Oracle ASMまたはデータベースが起動するたびに、システム・グローバル領域(SGA)という共有メモリー領域が割り当てられ、Oracle ASMバックグラウンド・プロセスが起動されます。ただし、Oracle ASMが実行するタスクの量はデータベースよりも少ないため、Oracle ASMのSGAはデータベースのSGAよりもかなり小さくなります。バックグラウンド・プロセスとSGAの組合せをOracle ASMインスタンスと呼びます。このインスタンスは、実行中のOracle ASM環境のCPUとRAMコンポーネントを表します。
Oracle ASMインスタンスのSGAとデータベース・インスタンスのSGAでは、メモリーの割当てと使用方法が異なります。Oracle ASMインスタンスのSGAは、次の4つの主な領域に分かれています:
- 共有プール: メタデータ情報に使用されます
- ラージ・プール: パラレル操作に使用されます
- Oracle ASMキャッシュ: リバランス操作中のブロックの読取りおよび書込みに使用されます
- 空きメモリー: 使用可能な割り当てられていないメモリー
Oracle ASMインスタンスのメモリー容量は256 MB以上にすることをお薦めします。Oracle ASMインスタンスでは、自動メモリー管理がデフォルトで有効になっており、SGAメモリーの個々のコンポーネント・サイズは動的に調整されます。Oracle ASMインスタンスに必要なメモリー容量は、Oracle ASMで管理しているディスク領域の容量によって異なります。
Oracle ASMインスタンスの2つ目の要素は、バックグラウンド・プロセスです。Oracle ASMインスタンスには多くのバックグラウンド・プロセスを含めることができますが、すべてが常に存在するわけではありません。Oracle ASMインスタンスはOracle AI Databaseインスタンスと同じコード・ベースを共有しているため、データベース・インスタンスに必要なすべてのバックグラウンド・プロセスがOracle ASMインスタンスに存在します。必須のバックグラウンド・プロセスとオプションのバックグラウンド・プロセスがあります。これらのプロセスには、次のものが含まれる場合があります。
- CKPT: チェックポイント・プロセス
- DBWn: データベース・ライター・プロセス
- DIAG: 診断プロセス
- LGWR: ログ・ライター・プロセス
- PMON: プロセス・モニター・プロセス
- PSP0: プロセス・スポーナ・プロセス
- SMON: システム・モニター・プロセス
- VKTM: 時間の仮想キーパー・プロセス
- MMAN: メモリー・マネージャ・プロセス
このプロセス・リストは、すべてを網羅したものではありません。インスタンスのデータベース・オプションと構成によっては、データベース・インスタンスのバックグラウンド・プロセスが何百と実行される場合があります。Oracle ASMインスタンスでは、これらのプロセスが、データベース・インスタンスの場合と同じタスクを実行するとはかぎりません。たとえば、データベース・インスタンスのLGWRプロセスは、変更ベクトルをSGAのログ・バッファ・セクションからディスク上のオンラインREDOログにコピーします。Oracle ASMインスタンスのSGAにはログ・バッファがなく、オンラインREDOログが使用されることもありません。Oracle ASMインスタンスのLGWRプロセスは、ログ情報をOracle ASMディスク・グループにコピーします。
Oracle ASMがクラスタ化されている場合は、クラスタ管理に関連するプロセスもOracle ASMインスタンスで実行されます。たとえば、次のようなプロセスがあります。
- LMON: グローバル・エンキュー・サービス・モニター・プロセス
- LMDn: グローバル・エンキュー・サービス・デーモン
- LMSn: グローバル・キャッシュ・サービス・プロセス
- LCKn: ロック・プロセス
ADVMボリュームが構成されている場合は、次のプロセスも起動されます。
- VDBG: ボリューム・ドライバ・バックグラウンド・プロセスは、ボリューム操作のためにエクステントをロックまたはロック解除するOracle ASMリクエストを動的ボリューム・マネージャ・ドライバに転送します。VDBGは非常に重要なバックグラウンド・プロセスであるため、このプロセスが終了するとOracle ASMインスタンスも停止します。
- VBGn: ボリューム・バックグラウンド・プロセスは、動的ボリューム・マネージャ・ドライバからのリクエスト(Oracle ASMインスタンスとの調整が必要なリクエスト)を待機します。このようなリクエストの例としては、動的ボリューム・マネージャ・ドライバが(ファイル・システムのマウント・リクエストなどで)ボリュームのオープンを受け取る場合や、(ファイル・システムのアンマウント・リクエストなどで)開いているボリュームのクローズを受け取る場合の、Oracle ASMボリューム・ファイルのオープンやクローズがあります。これらのプロセスは、そのいずれかが計画外で停止しても、Oracle ASMインスタンスには影響しません。
- VMB: ボリューム・メンバーシップ・バックグラウンドは、クラスタ・メンバーシップとOracle ASMインスタンスの連携を調整します。
Oracle ASMインスタンスは、その機能のほとんどに専用のバックグラウンド・プロセスを使用します。