の型として記録されます。
JSONデータ・ガイド情報は、JSON検索索引インフラストラクチャの一部として永続的な保存が可能です。この情報は、新しいJSONコンテンツが追加されると自動的に更新されます。このオプションのデータガイド・サポートは、JSON検索索引の作成時に指定します。
データ・ガイドは次の用途に使用できます。
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データ・マイニング、ビジネス・インテリジェンス、その他のJSON文書の分析が関係するアプリケーションを開発するための基盤として。
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検索を含む、要求されたJSON情報に関するユーザー支援を提供するための基盤として。
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新しいJSON文書を文書セットに追加する前に、確認または操作する(特定のフィールドの検証、型チェック、除外など)目的。
このような目的のために、次の操作を実行できます。
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フィールド長や最低特定の頻度で出現するフィールドなど、文書セットに関する情報について直接データ・ガイドに問い合せます。
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データ・ガイドに従って、関係する特定のJSONフィールドの重要性に基づいて、フィールドを投影するビューを作成するか、仮想列を追加します。
ノート:
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ビューよりも仮想列に利点があるのは、仮想列の索引を構築し、オプティマイザ用に仮想列に関する統計を取得できることです。
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表ごとの仮想列の数は、初期化パラメータ
MAX_COLUMNS
の値によって制限されます。デフォルトでは、その値は最大1000列を意味するSTANDARD
です。『Oracle Databaseリファレンス』のMAX_COLUMNSに関する項を参照してください。
ノート:
データ・ガイドは、既存のJSON文書セットの構造を知る手掛かりとなります。JSONデータを検証するには、JSONスキーマを使用します。FORMAT_SCHEMA
またはFORMAT_HIERARCHICAL
のいずれかで作成されたデータ・ガイドはJSONスキーマですが、検証にはFORMAT_SCHEMA
で作成されたデータ・ガイドのみが役立ちます。
次のデータ・ガイド機能が適用されます。
ノート:
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パスの長さ: 4000バイト。4000バイトよりも長いパスは、データ・ガイドで無視されます。
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親ノードの下の子の数: 5000。子が5000を超えるノードは、データ・ガイドで無視されます。
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フィールド値の長さ: 32767バイト32767バイトよりも長い値がJSONフィールドに含まれる場合、データ・ガイドはその長さを32767として報告します。
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長さがゼロ(空)のオブジェクト・フィールド名(
""
)を含むデータのデータ・ガイドの動作は定義されていません。
関連項目:
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Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス(
DBMS_JSON.get_index_dataguide
の詳細) -
Oracle Database SQL言語リファレンス(SQLファンクション
json_dataguide
の詳細)