データ主権の概要

データ主権とは、一般的に、データが作成された地域に固有の規制によってデータが管理されることを指します。これらのタイプの規制では、データの保存場所、データへのアクセス方法、データの処理方法およびデータのライフサイクルが指定されることがあります。

国境やパブリック・クラウド・リージョンをまたぐデータの急増に伴い、100か国以上でデータの保存場所と転送方法に関する規制が可決されました。特に、個人を特定できる情報(PII)は、それが収集される国の法律およびガバナンス構造の対象となることが増えています。多くの場合、他の国へのデータ転送は、その国が同様のレベルのデータ保護を提供しているかどうか、およびその国が科学捜査で協力するかどうかに基づいて制限または許可されます。

データ主権の要件は地域の規制に基づくため、アプリケーション・アーキテクチャは様々なものになる可能性のあるます。そのいくつかは次のとおりです。

  • データを特定の地理的な場所で物理的に保存する必要があります。たとえば、特定の国または複数の国で構成される地域の境界内です。データが遠隔地に保存されていないかぎり、データにリモートでアクセスして処理することは問題ありません。技術的な観点からは、これは、永続データを物理的に格納するデータベース、オブジェクト・ストア、メッセージング・ストアなどのデータ・ストアが特定の地理的な場所にある必要があることを意味します。ただし、データを処理するためのビジネス・ロジックを持つアプリケーション・ランタイムは、地理的な場所の外に配置できます。このようなアプリケーション・パーツの例には、アプリケーション・サーバー、モバイル・アプリケーション、APIゲートウェイ、ワークフローなどがあります。

  • データを特定の地理的な場所で物理的に保存および処理する必要があります。この場合、データの保存と処理は、定義された地理的な場所内で行う必要があります。