パッケージ
パッケージとは、論理的に関連するPL/SQLの型、変数、定数、サブプログラム、カーソルおよび例外をグループにまとめたスキーマ・オブジェクトのことです。パッケージをコンパイルしてデータベースに格納し、その内容を複数のアプリケーションで共有できます。
パッケージには必ず仕様部があり、パッケージの外から参照できるパブリック項目はここで宣言します。
パブリック項目にカーソルまたはサブプログラムが含まれる場合、パッケージには本体も必要です。本体には、パブリック・カーソルの問合せとパブリック・サブプログラムのコードを定義する必要があります。本体では、パッケージの外からは参照できなくてもパッケージの内部動作に必要なプライベート項目を宣言および定義することもできます。本体の最後には初期化部(ここには、変数を初期化する文と、その他の1回のみの設定ステップを実行する文を入れます)、および例外処理部を配置することができます。本体は、仕様部またはパブリック項目への参照を変更せずに変更できるため、パッケージ本体はブラック・ボックスと考えることができます。
パッケージ仕様部またはパッケージ本体のいずれでも、パッケージ・サブプログラムを外部のJava、JavaScriptまたはCのサブプログラムにマップできますが、その際にはコール仕様を使用して、外部サブプログラム名、パラメータ型および戻り型を対応するSQLにマップします。
パッケージ仕様部のAUTHID
句は、パッケージのサブプログラムとカーソルをその定義者(デフォルト)と実行者のどちらの権限で実行するか、およびスキーマ・オブジェクトへの未修飾の参照が定義者と実行者のどちらのスキーマで解決されるかを決定します。
パッケージ仕様部のACCESSIBLE
BY
句を使用すると、パッケージにアクセスできるPL/SQLユニットのホワイト・リストを指定できます。この句は次のような状況で使用します。
-
PL/SQLアプリケーションを複数のパッケージとして実装します。このうち、1つのパッケージがアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を提供し、ヘルパー・パッケージが処理を実行します。このとき、クライアントがAPIにアクセスするが、ヘルパー・パッケージにはアクセスしないようにします。したがって、
ACCESSIBLE
BY
句をAPIパッケージの仕様から省略し、ヘルパー・パッケージの仕様ごとに組み込み、ここで、APIパッケージのみがヘルパー・パッケージにアクセスできるように指定します。 -
同じスキーマ内のすべてではなく一部のPL/SQLユニットにサービスを提供するユーティリティ・パッケージを作成します。パッケージの使用対象を目的のユニットに制限するには、パッケージ仕様内の
ACCESSIBLE
BY
句にこれらをリストします。
関連項目:
-
パッケージ仕様部の詳細は、「パッケージ仕様部」を参照してください
-
パッケージ本体の詳細は、「パッケージ本体」を参照してください