フェデレーテッド分散データベースの概要

フェデレーテッド分散データベースについて

フェデレーテッド分散データベース構成の概要、必要な理由およびその仕組みを学習します。

フェデレーテッド分散データベースは、シャードが類似のスキーマを持つ独立したデータベースで構成される分散データベース構成です。

独立したデータベースから分散データベースを作成することで、データ分析のために大量のデータを単一の場所にインポートする必要性が減少します。

この方法には、次のような利点があります。

  • 既存の地理的に分散されたデータベースを使用して分散データベース環境を作成します。新しいシステムをプロビジョニングする必要はありません。
  • マルチシャード問合せを実行し、単一の問合せで多くの場所のデータにアクセスします

フェデレーテッド分散データベース構成では、Oracle Globally Distributed Databaseは、独立した各データベースをシャードとして扱うため、それらのシャードに対してマルチシャード問合せを発行できます。

シャード・データベース間でマイナー・バージョンの不一致があるフェデレーテッド分散データベース構成を作成できます。たとえば、あるリージョンをOracle Database 23.1にして、別のリージョンをOracle Database 23.3にできます。すべてのデータベース・シャードおよびシャード・カタログは、Oracle Database 21c以降である必要があります。

フェデレーテッド分散データベースのスキーマの要件

データベース・スキーマまたはアプリケーションを変更せずに、同じアプリケーションを実行している既存のデータベースをフェデレーテッド分散データベース構成に変換できます。

ただし、データベースはスキーマが同じであるか、違いがわずかである必要があります。たとえば、いずれかのデータベースの表に追加の列を含めることができます。

アプリケーションのアップグレードでは、スキーマの変更をトリガーできます(新しい表、新しい列、新しいチェック制約の追加、または列のデータ型の変更(あるいはその両方の操作)を行う場合など)。フェデレーテッド分散データベース構成の一部である場合、Oracle Globally Distributed Databaseは、全体的なスキーマ構造が同じままであるかぎり、アプリケーションのアップグレードによって生じるスキーマの差異に対処できます。

フェデレーテッド分散データベース構成のシャード表および重複表

各フェデレーテッド・データベースに異なるセットのデータがある表は、従来の分散データベースのシャード表と同等です。すべてのフェデレーテッド・データベースで同じ内容の表は、従来の分散データベースの重複表と同等です。

フェデレーテッド分散データベース構成を作成する場合、すべての表がシャーディングされていることがシステムで想定されるため、マルチシャード問合せコーディネータを使用して、重複表とみなす必要がある表を明示的にマークする必要があります。

フェデレーテッド分散データベースの制限事項

フェデレーテッド分散データベース構成の作成にはいくつかの制限事項があります。

  • フェデレーテッド分散データベース構成にはチャンクの概念がないため、GDSCTL MOVE CHUNKコマンドはサポートされません。
  • シャーディング・キー・ベースのアプリケーションのルーティングはサポートされません。
  • 既存のデータベースは、フェデレーテッド分散データベース構成に追加する前に、Oracle Database 21c以降にアップグレードする必要があります。
  • DDL、クロスシャード挿入、更新および削除は、ENABLE SHARD DDL下のフェデレーテッド分散データベース・アーキテクチャのシャード・カタログからサポートされていません。

フェデレーテッド分散データベースのセキュリティ

データベース・ユーザーはすべてのフェデレーテッド・データベースに存在する必要はありませんが、すべてのデータベースにスキーマ所有者が存在する必要があります。これらのスキーマ所有者の権限およびパスワードは、異なる場合があります。セキュリティのため、インポートされるのは共通の権限のみです。