このマニュアルでは、Oracle Database Examplesで使用可能な製品のインストール方法および構成方法を説明します。

Oracle Database Examplesで使用可能な製品

これらの項では、インストールされる製品について説明します。

次の製品は、既存のOracle Database 23aiのOracleホームにインストールする必要があります。

Oracle Databaseのサンプル

Oracle Database Examplesには、Oracle Databaseの製品、オプションおよび機能について学習するために使用できる、様々な例と製品のデモンストレーションが含まれています。

これらの例の多くは、Oracle Databaseにインストール可能なサンプル・スキーマと連携するように設計されています。Oracleドキュメント・ライブラリのマニュアルの多くで、Oracle Database Examplesで提供されるプログラムやスクリプトの例が使用されています。

この項では、次の項目について説明します。

Oracle Data Miningのデモについて

Oracle Data Miningのデモには、Oracle Data Mining APIを理解するのに役立つData Miningサンプル・プログラムが含まれています。

Data Miningのサンプル・プログラムは、データの準備、アルゴリズムの選択、アルゴリズムのチューニング、テストおよびスコアリングを行うための一般的な方法を示しています。各プログラムで、データベースにマイニング・モデルが作成されます。すべてのプログラムには、コードの理解に役立つインライン・コメントが多数含まれています。

Oracleグローバリゼーション・サポートのデモについて

Oracleグローバリゼーションのデモは、Oracle Globalization Development Kitの機能およびAPIを示します。

Oracle Globalization Development Kit (GDK)は、グローバルなインターネット・アプリケーションの開発を容易にする完全なフレームワークを提供します。GDK Exampleのデモでは、ロケール依存のデータ・フォーマット、言語ソート、ロケール・マッピング、ロケール決定および言語検出など、個々の機能を説明します。Oracle Storeのデモでは、ユーザーに様々なロケール・プリファレンスを提供する完全な多言語のJ2EE Webアプリケーションを作成するため、GDKの機能を統合する方法を説明します。

Oracle Precompilerのデモについて

Oracle Precompilerのデモでは、ANSI標準に準拠した形でC/C++およびCOBOLコードにSQL操作を埋め込む方法を、アプリケーション・プログラマに示します。

Pro*Cプログラムとは、埋込みSQL文が含まれているCプログラムです。Oracle Pro*C/C++およびPro*COBOLのデモでは、リアルタイムで変更できる操作である動的SQL操作をサポートするための拡張機能を提供します。動的SQL操作を、PL/SQLコード(匿名PL/SQLブロックとして知られています)を介してPro*C/C++およびPro*COBOLアプリケーションとともに使用することもできます。標準的なアプリケーションでは、動的SQLよりも静的SQLのほうがより多く使用されています。プリコンパイラは、それぞれの埋込みSQL文を、プリコンパイラ・ランタイム・ライブラリ(SQLLIB)のコールに変換します。

Oracle Spatial and Graphのデモについて

Oracle Spatial and Graphのデモでは、Oracleデータベースでの空間特性コレクションの格納、取得、更新および問合せを容易にするSQLスキーマおよびファンクションを提供します。

Oracle Spatial and Graphは、ファンクションとプロシージャを統合したもので、これによって、Oracle Databaseで空間データを迅速かつ効率的に格納、アクセスおよび分析できます。空間データは、現実または概念のオブジェクトの本質的な位置特性を、それらが存在する現実または概念の空間に関連するものとして表します。

Oracle Internet Directoryクライアントのデモについて

Oracle Internet Directoryクライアントのデモは、アプリケーション・プログラマのためにLDAP CおよびPL/SQL APIの使用方法を示します。

C APIに基づいたすべてのLDAP操作で、クライアントがLDAPサーバーとのLDAPセッションを確立することが求められます。PL/SQL APIに基づいたLDAP操作を実行するには、最初にデータベース・セッションを初期化してからLDAPセッションをオープンする必要があります。DBMS_LDAPパッケージを使用すると、PL/SQLアプリケーションでLDAPサーバー内にあるデータにアクセスできます。ファンクション・コールの名前と構文は、C APIの場合と同様です。

Oracle XMLのデモについて

Oracle XMLのデモは、XMLを処理するC、C++およびJavaソフトウェア・プログラムの作成とデプロイを可能にする多目的なコンポーネント・セットである、Oracle XML Developer's Kit(XDK)の機能を示します。

Oracle Call Interfaceのデモについて

Oracle Call Interface (OCI)のデモには、OCI APIを使用するためのCのサンプル・プログラムが含まれています。

これらのプログラムはCのデータ型、コール規則、構文およびセマンティックを提供します。

Oracle C++ Call Interfaceのデモについて

Oracle C++ Call Interface (OCCI)のデモは、C++で記述されたアプリケーション用にデータベース・アクセスAPIを提供します。コントロール・クラスにより、アプリケーションをデータベースに接続し、文や結果セットのようなリソースを作成できるようになります。データ・クラスには、様々なタイプのデータが含まれます。オブジェクト・クラスおよびメソッドは、オブジェクトへのアクセスおよび操作のためのナビゲーショナル・インタフェースを提供します。オブジェクト型トランスレータ(OTT)を使用して、Oracleデータベースで定義されたデータ型のC++クラス・ヘッダーを生成することができます。インストールされたデモは、OTTおよびOCCIのクラスおよびメソッドの使用方法を示します。

Oracle ODBCの関連物について

Oracle ODBC Driverのデモは基本的な構造のODBCアプリケーションを提供し、これは完全なODBCアプリケーションに拡張することができます。

ODBCは標準であるため、ODBCドライバの概要を説明するドキュメントに多数のサンプル・アプリケーションを見つけることができます。Oracle ODBCドライバの特定のオプションについては、WindowsでData Source Nameを設定する際にヘルプを参照してください。

Oracle Textナレッジ・ベース

Oracle Database Examplesにより、2つのOracle Textナレッジ・ベース(英語およびフランス語)がインストールされます。必要に応じて、提供されたナレッジ・ベースを拡張できます。また、英語およびフランス語以外の言語で、独自のナレッジ・ベースを作成することもできます。

関連トピック

インストール前の考慮事項

Oracle Database Examplesのインストール要件は次のとおりです。

空きディスク領域

Oracleホーム・ディレクトリが含まれるファイル・システムに、少なくとも次のものがあることを確認します。

  • UNIXシステムの場合は、800 MBの空きディスク領域。

  • Windowsシステムの場合は、5.43 GBの空きディスク領域。

次の項では、UNIXプラットフォームおよびWindowsプラットフォームの空きディスク領域を特定する方法の詳細を説明します。

UNIXプラットフォームの空きディスク領域の特定

UNIXプラットフォームの空きディスク領域をチェックする方法を説明します。

次のコマンドを使用し、Oracleホーム・ディレクトリに十分な領域があることをチェックします。
  • df —k oracle_home_path
ここで、oracle_home_pathOracleホーム・ディレクトリに対するパスです。

Windowsシステムの空きディスク領域の特定

Windowsシステムの空きディスク領域を特定する方法を説明します。

次のステップを実行し、Oracleホーム・ディレクトリに十分な領域があることをチェックします。
  1. 「マイ コンピュータ」をダブルクリックします。
  2. Oracleソフトウェアをインストールするドライブを右クリックします。
  3. 「プロパティ」を選択します。

必須の製品

Oracle Database Examplesを使用するために必要な製品について説明します。

Oracle Database Examplesを使用するには、まずOracle Databaseにサンプル・スキーマをインストールする必要があります。Oracle Databaseをインストールするときや、Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成するときに、サンプル・スキーマを含めることができます。既存のデータベースに手動でサンプル・スキーマをインストールすることもできます。

ノート:

Oracle Database 21c以降のすべてのサンプル・スキーマはGitHubで配布されます:

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』

Oracleホーム・ディレクトリの確認

Oracle Databaseのインストールで使用されているOracleホーム・ディレクトリを確認する方法について説明します。

Oracle Database Examplesから製品を抽出する前に、システムにOracle Database 23aiのOracleホームへのアクセス権があることを確認する必要があります。必要であれば、まずこのリリースのOracle Databaseをインストールするか、このリリースにアップグレードします。

Oracle Databaseのインストールで使用されているOracleホーム・ディレクトリを確認します。

UNIXプラットフォームでは、oratabファイルは/etcディレクトリまたは/var/opt/oracleディレクトリにあります。moreコマンドを使用して、oratabファイルのコンテンツをチェックします。たとえば:

# more /etc/oratab

Windowsプラットフォームの場合:

  1. 「スタート」メニューから、「プログラム」「Oracle - HOME_NAME「Oracle Installation Products」「Universal Installer」の順に選択します。
  2. 「ようこそ」画面が表示されたら、「インストールされた製品」をクリックします
    システム上のすべてのOracleホームと、各Oracleホームにインストールされている製品が表示された「インベントリ」画面が表示されます。
  3. 「インベントリ」画面で各Oracleホームを開き、Oracle Database 23aiを検索します。
  4. 「閉じる」をクリックし、次に「取消」をクリックしてOracle Universal Installerを終了します。

Oracle Database Examplesのダウンロード

製品のデモを表示するには、Oracle Database Examplesのzipファイルを既存の23aiのOracleホームにダウンロードおよび抽出する必要があります。

  1. Oracle Technology Networkで、次に示すOracle Database 23aiのダウンロード・ページに移動します。
  2. 「See All」リンクを選択し、「Oracle Database 23ai Examples」の下にあるOracle Database Examplesのzipファイルを選択します。
  3. Oracle Database Examplesのzipファイルを/tmpディレクトリやフォルダなどの一時的な場所にダウンロードします。

Oracle Database Examplesのインストールについて

Oracle Database Examplesは、Oracleホーム・ディレクトリに製品デモをインストールし、$ORACLE_HOME/demo/schemaディレクトリ内のサンプル・スクリプトにSQLスクリプトをインストールします。これらの製品データ・モデルを使用するには、データベースにサンプル・スキーマをインストールする必要があります。Oracleデータベースのインストール中、またはDatabase Configuration Assistantを使用したデータベースの作成中にサンプル・スキーマが含まれていない場合、SQLスクリプトを実行して手動でそれらをインストールできます。

次のメソッドの1つを使用して、Oracle Database Examplesをインストールします。

Oracle Database Examplesの抽出

Oracle Database Examplesのzipファイルは、既存のOracle Database 23aiのOracleホームで抽出する必要があります。

Oracle Database Examplesを抽出するには、次のステップを実行します。
  1. Oracle Database 23aiがインストールされているコンピュータにログインします。

    UNIXプラットフォームでは、Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle)としてログインします。

    Windowsプラットフォームでは、Oracleコンポーネントをインストールするコンピュータの管理者または管理者グループのメンバーとしてログインします。プライマリ・ドメイン・コントローラ(PDC)またはバックアップ・ドメイン・コントローラ(BDC)をインストールしている場合は、Domain Administratorsグループのメンバーとしてログオンします。

  2. 使用する予定のOracle Databaseがアクセス可能であることを確認します。
    詳細は、インストール・ソフトウェアへのアクセスを参照してください。
  3. Oracle Database Examplesのzipファイルをダウンロードしたディレクトリに移動します。「Oracle Database Examplesのダウンロード」を参照してください。
  4. zipファイルのコンテンツを既存のOracle Database 23aiのOracleホームに抽出します。
  5. Oracle Database Examplesの例および製品のデモンストレーションを、Oracleホームで使用できるようになりました。

読取り専用Oracleホームでのdemoディレクトリについて

Oracle Database 23aiでは、Oracle Databaseのソフトウェアのみのインストールを実行した後、Oracleホームを読取り専用モードで構成できます。

読取り専用Oracleホームを構成した場合は、一部のdemoディレクトリをORACLE_HOMEからORACLE_BASE_HOMEにコピーする必要があります。

詳細は、読取り専用Oracleホームの有効化およびOracleベース・ホームへのdemoディレクトリのコピーを参照してください。

ドキュメントのアクセシビリティについて

Oracleサポートへのアクセス

表記規則

このドキュメントでは、次のテキスト表記規則が使用されます:

表記規則 内容

boldface

太字体は、アクションに関連付けられたグラフィカル・ユーザー・インタフェース要素や、本文または用語集で定義されている用語を示します。

italic

イタリック体は、ブック・タイトル、強調、またはユーザーが特定の値を指定するプレースホルダー変数を示します。

monospace

等幅体は、段落内のコマンド、URL、サンプル内のコード、画面に表示されるテキスト、またはユーザーが入力するテキストを示します。

Java Accessibilityを実装するためのJava Access Bridgeの設定

Java Access Bridgeをインストールして、Microsoft Windowsシステムのアシスティブ・テクノロジでJava Accessibility APIを使用できるようにします。

Java Access Bridgeは、Java Accessibility APIを実装するJavaアプリケーションおよびアプレットをMicrosoft Windowsシステム上のユーザー補助テクノロジから可視にするためのテクノロジです。

Java Access Bridgeを使用するために必要なアシスティブ・テクノロジの最低バージョンの詳細は、Java Platform, Standard Editionアクセシビリティ・ガイドを参照してください。また、インストールとテストの指示、Java Access Bridgeの使用方法に関する指示の取得についても、このガイドを参照してください。