9.1 Global Data Servicesの概要

Oracle Global Data Services (GDS)では、負荷、局所性またはラグに基づいたワークロード・ルーティング、および複数のレプリカにわたるサービス・フェイルオーバーが提供されます。

これは、企業がアプリケーションのパフォーマンスを最大限に高め、計画済停止と計画外停止の間の停止時間を短縮し、1つのインタフェースで複数のレプリカのリソースを管理するために役立ちます。

GDSでは、Oracle Database、スタンバイ・データベース、GoldenGateでレプリケートしたデータベース、Oracle Globally Distributed Database、True Cacheなどがサポートされています。

GDS構成およびグローバル・サービスは、GDSCTLコマンドライン・インタフェースを使用して作成および管理します。これは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースとそのサービスを管理するために使用するSRVCTLコマンドライン・インタフェースに似ています。

GDS構成には、次のコンポーネントが含まれています:

  • GDSカタログには、GDS構成の構成データが格納されています。GDSカタログは、Oracle Database内にあります。大規模なGDS構成の場合は、GDSカタログをGDS構成内のデータベースの外部でホストすることをお薦めします。
  • GDSリージョンは、ネットワーク隣接性が近い(東部や西部など)、データベース、True Cacheおよびクライアントのグループです。高可用性を実現するには、各リージョンにバディ・リージョンを割り当てます。バディ・リージョンはリージョンごとに1つのみ許可されます。
  • グローバル・サービス・マネージャ(GSM)は、サービスレベルのロード・バランシング、フェイルオーバー、およびGDS構成内のサービスの一元管理を提供する、GDSのセントラル・ソフトウェアです。高可用性を実現するには、各リージョンに2つのGSMを含めます。
  • GDSプールは、共通の一連のグローバル・サービス(人事や販売など)を提供する、データベースおよびTrue Cacheのグループです。1つのリージョンに複数のGDSプールを含めることができます。これらのプールは複数のリージョンにまたがっていてもかまいません。1つのデータベースまたはTrue Cacheが、1つのGDSプールにのみ属すことができます。同じグローバル・サービスを提供するすべてのデータベースおよびTrue Cacheが、同じプールに属している必要があります。
  • グローバル・サービスは、機能的に、単一インスタンス・データベースまたはOracle RACデータベースによって提供されるローカル・データベース・アプリケーション・サービスに似ています。グローバル・サービスとローカル・サービスとの主な違いは、グローバル・サービスが複数のデータベースのインスタンスを対象とするのに対し、ローカル・サービスが単一データベースのインスタンスを対象とする点です。
  • クライアント接続プール(Oracle Universal Connection Pool(UCP) JDBC接続プールなど)は、グローバル・ランタイム接続ロード・バランシングに必要な、ロード・バランシングの推奨事項を受信できます。
  • Oracle Notification Service (ONS)サーバーは、各GSMにあります。リージョン内のすべてのONSサーバーは、ONSサーバー・ネットワーク内で相互接続されています。GSMにより、ランタイム・ロード・バランシング勧告が作成され、ONSサーバー・ネットワークを介してそれらがクライアント接続プールに公開されます。

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