5 データ・サブセッティング

この章では、Oracle Data Subsettingを構成するコンポーネントの概念情報と、サブセットを定義する方法など、タスク順序の実行に関する手順について説明します。データ・サブセッティングでは、アプリケーション・データ・モデル(ADM)が作成されていることを想定しています。

ノート:

データ・サブセッティング機能を使用するには、Oracle Data Masking and Subsetting Packライセンスが必要です。

データ・サブセッティングのワークフロー

このフローチャートでは、データ・サブセッティングを実行するステップについて説明します。サブセット・テンプレートのインポート/エクスポートなど、関連付けられたいくつかの機能はここでは強調されていません。

図5-1 データ・サブセッティングのワークフロー

図5-1の説明が続きます
「図5-1 データ・サブセッティングのワークフロー」の説明

この図は、Oracle Data Masking and Subsetting (DMS)のデータ・サブセッティングのワークフローを示しています。このプロセスは、特定のデータ・セットを識別および抽出するためのサブセッティング定義の作成から始まります。次に、ユーザーはオブジェクト・ルールを追加または編集して、データのフィルタリング方法を定義できます。オプションで、サブセッティング・プロセス中にデータが匿名化されるようにするために、マスキング定義を追加できます。最後のステップでは、定義されたルールを適用し、サブセッティングされたデータを抽出するスクリプトを生成および実行します。この合理化されたワークフローにより、ユーザーは単一のプロセスでデータを安全にサブセッティングし、必要に応じてマスキングできます。

データ・サブセッティング定義

この項で説明する手順では、サブセット定義の作成後、そのプロパティを編集したりサブセット定義をエクスポートするなどのタスクを実行するサブセット・データベースを作成できます。

このインタフェースでは、サブセットの定義の作成時に、インラインまたはソースでマスキングを実行できます。

続行する前に、次の要件および補足情報を確認してください: 前提条件

サブセッティング定義の作成

データ・サブセット定義を作成するには:

  1. メイン・メニューから、「ターゲット」に移動し、「データベース」を選択します。次に、「セキュリティ」「Data Masking and Subsetting」の順に移動し、「データ・サブセッティング」を選択します。

  2. 「データ・サブセッティング定義」ページで「アクション」メニューを開き、「作成」を選択するか、または「作成」アイコンをクリックします。

  3. データ・サブセット定義のプロパティを定義します。

    1. 表示された一般ポップアップで必要な情報を指定し、「続行」をクリックします。

      アプリケーション・データ・モデルと関連付けられているいずれかのソース・データベースを選択できます。

      サブセット定義内でマスキングを行う場合、マスク定義の作成時に使用した同じADMおよびターゲットを使用する必要があります。

    2. ジョブ名、資格証明を指定し、表示される「アプリケーション詳細コレクションのスケジュール」ポップアップでスケジュールを指定して、「発行」をクリックします。

      新しい資格証明を使用する場合は、新しい資格証明オプションを選択します。それ以外の場合は、「優先資格証明」オプションまたは「名前付き資格証明」オプションを選択します。

    容量の見積りの収集ジョブが実行され、データ・サブセット定義ページが表示されます。表に定義が表示され、「最新のジョブ・ステータス」列に、選択されているスケジュール・オプション、およびジョブを完了するために必要な時間に応じて、「スケジュール済」、「実行中」または「成功」が示されます。

    オブジェクト(サブセッティング)ルールの追加

  4. 表内の定義を選択し、上部の「編集」アイコンをクリックするか、「アクション」メニューに移動して「編集」を選択します。

    「データベース・ログイン」ページが表示されます。

  5. 優先資格証明を設定していない場合は「名前付き資格証明」または新しい資格証明を選択し、「ログイン」をクリックします。

  6. 「編集」ページの「アプリケーション」サブページで、アプリケーションを次のように「使用可能」リストから「選択済」リストへ移動します。

    • データのマスキングのみを行う(サブセット化は行わず)場合は、すべてのアプリケーションを選択します。

    • データのサブセット化のみを行う(マスキングは行わず)場合は、必要な適切なアプリケーションを選択します。

    • データのサブセット化およびマスキングを両方とも行う場合、マスキング定義で必要なアプリケーションを選択する必要があります。

    アプリケーション・スイート、アプリケーションまたはアプリケーション・モジュールの名前はアプリケーション・データ・モデル内に保持されています。

  7. 「オブジェクト・ルール」タブをクリックします。

    ノート:

    マスキングのみを行う場合は、「デフォルト・オブジェクト行」オプションを設定してすべての行を含めて、ステップ13に進みます。「列マスク・ルール」タブ、「ルール・パラメータ」タブおよび「オブジェクト・ルール」タブ上のその他の機能は、特にサブセッティングに関連があります。

    ここでルールを追加し、サブセットに含めるデータを定義できます。

  8. 「アクション」を選択し、「作成」を選択して「オブジェクト・ルール」ポップアップを表示するか、「作成」アイコンをクリックします。

    1. ルールを指定するアプリケーションを選択します。すべてのオブジェクト、特定のオブジェクトまたは特定のオブジェクト・タイプとルールを関連付けます。

    2. 「含める行」セクションで「すべてのオブジェクト」を選択する場合、行の割合部分で行のすべての行または一部の行を選択します。

    3. オブジェクト・タイプとして「指定済」を選択した場合、選択したアプリケーションからの表がドロップダウン・リストに表示されます。

      「含める行」セクションで行の割合部分ですべての行または一部の行を選択します。より細かいレベルで、region_id=6などのWhere句を指定できます。

      選択した表がパーティション化されている場合は、「パーティションの追加/削除」をクリックし、サブセットに含める必要のあるオブジェクトのパーティションおよびサブパーティションを選択します。

    4. 「関連行を含む」セクションで、次のいずれかを実行します。

      • 「祖先および子孫オブジェクト」を選択する

        このルールは、親列および子列に影響を与えますが、参照整合性が保持され、サブセットの一部として子列も選択されます。

      • 「祖先オブジェクトのみ」を選択する

        グローバル・ルールが「すべての行を含む」に設定されると、このオプションは使用不可になり、「行を含まない」に設定されると使用可能になります。このルールは、親列にのみ影響し、参照整合性が保持されます。

      • 「子孫オブジェクトのみ」を選択する

        グローバル・ルールが「行を含まない」に設定されると、このオプションは使用不可になり、「すべての行を含む」に設定されると使用可能になります。

      「関連行を含む」チェック・ボックスを無効にすると、参照整合性が保持されない場合があります。ただし、関連する表に追加のルールを指定して、参照整合性をリストアすることもできます。Where句を指定するかどうかによって、このチェック・ボックスを無効にできます。

    5. Where句を指定する場合、次のステップに進みます。それ以外の場合は、ステップ9に進みます。

    6. 必要に応じて、句に対するルール・パラメータを指定します。

      たとえば、従業員IDの値をemployee_id=:emp_idとして指定する場合、デフォルトの100に問合せ値を入力できます。

      • 「次の条件の行」ボタンを選択し、employee_id=:emp_idを入力します。

      • 「OK」をクリックしてルールを保存し、「オブジェクト・ルール」タブに戻ります。

        これが新しいルールである場合、「バインド変数emp_idに対応するルール・パラメータは、サブセットを生成する前に作成する必要があります。」という警告が表示されます。

      • 表ルールを選択して、「ルール・パラメータ」タブをクリックしてから「作成」をクリックします。

        ルール・パラメータのプロパティ・ポップアップが表示されます。

      • 「名前」にemp_id、「値」に100を入力します。

        ノート:

        emp_idの前にあるコロン(:)はWhere句内にのみ存在し、新規ルール・パラメータの作成時には必要ありません。
      • 「OK」をクリックして、「ルール・パラメータ」タブに表示されているプロパティを保存します。

      • ステップ10にスキップします。

  9. 「OK」をクリックしてルールを保存し、「オブジェクト・ルール」タブに戻ります。

    リスト内に新規ルールが表示されます。その下の表に、関連オブジェクトが表示されます。オブジェクトからの関連行は、サブセット・データベース内の参照整合性を維持するために、サブセットに含まれています。

  10. 「オブジェクト・ルール」タブの「関連オブジェクト」セクションで、サブセット内の祖先および子孫のレベルを制御することで、サブセットのサイズを管理できます。表内の各ノードにはチェック・ボックスがあります。デフォルトでは、チェック・マークで示されたように、すべてのノードはサブセットに含まれます。サブセットからノードを除外するには、チェック・ボックスを選択解除します。選択解除オプションは親行には無効になります(右側の結合列は親行および子行を識別します)。また、サブレットのコンテンツに次のような他の絞込みを行うこともできます。

    • 「親オブジェクトの除外を許可」をクリックします。これにより、グレー表示されていたチェック・マークが有効になります。チェック・ボックスを選択解除することによって、サブセットから親行を選択して除外できます。

    • 表内のノードを選択し、子孫の追加をクリックして、関連行を含めます。開いているダイアログで適切に選択して、「OK」をクリックします。

    これらの絞込みを行うと、右側の列は、サブセットの容量の見積りへの影響を反映します。また、「関連オブジェクト」セクションは、祖先および子孫の表の処理順序を示し、各オブジェクトを含めることの影響が詳細に表示されます。絞込みが終了したら、「容量の見積もり」タブに移動して、サブセットの全体のサイズへの影響の、より詳細な粒度を表示します。

  11. 「オブジェクト・ルール」タブの「デフォルト・オブジェクト行」セクションで、サブセットに定義されたルールの影響を受けないオブジェクトを含めるか除外するかを選択します。

    「すべての行を含む」オプションを選択すると、オブジェクトのすべての行がそのサブセットの一部として選択されます。

    これは、グローバル・ルールで、サブセット全体に適用されます。「すべての行を含む」オプションを選択できるのは、すべてのルールのスコープが「なし」である場合のみです。「オブジェクト・ルール」ポップアップで「関連行を含む」オプションの選択を解除すると、有効範囲が「なし」に設定されます。

    ノート:

    列ルールを持つサブセット定義の場合は(ステップ12を参照)、対応するオブジェクトが含まれるように、オブジェクト・ルールを使用してください。必要に応じて、「デフォルト・オブジェクト行」オプションを使用して、オブジェクト・ルールの影響を受けないすべてのオブジェクトを含めることもできます。
  12. オプション: 「列マスク・ルール」タブをクリックして、サブセット定義の一部としてマスキングを実行します。

    1. 「作成」をクリックし、スキーマ内の列をフィルタ処理するための検索基準を入力します。通常これらは、CLOBやBLOBなどの垂直列です。

      ノート:

      マスキング定義(ステップ13を参照)のかわりに列マスク・ルールを使用する場合、特定の表で選択できるのは10列のみです。この制限は、エクスポート・メソッドに該当し、インプレース削除メソッドには該当しません。

      「OK」をクリックします。

    2. 列の検索結果で行を1つ以上選択し、「マスキング・フォーマットの管理」をクリックします。

    3. ポップアップ・ダイアログで、列に適用するマスキング・フォーマットと値を選択します。複数選択する場合は、1つのフォーマットがすべての列に対して適切であることが必要です。列を複数選択する場合は、選択する列のルール・フォーマットを選択された列に適用できることを確認してください。コンプライアンスに準拠するには、nullではなく、一意の列(フラグ)を使用します。

      「OK」をクリックして、列にマスキング・フォーマットを適用します。

  13. オプション: 「データ・マスキング定義」タブをクリックして、サブセッティング操作の一部としてマスキング定義を含めるか、ソース・データでのみマスキングを実行します。

    1. 「追加」をクリックします。

    2. ポップアップ・ダイアログで、適切な定義を取得する検索基準を入力します。必要なラジオ・ボタン(「すべて」または「任意」)を必ず選択してください。インライン・マスキングでは、複合マスキングを除く、すべてのフォーマットがサポートされています。

    検索を実行すると、検索結果がデータ・マスキング表に表示されます。マスキング定義を選択し、「OK」をクリックします。

  14. 「容量の見積もり」タブをクリックします。

    • 「推定サブセット・サイズMB」列の値に注意してください。容量の見積りは、オプティマイザ統計に依存し、ヒストグラム統計が存在する場合は、実際のデータの配分のみが計算されます。

    • 新規ルールを追加する場合は常に、更新値の容量の見積りを再確認します。

    • 「容量の見積もり」サブページのデータは、一番大きなアプリケーションが一番上に表示されるようにソートされています。

    ノート:

    容量の見積りは、dbms_stats.gather_table_statsが使用されている場合にのみ正確です。また、データ・マスキングが使用されている場合、その影響は容量の見積りに反映されません。Where句および後続のルール・パラメータ・プロパティを指定する場合、「容量の見積もり」サブページは、「ルール・パラメータ」タブに含まれている値で更新されます。
  15. オプション: 「サブセット前/後スクリプト」タブをクリックします。

    • サブセット・データを選択する前にサブセット・データベースで実行するサブセット前スクリプトを指定できます。

    • サブセット・データをアセンブルした後にサブセット・データベースで実行するサブセット後スクリプトを指定できます。

    • どちらのスクリプト・タイプも、ソース・データベースで実行されます。

    ノート:

    サブセット前またはサブセット後のスクリプトに定義されているPL/SQLブロックの末尾に「/」がついていることを確認してください。
  16. 「戻る」をクリックします。

    定義が完了し、「データ・サブセッティング定義」表に表示されます。

これで、スクリプトの生成を続行できます。または、今後使用するために、スクリプトを保存することも可能です。どちらの場合でも、ダンプ・ファイルにデータをエクスポートするか、ターゲット・データベースからデータを削除するかを決定する必要があります。

ヒント:たとえば、4TBの非常に大きなデータベースがあり、10%などの少量の行をエクスポートする場合は、エクスポートの方法を使用すると便利です。インプレース削除メソッドを使用するには、3.6TBのデータが必要で、エクスポート・メソッドのように速くは行われません。

削除されるデータの量がデータ・サイズ全体の少量である場合は、インプレース削除メソッドをお薦めします。

サブセット・スクリプトの生成

サブセット・スクリプトを生成するためにジョブを準備して発行するには:

  1. 表内の定義を選択し、「アクション」メニューを開き、「サブセットの生成」を選択します。

    「サブセットの生成」ポップアップが表示されます。

  2. ターゲット・データベースを選択します。サブセット・モデルの作成に使用したものと同じターゲット・データベースか、類似した表スキーマとオブジェクトを含むデータベースのいずれかです。
  3. エクスポート・ファイルへサブセット・データを書き込む方法とターゲット・データベースからデータを削除する方法のどちらを使用してサブセットを作成するかを決定します。

    ノート:

    データの削除を選択すると、本番データベースではなく本番データベースのクローン・コピーから不要なデータを削除することにより、インプレース・サブセットが作成されます。ルールを満たすデータのみが保持されます。このオプションは、本番データベースに対しては決して使用しないでください。

    優先資格証明を設定していない場合は、「名前付き資格証明」または新しい資格証明を選択します。

    「ルール・パラメータ」タブからパラメータを定義した場合、それらのパラメータは下にある表に表示されます。パラメータの値は、「値」列の関連するフィールドをクリックすると変更できます。

  4. 「続行」をクリックして「パラメータ」ポップアップにアクセスします。ポップアップのコンテンツは、前のステップで、エクスポートと削除のどちらのオプションを選択したかに応じて異なります。

    「エクスポート・ファイルへのサブセット・データの書込み」の場合は、必要な情報を指定し、「続行」をクリックしてジョブをスケジュールします。

    • エクスポート・ダンプを保存するサブセット・ディレクトリを指定します。ドロップダウン・リストは、アクセス権を持つディレクトリ・オブジェクトで構成されます。カスタムのディレクトリ・パスを選択することも可能です。外部ディレクトリを使用して処理を高速化する場合は、チェック・ボックスをクリックします。推奨されるデフォルト: DATA_PUMP_DIR

    • デフォルトをオーバーライドする場合、適切な値を指定します。エクスポート・ファイルの名前を入力します。最大ファイル・サイズをMB単位で指定します。エクスポート・ジョブのために、アクティブな実行操作の最大スレッド数を指定します。これにより、リソース消費と経過時間のバランスを取ることができます。

    • サブセッティングされたデータのみをエクスポートするか、サブセッティングされたデータとともにデータベース全体をエクスポートするかを指定します。

    • ダンプ・ファイルの圧縮および暗号化を有効にするかどうかを選択します。該当する場合は、暗号化パスワードを入力して確認します。デフォルトでは、ログ・ファイルの生成が選択されています。

    「ターゲット・データベースからのデータの削除」の場合は、必要な情報を指定し、「続行」をクリックしてジョブをスケジュールします。

    • サブセット・スクリプトを保存するサブセット・ディレクトリを指定します。ドロップダウン・リストは、アクセス権を持つディレクトリ・オブジェクトで構成されます。カスタムのディレクトリ・パスを選択することも可能です。推奨されるデフォルト: DATA_FILE_DIR

    • 先に進むには選択したターゲットが本番データベースでないことを示すチェック・ボックスを有効にする必要があります。

  5. 「続行」をクリックして、サブセット・スクリプトを生成するために見積もられたストレージ要件を確認します。

    ノート:

    サブセット・スクリプトを生成するために必要なストレージが使用可能な領域より大きい場合には、必要な領域を割り当てて、サブセット・スクリプトの生成を続行するのに必要な領域を確保します。
  6. サブセット・ジョブの名前を指定して、説明を入力します。すぐにジョブを実行するか、後のある時点で実行するようにスケジュールし、「発行」をクリックします。

    データ・サブセット定義ページが再表示され、「最新のジョブ・ステータス」列に、サブセット・ジョブが実行中であることに続き、このジョブが成功したことが示されます。

この手順の実行後、生成したエクスポート・ファイルを使用してサブセット・データベースをいつでも作成できるようになります。

サブセット・スクリプトのダウンロード

サブセット・スクリプトをダウンロードするには:

  1. 表内の定義を選択し、「アクション」メニューを開いて、「サブセット・スクリプトのダウンロード」を選択します。サブセット・モード・ポップアップが表示されます。
  2. ターゲット・データベースを選択します。サブセット・モデルの作成に使用したものと同じターゲット・データベースか、類似した表スキーマとオブジェクトを含むデータベースのいずれかです。
  3. エクスポート・ファイルへサブセット・データを書き込む方法とターゲット・データベースからデータを削除する方法のどちらを使用してサブセットを作成するかを決定します。

    データの削除を選択すると、本番データベースではなく本番データベースのクローン・コピーから不要なデータを削除することにより、インプレース・サブセットが作成されます。ルールを満たすデータのみが保持されます。このオプションは、本番データベースに対しては決して使用しないでください。

    優先資格証明を設定していない場合は、「名前付き資格証明」または新しい資格証明を選択します。

    「ルール・パラメータ」タブからパラメータを定義した場合、それらのパラメータは下にある表に表示されます。パラメータの値は、「値」列の関連するフィールドをクリックすると変更できます。

  4. 「続行」をクリックして「パラメータ」ポップアップにアクセスします。ポップアップのコンテンツは、前のステップで、エクスポートと削除のどちらのオプションを選択したかに応じて異なります。

    「エクスポート・ファイルへのサブセット・データの書込み」の場合は、必要な情報を指定し、「続行」をクリックしてジョブをスケジュールします。

    • エクスポート・ダンプを保存するサブセット・ディレクトリを指定します。ドロップダウン・リストは、アクセス権を持つディレクトリ・オブジェクトで構成されます。カスタムのディレクトリ・パスを選択することも可能です。外部ディレクトリを使用して処理を高速化する場合は、チェック・ボックスをクリックします。推奨されるデフォルト: DATA_PUMP_DIR

    • デフォルトをオーバーライドする場合、適切な値を指定します。エクスポート・ファイルの名前を入力します。最大ファイル・サイズをMB単位で指定します。エクスポート・ジョブのために、アクティブな実行操作の最大スレッド数を指定します。これにより、リソース消費と経過時間のバランスを取ることができます。

    • サブセッティングされたデータのみをエクスポートするかサブセッティングされたデータとともにデータベース全体をエクスポートするかを指定します。

    • ダンプ・ファイルの圧縮および暗号化を有効にするかどうかを選択します。該当する場合は、暗号化パスワードを入力して確認します。デフォルトでは、ログ・ファイルの生成が選択されています。

    「ターゲット・データベースからのデータの削除」の場合は、必要な情報を指定し、「続行」をクリックしてジョブをスケジュールします。

    • サブセット・スクリプトを保存するサブセット・ディレクトリを指定します。ドロップダウン・リストは、アクセス権を持つディレクトリ・オブジェクトで構成されます。カスタムのディレクトリ・パスを選択することも可能です。推奨されるデフォルト: DATA_FILE_DIR

    • 先に進むには選択したターゲットが本番データベースでないことを示すチェック・ボックスを有効にする必要があります。

  5. 「続行」をクリックします。進行状況インジケータにより、スクリプトの生成が追跡されます。完了すると、スクリプトの生成結果が「ファイル」表にリストされます。

  6. 「ダウンロード」をクリックします。表示される「ファイルのダウンロード」ポップアップで、「保存」をクリックします。

  7. 表示される「別名保存」ポップアップで、ファイルの場所にナビゲートし、「保存」をクリックします。

    スクリプト(SubsetBundle.zip)を含むファイルが、デスクトップの指定された場所に表示されます。

保存したスクリプトを後から実行するには:

  1. ZIPファイルをターゲット・データベースにコピーし、必要な権限を持っているディレクトリに解凍します。
  2. ファイルを抽出したディレクトリに移動します。
  3. SQLコマンドラインからsubset_exec.sqlスクリプトを実行します。

    生成されたパラメータ設定を変更するには、スクリプトを実行する前に、テキスト・エディタでsubset_exec_params.lstファイルを編集します。

アプリケーション・データ・モデルによるサブセット定義の同期化

たとえば、ADMへの変更、参照関係の追加または表の削除で、失効したサブセット定義をレンダリングできます。「サブセット定義」ページには、この条件が明確に示され、サブセット名および無効なステータスの横にロック・アイコン表示されます。また、「アクション」メニューのほとんどのメニュー項目は無効になります。ステータスを有効に戻し、サブセット定義のロック解除するには、関連付けられたADMと定義を同期する必要があります。

  1. 「サブセット定義」ページで、ロックされたサブセット定義を選択します。
  2. 「アクション」メニューから、「同期化」を選択します。
  3. ジョブの発行ダイアログを完了し、「発行」をクリックします。

    ジョブが完了すると、サブセット定義のロックが解除され、使用可能になります。

サブセット・テンプレートおよびダンプのインポートとエクスポート

サブセット・テンプレートは、アプリケーション、サブセット・ルール、ルール・パラメータおよび前処理スクリプトまたは後処理スクリプトから構成されるサブセットの詳細を含むXMLファイルです。サブセット定義を作成して、サブセット・データを書き込んでファイルをエクスポートするよう指定すると、エクスポート・ファイルは後で再利用してインポートできるテンプレートになります。テンプレートをインポートして、異なるデータベースでサブセット操作を実行します。

通常、ワークフローは、ADMの作成中に、まず以前にエクスポートした他のXMLファイルであるADMテンプレートをインポートします。その後、データ・サブセット定義の作成中に、関連するサブセット・テンプレートをインポートします。かわりに、サブセット・テンプレートの作成中に、既存のADMを選択(ADMのインポート・フローを省略)することもできます。

サブセット定義のインポート

次の3つのインポートの方法があります。

  • デスクトップからのサブセット定義XMLファイルのインポート
  • サブセット・ダンプのインポート
  • ソフトウェア・ライブラリからのサブセット定義XMLファイルのインポート

デスクトップからのサブセット定義XMLファイルのインポート

  1. 「アクション」メニューから「インポート」を選択し、次に「デスクトップのファイル」を選択します。
  2. 表示されるポップアップで、次を行います。
    1. サブセット定義の名前を指定します
    2. サブセットが元にするADM
    3. ソース・データベース。
    4. サブセット定義のインポート元にするデスクトップ上の場所
    5. 「続行」をクリックします。
  3. 表示されるポップアップで、次を行います。
    1. 説明的なジョブ名を入力します(またはデフォルトを使用します)
    2. 資格証明を指定します。
    3. ジョブをスケジュールします。
    4. 「発行」をクリックします。

ジョブが正常に実行されると、データ・サブセット定義ページにある表のサブセットのリストに、インポートされたサブセットが表示されます。

サブセット・ダンプのインポート

  1. 「アクション」メニューから「インポート」を選択し、次に「サブセット・ダンプ」を選択します。
  2. 表示されるポップアップで、次を行います。
    1. ターゲット・データベースを選択します
    2. データベースおよびホスト資格証明を指定し、「ログイン」をクリックします。
    3. ダンプ・ファイルの場所を指定します。ターゲット・データベース上の選択したディレクトリ、またはターゲット上のカスタム・パスを指定できます。ダンプ・ファイルの元のエクスポート・アクションで外部の場所を使用した場合、その場所も指定する必要があります。
    4. 「続行」をクリックします。
  3. 表示されるポップアップで、次を行います。
    1. メタデータとデータの両方をインポートするか、またはデータのみをインポートするかを選択します。データのみの場合、切り捨てるか、つまり、既存のデータをオーバーレイするか、既存のデータに追加するかどうかを示します。
    2. タイプまたはオブジェクトの作成中にOID変換を有効にして新しいOIDを作成します。

      新しいOIDを作成すると、オブジェクトを指すREF列でブレークが生じます。

    3. ターゲット・データベースでデフォルト表領域を使用するか、既存の表領域から別の表領域へ再マップするかを指定します。
    4. 必要に応じて、表領域の再マッピングを実行します
    5. 宛先スキーマで既存の表を保持するか、宛先スキーマで既存の表を削除するかを指定します。
    6. 必要に応じて、スキーマの再マッピングを実行します
    7. ログ・ファイル・オプションを選択します
    8. 「続行」をクリックします。
  4. 表示されるポップアップで、次を行います。
    1. 説明的なジョブ名を入力します(またはデフォルトを使用します)
    2. ジョブをスケジュールします。
    3. 「発行」をクリックします。

ジョブは、ダンプ・ファイルを読み取り、選択したターゲット・データベースにデータをロードします。

ソフトウェア・ライブラリからのサブセット定義XMLファイルのインポート

  1. 「アクション」メニューから「インポート」を選択し、次に「ソフトウェア・ライブラリのファイル」を選択します。
  2. 表示されるソフトウェア・ライブラリからのデータ・サブセット定義のインポート・ポップアップで、次を行います。
    1. 左側で目的のサブセット定義XMLファイルを選択します。
    2. 右側でADMプロパティを指定します。
    3. 「続行」をクリックします。
  3. 表示されるポップアップで、次を行います。
    1. 説明的なジョブ名を入力します(またはデフォルトを使用します)
    2. 資格証明を指定します。
    3. ジョブをスケジュールします。
    4. 「発行」をクリックします。

ジョブが正常に実行されると、データ・サブセット定義ページにある表のサブセットのリストに、インポートされたサブセットが表示されます。

サブセット定義のエクスポート

次の2つのエクスポートの方法があります。

  • XMLファイルとしてのサブセット定義のデスクトップへのエクスポート
  • ソフトウェア・ライブラリからのサブセット定義のエクスポート

XMLファイルとしてのサブセット定義のデスクトップへのエクスポート

  1. データ・サブセット定義ページから、エクスポートするサブセット定義を選択します。
  2. 「アクション」メニューから「エクスポート」を選択し、次に「選択されたサブセット定義」を選択します。
  3. 表示されるファイル・ダウンロード・ポップアップで、「保存」をクリックします。
  4. 表示される「別名保存」ポップアップで、ファイルの場所にナビゲートし、「保存」をクリックします。

    サブセット定義がXMLファイルに変換され、デスクトップの指定された場所に表示されます。

ソフトウェア・ライブラリからのサブセット定義のエクスポート

  1. 「アクション」メニューから「エクスポート」を選択し、次に「ソフトウェア・ライブラリのファイル」を選択します。
  2. 表示されるソフトウェア・ライブラリからのサブセット定義のエクスポート・ポップアップで、目的のサブセット定義を選択し、「エクスポート」をクリックします。
  3. 表示されるファイル・ダウンロード・ポップアップで、「保存」をクリックします。
  4. 表示される「別名保存」ポップアップで、ファイルの場所にナビゲートし、「保存」をクリックします。

    サブセット定義がXMLファイルに変換され、デスクトップの指定された場所に表示されます。

ジョブが正常に実行されると、「データ・サブセット定義」ページの表のサブセットのリストに、サブセット・テンプレートが表示されます。

サブセット定義での権限の付与

他のユーザーがアクセス権を持つことができるように、作成するサブセット定義で権限を付与できます。これを行うには、少なくともサブセット定義にデザイナ権限を持つEnterprise Manager管理者である必要があります。

  1. 「データ・サブセッティング定義」ページで、権限を付与する定義を選択します。
  2. 「アクション」メニューから、「権限付与」を選択します。
    • オペレータ: 選択したロールまたは管理者にサブセット定義のオペレータ権限を付与します(権限受領者は定義を表示およびコピーできますが、編集することはできません)。

    • デザイナ: 選択したロールまたは管理者にサブセット定義のデザイナ権限を付与します(権限受領者は定義を表示および編集できます)。

  3. 開いたダイアログで、タイプ(管理者、ロール、あるいはその両方)を選択します。必要に応じて、名前で検索します。選択し、「選択」をクリックします。

    これらの選択は、サブセット定義に対する権限を持ちます。

  4. 前に付与された権限を拒否するには、「取消」アクションを使用します。

テスト・データ管理領域内の権限の詳細は、「アクセス制御の手順」を参照してください。

ライフサイクル管理

この項では、アプリケーション・データ・モデル、データ・マスキングおよびデータ・サブセッティング定義のライフサイクル管理について説明します。

Enterprise Managerユーザーが削除または変更された場合、ユーザーはアプリケーション・データ・モデル、データ・マスキングおよびデータ・サブセッティングの定義をシステム内の別のユーザーに再割当てできます。ただし、ユーザーがアプリケーション・データ・モデル、データ・マスキングおよびデータ・サブセッティングの定義を別のユーザーに再割当てしない場合、これらの定義はSYSMANユーザーに自動的に再割当てされます。

システム内の別のユーザーへのアプリケーション・データ・モデル、データ・マスキングおよびデータ・サブセッティング定義の再割当てを試みたとき、再割当てされたユーザーがすでに同じ名前の定義を持っていた場合は、元の定義の名前が変更されます。

たとえば、ユーザーAがADM1というアプリケーション・データ・モデルを持ち、ユーザーBもADM1という名前のアプリケーション・データ・モデルを持っているとします。ユーザーBを削除し、その定義をユーザーAに割り当てることを選択した場合、元の定義ADM1がADM1_Bに名前変更されます。同じ名前の元の定義が、接尾辞「_」を付加し、削除されるユーザー名を追加して、名前変更されます。再割当ての後、ユーザーAは、ADM1およびADM1_Bの両方の定義を持つことになります。