10.1 SDO_GEOR_GDAL.dem

形式

SDO_GEOR_GDAL.dem(
     inGeoRaster     IN SDO_GEORASTER, 
     outGeoRaster    IN OUT SDO_GEORASTER, 
     processing      IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
     options         IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
     createOptions   IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
     metadataOptions IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
     colorDirectory  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
     colorFileName   IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, 
     openOptions     IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);

説明

入力数値標高モデル(DEM)を処理し、指定された処理および変換オプションを反映した出力GeoRasterオブジェクトを生成します。

パラメータ

inGeoRaster

GeoRasterオブジェクト。通常は数値標高モデル(DEM)。

outGeoRaster

操作の結果を格納するGeoRasterオブジェクトを指定します。有効な初期化されたGeoRasterオブジェクトである必要があります。inGeoRasterと同じGeoRasterオブジェクトは指定できません。

processing

指定した場合、適用するDEM処理技術の名前を示します。

  • aspectは、方位マップを生成します。

  • color-reliefは、カラー・レリーフ・マップを生成します。

  • hillshadeは、影付きレリーフ・マップを生成します。

  • Roughnessは、粗さのマップを生成します。

  • slopeは、傾斜マップを生成します。

  • TPIは、Topographic Position Indexのマップを生成します。

  • TRIは、Terrain Ruggedness Indexのマップを生成します。

options

指定した場合、GDAL変換操作のオプションを示します。使用可能なoptionsパラメータ値の名前と説明の表については、「使用上のノート」を参照してください。

例: options => 'outputType=float32'

createOptions

指定した場合、出力ドライバに固有のオプションを示します。形式は'name=value'であり、オプションはスペースで区切られます。例: "COMPRESS=JPEG-F GENPYRAMID=NN"

metadataOptions

指定した場合、出力ドライバに固有のメタデータ値を割り当てます。形式は'name=value'であり、オプションはスペースで区切られます。例: "TIFFTAG_POINTAREA=AREA"

colorDirectory

指定した場合、入力カラー表ファイルが存在するファイル・システム・ディレクトリに関連するディレクトリ・オブジェクトの名前を示します。

colorFileName

指定した場合、GDAL互換カラー表ファイルのベース・ファイル名を示します。

openOptions

指定した場合、入力ドライバ形式に固有のオプションを示します。詳細は、GDALでサポートされている形式のリストを参照してください。

使用上のノート

openOptionsパラメータの使用可能なキーワードを次の表に示します。

表10-1 dem操作のopenOptionsパラメータの使用可能な値

キーワード 説明

alg

Hornの計算式ではなくZevenbergenThorneアルゴリズムを使用するかどうかを示します。ブール型であり、デフォルトはfalseです。

altitude

hillshade処理でのみ使用できます。光源の高度を度数で示します(光源がDEM上からの場合は90、測光線の場合は0)。

azimuth

hillshade処理でのみ使用できます。デフォルト値は315 (ゼロ)です。これは影付きマップを生成するために一般的に使用される値であるため、変更することはほとんどありません。

band

DEMを識別するバンド番号。値は1 (デフォルト)から始まります。

Combined

hillshade処理でのみ使用できます。結合された陰影、傾斜と傾きの陰影の組合せを計算するかどうかを示します。

computeEdges

ラスターのエッジで値を計算するかどうかを示します。ブール型であり、デフォルトはfalseです。

outputType

出力ピクセルのデータ型。サポートされる値は、ByteInt16UInt16UInt32Int32Float32Float64CInt16CInt32CFloat32およびCFloat64です。例: 'outputtype=float64'

このオプションを指定しない場合、入力データ型が使用されます。

使用されているデータ型が出力形式でサポートされているかどうかを確認します。

scale

垂直単位を乗算するための比率を示します。たとえば、垂直単位がメートルであり、変換する必要がある場合は、scale=111120を使用します(または、フィート単位の場合はscale=370400)。

Trigonometric

aspect処理でのみ使用できます。方位角ではなく三角角度を返すかどうかを示します。0degは東、90degは北、180degは西、270degは南を意味します。

zeroForFlat

aspect処理でのみ使用できます。slope=0の平坦な地域に対して-9999ではなく0を戻すかどうかを示します。

zFactor

hillshade処理についてのみ、過高感を示します。

便宜上、optionsパラメータの引数は、GDAL gdal_demコマンドライン・ツールと同じ書式で入力することもできます。例: ”-b 1 –scale 10”

次の例では、入力DEMから方位マップを生成します。

DECLARE
  gr6 sdo_georaster;
  gr7 sdo_georaster;
BEHIN
  delete from imagery where id = 7;
  insert into imagery values(7, sdo_geor.init('dem_rdt',7))
         returning raster into gr7;
  select raster into gr6 from imagery where id = 6;
  sdo_geor_gdal.dem(inGeoRaster     => gr6,
                    outGeoRaster    => gr7,
                    processing      => 'aspect',
                    options         => 'outputType=float32');
  update imagery set raster = gr7 where id = 7;
  commit;
END;