9.6 教師なし分類(クラスタリング)

ルールベース分類の場合は、ユーザー自身がドキュメントを分類するルールを作成します。教師なし分類の場合は、Oracle Textによりルールが作成されますが、事前分類したトレーニング・ドキュメント・セットを提供する必要があります。教師なし分類(またはクラスタリング)では、トレーニング・ドキュメント・セットを提供する必要がありません。

CTX_CLS.CLUSTERINGプロシージャを使用して、クラスタ化が行われます。CTX_CLS.CLUSTERINGにより、クラスタと呼ばれるドキュメント・グループの階層が作成され、ドキュメントごとに全リーフ・クラスタの関連性のスコアが戻されます。

たとえば、動物に関するドキュメントの膨大なコレクションがあるとします。CTX_CLS.CLUSTERINGは、犬、猫、魚、熊に関するリーフ・クラスタを個別に作成します。(最初の3つのリーフ・クラスタをペットに関するノード・クラスタの下位にグループ化できます。)さらに、チワワなど、特定の犬種に関するドキュメントがあるとします。CTX_CLS.CLUSTERINGは、関連性スコアの高いドキュメントに犬のクラスタが割り当てられ、猫のクラスタにはそれより低いスコアが割り当てられ、魚と熊のクラスタにはさらに低いスコアが割り当てられます。すべてのクラスタのスコアがすべてのドキュメントに割り当てられると、アプリケーションではスコアに基づいて処理を実行できます。

意思決定ツリー教師あり分類に示したように、クラスタの決定に使用される属性は単純なワード(またはトークン)、ワードのステムおよびテーマ(サポートされている場合)で構成されます。

CTX_CLS.CLUSTERINGにより、出力は2つの表(インメモリー表)に割り当てられます。

  • 各リーフ・クラスタに対するドキュメントの類似性を示すドキュメント割当て表。この情報は、ドキュメント識別、クラスタ識別およびドキュメントとクラスタ間の類似性のスコアで表されます。

  • 生成されたクラスタに関する情報が含まれているクラスタ説明表。この表には、クラスタ識別、クラスタ説明テキスト、提示されたクラスタ・ラベル、およびクラスタの品質スコアが含まれます。

CTX_CLS.CLUSTERINGでは、K-MEANアルゴリズムを使用して、クラスタ化を実行します。KMEAN_CLUSTERINGプリファレンスを使用して、CTX_CLS.CLUSTERINGの操作方法を決定します。

関連項目:

クラスタ・タイプおよび階層的クラスタ化の詳細は、『Oracle Textリファレンス』を参照してください。